90年代の香りの感じるカスタムギターブランド『VARITA』

こちらは国内工房「Red House Guitars」で製作されるMade in Japan製。生産数の少なさから限られた販売店でのみ取り扱いできる貴重なブランド。その歴史は日本を代表するスタジオ・ミュージシャンと共にあります。松原正樹氏や今剛氏を支え、現代の音楽にも適したトーンを生み出す究極の道具と言えます。

その美しいルックスに魅了されがちですが、ボディトップのメイプル材の有無によってトーンの傾向が全然違うという事をご存じでしょうか？メイプルトップではないモデル、ボディフィニッシュに艶が有るか無いのか等によりサウンドが異なると感じます。なんとなくイメージする通り、グロス(艶有)はクリアで絞まったトーン、サテン(艶消)は響きのある奥行きが有って伸びやかなトーンと私は感じています。グロスのメイプルトップでは途端にコンプ感が増し、リズムに着地するような暴れすぎないサウンド。録音現場で必要とされるエレキギターのトーンなのでしょう。

更には・・・一本で様々なエレキギターのトーンを再現・網羅できるコントロールは圧巻！！
5段階のピックアップセレクターに加え、ネック＆ブリッジの各ハムバッカーの独立したコイルタップSWを装備。この時点で、HSH/SSH/HSS/SSSのピックアップ・レイアウトで使用が可能ですが、マスタートーンのノブを引く事でネック＆ブリッジピックアップが強制的にONとなるAdd Neck＆Bridge回路を搭載。これにより、ネック＆ブリッジのミックスサウンドが使用可能となるので、2ハムのセンターポジション、各ピックアップをコイルタップすれば疑似TLハーフトーンを出力する事が出来ます。
リズムトーンは勿論の事、リードトーンでもボリューム＆トーンコントロールを駆使すればセミアコに近いサウンドも対応できます。

近年のカスタムギターでは使用されなくなっていますが、Wilkinson VS100Nによるウェットなバイブレーションが90年代の香りのベースを生み出しているのかもしれません。取り扱いのある国産ブランドとの比較をしても、VARITAは現行のどのブランドとも一線を画すサウンドだと個人的には思っていて懐かしさを感じてしまいます。オススメの国産カスタムギターを是非お試しください！！

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