塗装の話ですが。今回はラッカー編

ギター・ベースは大体塗装をしています。知る限り、無塗装なのはヌーノベッテンコート本人仕様のN4くらいでしょうか・・・
塗装はメーカーやビルダーの思想や哲学が反映されていて、結構奥が深い部分。

ラッカー塗装を主に使用しているブランドはギブソン・マーチンなどの歴史のあるブランドが多いです。
フェンダーはコンセプトで様々な塗装を使い分けており、カスタムショップだからラッカーという訳ではないです。実際にフェンダーのマスタービルダーの中では下地はポリ系でトップコートはラッカーにする方もいます。

ラッカーの特徴は長い時間をかけて硬化をするので、最終的にはポリ系よりもガッチリと固まります。製品として店頭に並んでいる個体も、言わば乾燥途中というくらい長い時間をかけて硬化していきます。そして一度に吹き付けられる塗装の限界があり、吹きすぎると結構垂れやすいです。時間を置いて数回に分けて塗装をして、研磨に耐えられる程十分な硬化をするまで乾燥させます。故に、ラッカー塗装モデルの製作やリペアには時間が掛かります。下地を含むオールラッカー塗装のモデルになると、そうりゃもう大変です。

また、「塗面が薄く硬くなるのでギターの振動を妨げない。」というのがメリットと言われておりますが、最近はポリ系でも薄く仕上げるメーカーもでてきて、必ずしも音響面で優れているとは断言できない状況です。しかし、塗面の研磨をしない処理でしたら、ラッカーは正に【極薄】の塗装をすることができます。ギブソンのVOS塗装とかむっちゃ薄い!

ラッカーとポリ系の違いの1つで、艶出しの輝き具合で違いがあります。艶がでているラッカーは輝きが温かく、ポリ系はギラっとした輝きになります。多分塗料の成分による影響だと思いますが、何故かはわかりませんがなんか違うんすよね・・・

ラッカー塗装品の注意点ですが。

・気温が高いと柔らかくなったり、べたべたしてくることがある
・ホコリやゴム等が長い時間付着していると、塗装が溶けたりくっついたりする。

てなところです。
要注意なのが、”絶対”ではないです。塗装は化学薬品なので予測がつかない場合があり、上記のような事が起き難い個体もあれば、見事に症状が出てくる個体もあります。

因みに画像は1つは塗装が溶けた中古品の画像です。

次回はポリ系!

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