【リユースコラム】アコースティックギターのウェザーチェックと木材割れについて

お気に入りの貴方の楽器・・・買ってから、かれこれ数年経ったでしょうか。
弾かない時でも毎日その佇まいを見てるだけで、気持ちもアガル!

そんなある日・・・今日も格好良いな~と眺めていると、突然、「ひび割れ」が入っていることに気が付く・・・そんな経験ありませんか?
お気に入りの楽器に「ひび割れ」が入る・・・ちょっとショックを受けてしまう現象ですよね!

ただ、そんな「ひび割れ」にも種類があるのです。
場合によって、とても肯定的に捉えられるものと、一刻も早く手を入れた方がよいものと・・・今回は、そんなお話です。

買取、下取の際、査定条件にも直接結びつく大切なお話もしていますので、ぜひ最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

◆ウェザーチェックって何?

「ウェザーチェック」とは、塗装面に起きるヒビ割れのこと・・・
楽器塗装の塗膜に入ったひび割れのうち、(ぶつけて出来てしまった・・・というのでなく)外気や環境の変化によって引き起こされたものを「ウェザーチェック-weather check-」と呼んでいます。

アコースティックギターでは、Martin(マーティン)Gibson(ギブソン)などに使用されている伝統的な塗装であるラッカーフィニッシュで仕上げられた楽器に発生する事で知られています。

◆なぜウェザーチェックはできるの?

塗膜は、木材に塗布されて硬化しそれが形成されたときから内部には、※応力が存在します。
そして被塗膜物である木材が外気の変化(気温や湿度)で膨張⇔収縮したり、経年変化により痩せたりすると、塗膜にかかる負荷が大きくなります。

併せて、紫外線や酸素にさらされると塗膜の分子間のつながりが崩壊する・・・経年変化により塗膜に残留している成分の揮発が進み ※塑性(そせい)が失われる、といった様々な要因で塗膜の引張強度は、徐々に低下します。
そして・・・塗膜の引張強度を内部応力が上回ったときにひび割れが発生する。

何やら難しい事を書いてしまいましたが・・・
端的に言うと・・・木の動きに塗装がついていけず、「もう無理~!!」って塗装が根を上げるとパキパキっと亀裂が入る・・・ということですね。

※応力:物体に外力が加わる場合、それに応じて物体の内部に生ずる抵抗力。
※塑性(そせい):材料に力を加えて変形させ、力を取り去った後もその形が残る性質のことをいいます。 対義語は弾性

◆ウェザーチェックは、経年変化の象徴

主に伝統的なラッカーフィニッシュの施された楽器・・・総じて高級機種として位置づけられるマーティン、ギブソン等のアイテムに多く生じる事象で市場でも高値で取引されているヴィンテージ楽器に良く見られる事から、「木材とフィニッシュが良くなじんでいる」「楽器として成熟した貫禄のある状態」「弾き込まれたビンテージテイスト」のアイコンとして、現在では、肯定的に捉えられることがほとんどではないでしょうか。

「ボロボロになった感が嫌」という理由でリフィニッシュしてしまう・・・という事は、今ではかなり稀な事例かと・・・塗装を塗り替えてしまう事自体が、査定的には、マイナスになってしまう事が殆どですし、アコースティックギターのリフィニッシュは、せっかく年月掛けて手塩に育てた出音が「0ベースにリセットされてしまう」・・・という事にもなってしまいますからね。

革製品やデニムと同様の長年かけて馴染む感・・・これを視覚的に認識出来る現象と言えるでしょう。本質的にアコースティックギターは、音色もルックスも経年変化を楽しむという要素が非常に多いアイテムです。

ウェザーチェックもまさにその『象徴』と言えるのではないでしょうか。

◆ウェザーチェックと木材割れの違い

ここまでウェザーチェックについて書いてきましたが、混同せず、しっかり切り離しておかなければいけないのが、「木材割れ(クラック)」です。

以前のコラムでも触れましたが、冬期の乾燥する季節は、特に注意が必要な現象が「木材割れ」
乾燥によっておこる木材の収縮・・・ちじみ切れなくなり限界を迎えた木材が避けるように割れてしまう現象が木材割れです。

これは、物理的に付いていなければならないものが破損している状態・・・故障している状態です。「貫禄」とか、「味わい深い」とか言っている場合では、ありません。

トップ材が割れている状態は、車に例えるならエンジンのシリンダーにヒビ割れが生じているのと同じようなもの・・・そのまま放っておくと・・・大変な事になりますよね。
一刻も早く修理に出しましょう!

大切な楽器の[買取査定]の際も大きく減額されてしまう要素になりますので、楽器の保管状況には、充分ご留意くださいね!

