【レポート】レッド・ツェッペリン大研究 VOl.2『続JPサウンドメイキング <ライブで弾く!「あの曲」のギター&アンプセッティング>』 by ジミー桜井 イベントレポート

               
Angus Ogawa

ま~いど~、コンニチハ!Angus Ogawaデス!さて本日は、過去に私が書いたレポートのアーカイヴをご紹介します♪今から11年前の2015年6月に公開した記事です。今や世界でご活躍されている「ジミー桜井」さんによるジミー・ペイジのレスポール&アンプセッティングvol.2 です。相当な衝撃を覚えたVol.1から続く第2弾。当時、取材が楽しみすぎて眠れないまま当日を向かえました(笑)Vol.1よりも、さらに実戦的に、ジミー桜井さんが実際にライブで行ってるトーンコントロール術を惜しみなくレクチャーしてくれた、貴重な内容になっております。ライブの最中によくぞここまでトーンコントロールできるな~と驚いています。。。Angus Youngも、ギター本体をコントロールする系なんですが、こんな細かくないぞ…!(笑)と、読み返して思いました!是非ご覧下さい。(2026.9.30 更新時コメント)

2015年5月17日に、日本を離れアメリカで活動中の、レッド・ツェッペリンのギタリスト「ジミー・ペイジ」を完全再現する世界的な第一人者、ジミー桜井氏が『JimmySAKURAI Plays ZEP』のライブのため緊急来日。その来日のタイミングに、池袋ロックハウスにて、こだわりのギターセミナー第二弾が開催されました。Rock and Rollのバンド演奏から始まった今回は、まるで映画“The Song Remains the Same”を観たときのようなあの興奮が、、、そのまま飛び出してきたかのような、ファンにとって夢のような世界が瞬く間にして生まれました!

“LIVE で弾く! Les Paul 編”

ジミー桜井氏は、日本での活動のために結成したユニット『JimmySAKURAI Plays ZEP』の盟友のジョンジー斉藤氏(Ba.)とディック北畑氏(Dr.)と共にステージに登場。Rock n’ Roll ~ Celebration Dayという流れで、1973年頃のライブ絶頂期といわれているサウンドがスタジオ内で蘇りました。

前回のセミナーでも取り上げた桜井氏が所有するGibson ヴィンテージ1959レスポールとヴィンテージMarshall Ampから絶妙なコントロールによって弾き出される、ジミー・ペイジ・サウンド。

ジョンジー斉藤氏の多彩なフレーズで、サウンドを支えるベース。ディック北畑氏の所有するLudwigの26インチセットから放たれるジョン・ボーナムに肉薄するパワー感。

これらが混ざり合うことにより、極上のZEPサウンドが生み出されています。

Rock and RollとCelebration Dayのサウンドセッティングはアンプ側は高域を強調したサウンドメイキングにし、ギター側はフロントピックアップ+リアピックアップのミックス・トーンにし、トーンコントロールを行うことによって多彩な表情を表現します。トーン調整によって音色にどのような変化があるのかを説明いただきました。

前回の大研究会でも、セッティングについて詳しくご説明いただいております。詳しくはこちら>>

続いて、Heartbreakerのサウンドメイキング方法についての説明と、バンドによる実演を行いました。 絶妙なピックアップチェンジとトーンコントロールの駆使、そしてギターフレットの運指方法によって、Heartbreakerの曲展開にスリリングさと、メリハリのある音色とバリエーションを得ることができます。

ジミーペイジが弾く、コードのDポジションは5弦を開放し、ベース音をAにしています。このパターンは、Communication Breakdownでも確認することができます。また、本来であればグリップしているフレットから近いポジションで弾くところを、わざとグリップしているフレットから遠いポジションまでスライドさせて弾くというように、そのアプローチから得られる、若干のリズムのずれによって、曲にさらなる旨みを与えています。

このことから、ジミー・ペイジ自身が、ギターのトーンと曲へのマッチングに相当なこだわりがあることが伺えます。

1970年頃から、行われるようになったWhole Lotta Loveのインプロヴァイゼーションパートの印象的なプレイであるBoogie Mamaのサウンドメイキング方法についての説明と、バンドによる実演を行いました。1973年バージョンのサウンドメイキングの要はECHOPLEX EP-3のエコー効果を利用したショートディレイ(スラップ・バック・ディレイ)をかけます。こうすることによって、ロカビリーなどでお馴染みのあの音に変わります。

ジミー・ペイジ本人が、エルビス・プレスリーのバックを勤めたスコッティ・ムーアやエディ・コクランなど、1950年代~1960年代に活躍したギタリストへの憧れを表現していると推測されます。

ギター側のセッティングはリアピックアップに切り替えして、ボリューム、トーン共に絞ります。トーンを上げると非常に固い音になるのでそれを考慮して絞ります。また曲中にもめまぐるしくセッティングが変わります。

次にミックストーンに切り替えを行い、更にリアピックアップに切り替えを行います。ただピックアップを切り替えるだけではなく、ここでも絶妙なトーンコントロールによって、多彩なサウンドキャラクターを表現します。

ジミー・ペイジ本人がトーンコントロールを行っている様子が『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』の映像で確認できますのでチェックしながら、ギタートーンを追及するといった“より深く”ギターを弾く喜びを味わえると思います。

