Fender Custom Shop 池部楽器店創業50周年モデルが待望の入荷!
池部楽器店創業50周年を記念し、Fender Custom Shopにて産み出された、IKEBE 50th Anniversary Stratocasterは、Stratocasterのレアカラーが多く紹介され、最早Stratocasterのバイブルとも言うべき、THE GALAXY OF STRATSに掲載されるカスタムカラーを体現したモデルをご紹介します。
本機は、THE GALAXY OF STRATS P132に掲載され、50年代当時にはまだカスタムカラー等、多く存在しなかった中で、このMetallic Greenが採用された超レアスペックを体現した一本です。
THE GALAXY OF STRATSには、多くのカスタムカラーのギター達が書籍内を飾りますが、その中でもその存在感から目を惹くのが、このMetallic Greenとも言えるでしょう。
50年代当時には、サンバースト以外のカスタムカラーとしては、ブロンドとブラック以外はレアカラーとしてその存在は少なく、特にメタリックを採用している物はレア中のレアと言われています。
THE GALAXY OF STRATSの中では、Metallic Green(当時のチャートに無いので正式名称は分かりませんとされています。)の個体が数本掲載されていましが、これも奇跡とも言えるのでしょう。
その中でも、アノダイズド加工が施されない、アルミニウム素材そのままのピックガードが搭載された更なるレアスペックとして書籍内でも一際の存在感を醸し出す一本を体現したのが本機。
以前よりこの目にも鮮やかな一本は幾度かマスタービルダー達の手で体現されてきましたが、本機は弊社50種年を記念し、Custom Builtで製作されています。
このMetallic Greenは、現在のCustom Shopのカラーチャートにも存在せず、通常であればMasterBuiltでのみオーダーが可能なカラーとなりますが、今回弊社の50周年モデルとして、Custom Builtとして特別にオーダーを受けていただく事が出来、更にはそのカラーリングは、Master BuilderであるGreg Fesslerによる監修が行われると言う、正に記念モデルだからこそ体現出来た一本です!
THE GALAXY OF STRATSの書籍の中でもレアモデルに分類されたのは、やはりこのアルミニウム素材のピックガードでしょう。
1954年に発売されたStratocasterは、年を追う毎に仕様変更が行われましたが、その中でもプラスティックパーツは当初から、幾度と無く変革がありました。
割れやすいピックアップカバーやノブ等も、その後のナイロン製に落ち着くまでには形状や素材は変化しましたし、ピックガードにおいては、54年のビニール素材のワンプライのピックガードから、後にセルロイドの3プライ、そしてやはり変形の少ないビニール素材の3PLYと、当時のはやりは勿論、経年においてのトラブルにも対応して来たものと思われます。
その中で、このアルミニウム素材のピックガードが、55年頃に登場したのはやはり進化としては、必然とも言えたのでしょう。
シールディングに強く、経年による収縮も起きない。当時の工業的にも金属の成形は誇らしくもあったでしょうから、本来であればその後も全てに使用されてもおかしくないスペックでありながら、このアルミニウムも、後にはアノダイズド加工や、更にその上からラッカーコートが施されるなどの試行錯誤が行われつつ、やはりビニール系素材をベースに、そのピックガードの下のアルミシールドプレートのみに変化していく。。というのも、Fenderの歴史を語る上では、とても楽しい逸話の一つでは無いでしょうか。
話がそれましたが、本機ではその当初の頃に製作されたと思われる、仕様を体現した一本。
このカスタムカラーであるMetallic Greenも、あえてメタリックに金属パーツをコンビネーションさせると言う、50年代の車産業を意図したカラーマッチなのではないか等考えると、これも当時の情景を思い起こさせるコンビネーションとも言えます。
この様な奇跡とも言うべき仕様を、弊社の50周年モデルとして選択し、それをCustom Builtで見事なまでに体現していただけた事はとても嬉しく思います。
現在では生産されていないパーツ等は、選択する事は出来ませんが、割れやすい素材を使用していたことが確認出来る本書内のギターを体現するべく、本機ではABS素材を使用した54スタイルのパーツを採用し、Metallic Greenとシルバーのアルミニウムガードに、より白色の強いプラスティックパーツとのコンビネーションはヴィンテージフィールを感じさせてくれるのではないでしょうか。
楽器としての造りにおいても、ネックセクションは本書掲載機と同様に僅かに使い込まれた風格を持つJourneyman Relicのサテンフィンイッシュを採用し、ワンピースのメイプルネックのグリップは、年代に合わせた54Soft Vをセレクトしました。
フィンガーボードのラディアスには、近年の50sを復刻した際に、オリジナルにも見られたと言われ採用の多い7.25-9.5inchに変化するコンパウドラディアスを本機にも採用、フレットには、Vintage Up Gradeと、細身ながらも僅かに高さを確保しプレイヤビリティーにも貢献する好評のスペックで仕上げました。
ネックウッドも、敢えて?のリフトカットのメイプルネックをチョイスしながらも、本機も少し柾目調なところは、当時を思わせる愛嬌として、ボディーには、Ashボディー2ピースをベースサイドでのオフセットシームをして、ピックアップには、H/W55STRATをセレクトしました。
このH/W55STARTは、54スペックと同様のアルニコ3マグネットに、デザインガイドのインフォメーションでも全ての直流抵抗値がほぼ揃えられた、同磁極のピックアップは、実機搭載時にも、ハンドワウンドの為か実測でネックのみ僅かに低くなっていましたが、ほぼ全てが5.7KΩ程度に揃えられており、ヴィンテージフィールを存分に感じさせます。
完成した一本を手にすれば、まるで本書から飛び出て来たかのようなそのルックスと、アルニコ3マグネットのピックアップとアルミガードの持つ、クリアーでありながらもどこか柔らかを感じさせる魅力あるサウンドを持ち、当時の拘りを耳に出来るような魅力たっぷりの一本に仕上がっていると思います。
この楽器が、今後の50年を経過した際に、貴方の手でヴィンテージと思わせる様な姿になるまで共に歩める一本となる事を願っています。
Serial No. R144466
Date : 05/28/2025
Weight≒3.26kg