Mesa Boogie Markシリーズの最新機種「Mark VII」のレビューです。
私が最も好きなアンプメーカーの1つMesa Boogie!
今でもExpress 2:25の4Uラックを所有しており、特にギターのリズムプレイに求める中高域の存在感あるトーンに一度惚れてからは中々手放せません。Boogie × Electro-Voiceの黄金セットでレコーディングした音源は今でもお気に入りです。
Markシリーズは、1971年~1972年に登場したMesa Boogie初期プロダクト/世界初のカスケード式プリアンプを持つ「MarkⅠ」からMarkシリーズ歴史は始まり、1978年にLEAD/RHYTHMのCh切替が可能な「Mark II-A」を、1980年にはチューブバッファード・エフェクトループを搭載した「Mark II-B」を発表。その後、細かなマイナーチェンジが施され、1984年にはさらにハイゲインサウンドにフォーカスした今や伝説的な「Mark II-C+」をリリース。1985年にはより幅広いサウンドメイクを可能にした独立3Ch仕様の「Mark Ⅲ」に進化しその後、高い評価を受けたEXTREMEモードを搭載した「Mark IV」が登場。
この画期的な機能を一台に詰め込み、モダンメタルやプログレッシブなジャンルのシグネイチャーサウンドと化した「Mark V」の活躍は今尚続いております。
そんなレガシーモデル達を踏襲し、更なるサウンドの追及、ユーザーアビリティを拡張した正にMesa Boogieの最高傑作と呼ぶべく誕生したモデルが「Mark VII」です。
「Mark VII」の開発には幻のプロトタイプ「Mark Six」が存在したそうですが、ブランド創設者であり惜しくも引退されたランドールスミスさんが残した最後のアンプは「Mark VII」となりました。
Mark Vとの違いは、CABCLONE IRの搭載、MIDI対応、勿論信号回路も改善されよりピュアなサウンドになったというのが大きいところ。
これだけの多機能、マークサウンドを担保しつつもヘッドもコンボも非常に小さいことにも驚きです。(重量はとんでもなく重い)
CABCLONE IRはキャビネット未接続でもアンプを駆動させることが出来、各チャンネル毎に異なるIRを設定する事が出来ます。(サイレント使用時は背面のスピーカージャックを抜けばOK。)
例えば、CH1では伝統的なマークスタイルを、CH2ではダーティなレクチスタイルを、CH3ではJPスタイルを設定する事、まるで3台のアンプ/キャビネットを切り替えているかのようなサウンドバリエーションが得られます。
このIRのクオリティが非常に高く、LINE出力にありがちなアタックの遅さから生じるギチギチ感や、違和感のある艶がなく、アタック音がパキッと出て耳に近いサウンドは流石としか言いようがないです。
あのジョンペトルーシモデルJP-IICに搭載されているだけの事はありますね。
LINE OUT(DRY)からはIRを通らないピュアなアンプ信号が出力されます。尚、USB端子はIRデータの転送用なので、オーディオインターフェース機能は搭載されておりませんので、ご注意下さい。
CABCLONE IRは単体でも¥95,700-する事が思えば、もはや最もお買い得なマークシリーズにも思えてきます。
コンボタイプのメリットは、アンプを中音で鳴らしつつも、DIRECT OUTからのIR出力をPA卓に送る事で、リアルサウンドのモニタリングをしつつも、予め作り込んだサウンドを環境に左右されることなく外音に出力できる点です。マイキングや他楽器の被りもない為、ピュアをギタートーンを必要とする場合はライン出力が有効です。
鳴らしてみるとかなりコンボ感のある箱鳴りがあるので、ハイゲインのプレイでは外部スピーカーへの接続、アンプからの出力はモニター用として割り切るのも良いかもしれません。(それぞれの音量はフロントパネルのマスター、背面のOUTPUTで別々に音量調整可能)
反対に新たに加わったMARK-IIBモードやCLEANはコンボタイプの恩恵が大きいですよ。
搭載スピーカーは、Celestion Custom 90。Mesa Boogieに搭載されるCeletionは今も変わらずUK製です。
当時はオプションであったチューブ式スプリングリバーブ、サイマルクラスパワー、5バンドグラフィックEQも当たり前のように搭載。このフルオプションを当時オーダーしたら一体いくらになるのでしょうか。。
このようにメーカーの歴史・サウンド・昨日をご確認いただければこのお値段もご納得いただけるのではないでしょうか。
Mesa Boogie・ランドールスミスの集大成を是非お試しいただきたい!
プレミアムアンプOSAKAでは常時試奏を可能です!
お問い合わせは南浦までお気軽にどうぞ!