そんな「木材割れ」パックリ口を開いた状態まで派手に割れてしまう状態であれば、一目瞭然ですが、ウェザーチェックなのか?「木材割れ」なのか?判別が付きづらい状態も起こり得ます。

軽く手で押してみて段差が生じるような動きをしてしまう場合は、「木材割れ」と判断出来ますが、場所によっては、判別が難しい場合も多々あります。

御自身での判断が難しい場合は、プロに見せるのが一番!お早めに、お気軽にご相談ください。

◆意図的にウェザーチェックが入った楽器

ここまででウェザーチェックは、経年変化がもたらす楽器の魅力の一端という事が解って来たかと思いますが、昨今では、意図的にウェザーチェックを入れた新品の楽器!?というアイテムが注目を集めているのをご存知でしょうか?

以前は、レリック加工という形で、クラフトナイフ等の様々な工具、刃物を用いてひび割れを再現・・・なんて事をやっている商品もありましたが、正直なところアコースティックギターでは、あまり浸透していないアプローチでしたね・・・

しかし・・・ここで紹介している「Murphy Lab Collection」‐マーフィーラボ コレクション- の楽器達に入っているのは、完璧なウェザーチェックです。

それっぽく加工したものでは無く・・・なので、見た目全くヴィンテージギターと見分けが付かない!!それもそのはず、工程は、秘密・・・との事なので、詳しくは、書けないのですが、やっている事は、時間の短縮です。

何十年という時間を
ギュ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!
と凝縮させる事で、リアルなウェザーチェックが!!!
見れば見る程に凄い・・・まさに貫禄を感じさせてくれる楽器達です。

新品だからこそのメリット、魅力を沢山持ち合わせたアイテムが故に、リアルビンテージギターをお持ちの方からも称賛されている素晴らしい出来栄えの「マーフィーラボ コレクション」

くわしくは、下記の紹介動画、商品リンクからチェックしてくださいね。

綺麗な楽器を下取りにして、ウェザーチェックの入った新品の楽器を買う・・・というのも中々良い選択肢だと思う今日この頃なのでした。

◆まとめ

・ウェザーチェックとは、経年変化で塗装面に起きるヒビ割れのこと
・ウェザーチェックは、楽器の「成長の証」「象徴」「貫禄」「格好良いもの」
・ウェザーチェックと木材割れ(クラック)は、似て非なるもの・・・木材割れは、一刻も早く修理しよう
・ウェザーチェックの入った素晴らしい新品の楽器もある!
・お手持ちの楽器を下取りに・・・渋格好良いウェザーチェック入りの新品楽器を手にするのも良いんじゃないでしょうか?
★下取り条件は、精一杯頑張りますヨ (笑)

それでは、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
ではでは・・・


アコースティックギターやウクレレのことなら、こちらの店舗におまかせください。

アコギ&ウクレレ専門店「ハートマンギターズ」

楽器専門店が一堂に会した総合旗艦店であるのと同時に、エンターテインメント・カルチャーの発信基地としての側面も持つ“音楽・楽器の次世代型ストア「イケシブ」”

イケシブ4Fに位置するハートマンギターズは、2本のシンボルツリーを中心に、自然のぬくもりに満ちた空間のアコースティック専門店。国内外のアコースティックギター、ウクレレを中心に、豊富な品揃えを誇ります。

店内2カ所に用意された試奏室では、楽器本来の音を確かめながら自分だけの空間でゆっくりと楽器を選んで頂けます。

住所 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-7-4 渋谷スクエアB 4F >GOOGLE MAP
電話番号 03-6433-7984
メール heartman-aco@ikebe.co.jp
営業時間:11:00~20:00 年中無休(元旦を除く)
店舗ページ >ハートマンギターズ

アコギ&ウクレレ関連商品専門店
「アコースティックステーションリボレ秋葉原」

2017年1月のオープン以来、初心者からプロアーティストまで沢山の皆さまに愛されているアコースティックギター&ウクレレ専門店「アコースティックステーションリボレ秋葉原」。

ウッディで広々とした店内には、リーズナブルなお手頃アコギから、マーチン、ギブソン、テイラー、ヤマハ、ヘッドウェイを初めとする国内外一流ブランドの各種モデル、さらに、貴重な高級ハンドメイド手工ギターまで、国内最大級の品揃えです。

また、壁一面に専任スタッフ厳選のウクレレがズラリと並ぶウクレレ専用ルームも備え、南国を感じさせる空間でじっくりとウクレレ選びの幸福なひと時をお楽しみいただけます。

アコースティックギター専用のケース類や弦、アクセサリーなども専門店ならではの充実のラインナップ。あなたのアコースティックライフを全面的にバックアップします。

住所 〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸55ASビルB2F >GOOGLE MAP
電話番号 03-5829-8569
メール acoustic_station@ikebe.co.jp
営業時間:11:00~20:00 年中無休(元旦を除く)
店舗ページ >アコースティックステーションリボレ秋葉原