歌詞のことを「リリック」と言いますが、この言葉は、ギリシャ時代の竪琴「リラ」という楽器の名前が元になっています。古代ギリシャでリラを伴奏にして詩を吟じるジャンルがあったことから、伴奏の有るスタイルの詩をリリックと呼ぶようになり、現在の歌詞の意味に転じていったようです。

現在のアコギピックアップの二大巨頭のひとつL.R.Baggs(もう一方はFISHMANです。)の製品は、趣がある名前が多いです。「Lyric」以外でも「Anthem」「Venue」「Element」、PAシステムの「SYNAPSE」などなど。

そういえば一時期あるアーティストの方が、楽器が本来持っている音にかなり近いサウンドをアウトプットしてくれるということで、お持ちのアコギのピックアップシステムを「Lyric」に総交換したことがありました。生憎、その方のライブの規模が大きすぎて、感度の良すぎるLyricではハウらずに旨く収音できず、他のピックアップに戻してしまっていましたが、Lyricのサウンドのリアルさを物語るエピソードと言えるでしょう。

L.R.Baggsの「Lyric」のマイクは一般的なコンデンサーとは異なり、「バウンダリーマイク」という無指向性のもので、マイク周辺の反射音を拾わない設計になっているので、かなりクリアなサウンドがアウトプットできます。前述のように、大規模なライブでは使用に工夫が必要で、スタジオ録音ならコンデンサーマイクを立てた方がよりリアルなサウンドになる場合も多い為、なかなか使いどころが難しいのですが、竪琴のような澄んだ響きを出したい、もしくは詩の朗読の呼吸のような肉体的感覚を楽器から汲み取りたいという製作者の気概を感じられる、味のあるピックアップシステムです。※クラシックギターの音響特性に合わせてプリアンプがチューンされた「CLASSICAL」バージョンも是非。

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