Soldano X88-IR (3-Channel All-Tube Stereo Rackmount Preamp)のレビューです。
2024NAMMにて展示されたSoldanoのラックギア2機種!
80~90年代のモンスターバンドのギターヒーローの巨大なラックシステムに組み込まれた「SLO-100R」の復刻と、
X88Rをベースに現代的な機能を追加したラックチューブプリアンプの進化系「X88-IR」の発売発表には心が躍りましたね!
発表当時は両機種もワンショットの限定品とされておりましたが、
現在ではどちらもレギュラー品として継続販売させていただいております。
初回入荷分は即完売!そして先日ようやく再入荷を果たしましたのでご紹介させていただきます。
まず、ハードウェアですが2Uラック・奥行きは26cm、FractalのAX-FXIIが収納できる所謂標準的な2Uラックケースに収まるコンパクト設計となっております。
ラッキングしても存在感抜群のパープルのアノダイズドパネルは全盛期LAシーンを彷彿とさせます。
SOLDANOと聞いて思い浮かぶギタリストがジョージリンチ、ミックマーズ、ウォーレンの私には刺さりまくりです!
完全独立の3Ch仕様の真空管プリアンプ(アウトプットは同一)という事で、まずCH1は所謂フェンダースタイルの切れのある滑らかなクリーンなキャラクター。新たなAltered modeにより、ブレイクアップしたドライブトーンもメイクする事が出来るようになりました。LA感のあるドリーミングなクリスタルクリーンは勿論、エンハンスされた若干の歪み感のある実用的なクリーンも楽々メイク可能です。
新搭載のAltered modeは現代的なポップスや歌モノのバッキングで求められる絶妙なトーンでライブは勿論、レコーディングの音決めが一瞬で終わりそうな程しっくりくるトーンと感じました。
そして、CH2/CH3は同一仕様となっており、如何にもアメリカンな乾いた質感のキメ細かいハイゲインサウンドは正に90年代のハードロックで聴けるあのトーン!抜けの良い図太いミドルレンジと支えとなるファットなローエンドは、バッキングでもリードでもアンサンブルをしっかり埋める事が出来、実際にSOLDANOを使用するギタリストはギターが1本の構成である事が多い事からもその存在感が伺えます!
ハイゲインサウンドでは音の芯が滲んで奥まったり、妙に湿気た感じになって歯切れが悪くなることがありますが、本機は音抜けの良さ(音が近く感じる)がその問題を解決しているように感じます。
ここまではアナログ部を紹介しましたが、本機には現代ギタリストの必須アイテムともいえるIRが搭載されました。
つまり本機1台でチューブプリアンプ+パワーアンプ(モデリング)+キャビネットシミュレーション+マイキング(IR)が完結し、妥協のないサウンドとポータビリティの両立が叶います。
現代ではデジタルプロセッサーのクオリティが非常に高く、敢えてチューブプリを求める事は少なくなっているかもしれませんが、やはり「音の近さ」、「乾いた質感」を求める場合はやはりチューブプリがしっくり来る場合が多く感じます。
ミックス時にもアナログソースとしてのギターの有無は、中々他でも補う事が難しい問題かと思いますので、一切妥協のないX88-IRを宅レコ&ライブのメインプリとして持っておきたいと強く感じました。
Channel切替がフロントパネルもしくはMIDIでしか出来ない事に注意が必要ですが、ステレオリターンのFXループ、IR搭載(専用エディターで書換可能)、MIDI搭載とライブでもレコーディングでも使い倒していただける最高峰のチューブプリに違いありません!
当店ではライン出力でもキャビネット出力でもお試しいただけますので、是非店頭でお試し下さいませ!