言葉には「良い言葉」と「わるい言葉」があります。良い言葉とは、例えば「嬉しい」「楽しい」「ありがとう」「幸せ」「ラッキー」「安心」等など。一方、わるい言葉とは、上記の反対の意味の言葉です。できれば良い言葉をたくさん使いたいですし、たくさん聞きたいですよね。

ところで、音楽は言葉を越えたところにあります。国籍や世代がちがって言語を共有できない人同士でも、リズム・音程・音色（倍音）・コード進行等で感情を伝えたり、交流させたりすることができます。良い言葉があるように、音楽でも、可能な限り（そういう意味での）「良い音」を出したいものです。

楽器とは凄いものです。良い楽器は、どんな演奏者にも良い音を与えてくれます。（私の「良い楽器」の定義がそうだからかも知れませんが）もちろん、そういった楽器は上手な方の演奏の際にはより感動的な音を出してくれます。

前置きは長くなりましたが、今回ご紹介するマーティン工場現地選定品のカスタムショップ 00-28は本当に「良い音」がします。特にハーモニーの美しさが圧巻です。以前からマーティン社の楽器の和声は他のブランドには無い何かがあるなぁ、と思っていましたが、この楽器はその良いところが存分に出ています。サイドとバックに使用されるココボロは木材の特性として時として耳につく硬さが乗ってしまう事がありますが、00ボディのサイズ感とトップ材の高高度で伐採されたスイススプルースの品位と温もりがマッチして、非常にバランスの取れたサウンドに仕上がっております。

良い言葉も良い音も、それが存在するためには、話し手/演奏者と聞き手、それから「時間が流れていること」が必要です。是非このギターを手にして楽しくて嬉しい時間を感じ、かつ与える体験をしてみてください。ギターって本当に素晴らしい楽器だな、ってしみじみ思わせてくれます。「時間」を美しくしてくれる、幸せな楽器です。

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