“LIVE で弾く! SG W Neck 編”

続いてのコーナーにて、Gibson EDS-1275を使用して、イントロのDの音を聴くだけで高揚してしまう…The Song Remains the Sameのサウンドメイク術の説明と、バンドによる実演が行われました。

Gibson EDS-1275の構造を応用して、曲の場面に応じて様々なトーンを表現していることを説明しました。

Gibson EDS-1275の構造については前回の大研究会でも詳しくご説明いただいております 詳しくはこちら>>

オープニングの12弦側の4弦開放を弾く段階で、倍音を落ち着かせるために、ギター側のトーンをいったん0にしてから、Wahをトレブルブースターとして使用します。そして、トーン調整を行い、必要な音域を開けていきます。ボリュームも高域を上げたことによって歪み成分が増すのでボリュームを絞ります。このサウンドメイキングを行うことによって、より繊細かつ、トレブリーでスリリングなトーンを弾き出すことが出来ます。

また、ジミー・ペイジは、Gibson EDS-1275を使用するときに、12弦側2弦の副弦のチューニングをあえて微妙にずらしているのではないか?と桜井氏は説明しました。チューニングを微妙にずらすことによって得られる不協和音が音の中に絶妙に溶け込み、独特の浮遊感を生み出すようになります。

本来であれば、チューニングが合っていない状態で演奏をするということは行わないのが一般的な考えですが、ジミー・ペイジのトーンへのこだわりと美意識が相当なものだったことを認識していれば理解できるアプローチと言えます。

このサウンドメイキングにいたるまで、ジミー・ペイジ本人も試行錯誤をしてきたことが、73年以前の音源からも伺えます。そのサウンドの違いを比べることによっても、ジミー・ペイジがThe Song Remains the Sameで何を表現したかったのか、より深い理解を得ることが出来ると思います。

続いて、ポジションを6弦に切り替えてThe Rain Songの奏法をレクチャーしました。エコープレックスでディレイを効かせ、フロントピックアップを使い、12弦側+6弦側とも音が出る状態にしています。

この状態にすることで、フェイズ効果が起こり、音の出力が下がり、6弦側を弾くと、12弦側のピックアップも共振効果が得られます。

繊細でありながら、リッチで温かみのあるトーンを奏でることができます。また、トーン調整を高域と低域がバランスよく出る位置まで絞ってあげることもポイントの一つです。

そして、フレーズによってピッキングの位置をブリッジ側で弾いたり、フロント側で弾いたりすることによって異なるニュアンスを生み出すことができ、The Rain Song特有の情感たっぷりな世界感を表現することができます。

“さらに深く!プライベートレッスン”

第一部のプライベートレッスンは、Achilles Last Standの各パートのギタートーンの切り替えや運指についてを学びました。
Achilles Last Standのリフのパーツに存在する奏法の疑問点について、1つ1つ細かいところまで紐解いていきました。 イントロがしっくりと弾けない受講者の悩みに桜井氏は、6弦を親指で押さえるようにするとよいとレクチャーしました。

Achilles Last Standの音階進行の原型は『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』で確認できる、Dazed and Confusedのインプロヴィゼーション部分で披露されていて、ピックでももちろん弾くことができますが、中指のフィンガーピッキングも織り交ぜることがポイントとなりこのニュアンスを理解することでさらに深く、Achilles Last Standを演奏することが出来ます。

ギターソロについては、ペンタトニックで弾きまくる場面はなるべく音数を減らすとジミー・ペイジのニュアンスに近くなるとアドバイス。

コピーするときのポイントはズバリ歌心。まず自分でギターフレーズをハミングで歌い、頭に入れた上でギターを弾く。それことが自在にギターを弾けるようになる近道であることもレクチャー。

プライベートレッスンでは、この他にAchilles Last Standのスタジオ盤でうかがえる、ギターのオーバーダビングをライヴで表現するために、ハーモナイザーの使用例を説明しました。

さらに、スタジオのオーバーダビングしている部分を、ギターの和音弾きを取り入れたり、ペンタトニックのフレーズを随所にちりばめることによってドラマティックな演出もできることも説明しました。

最後はバンドセッション。奏法も大事ですが、ジミー・ペイジはステージパフォーマンスも魅せるギタリストでもあります。そのポイントもしっかりレクチャーしていました。最後のスペシャルセッションでは、桜井氏の動きに合わせて受講者もしっかりとジミー・ペイジ・ポーズをとっていて、とても楽しいレッスンとなりました。

第二部のプライベートレッスンは、Since I’ve been loving youのギターソロについてでした。


Since I’ve been loving youの冒頭で聴ける、ジミー・ペイジの勢いがあるアドリブソロは、どのようにしたらよいのかと受講者。

確かに、冒頭の荒々しい速弾きは、何をどのようにして弾いているのか難解だと思われている方も多いと思います。。

しかし!実は基本的なペンタトニックスケールのパターンを2つ組み合わせ、それを応用して、勢いをつけて演奏していることを桜井氏は解説しました。

難しいなと思われるフレーズでも、それには必ず基礎的なことの応用だったりとヒントがあります。ひとつひとつを丁寧に紐解いていくことによって、実はすでに習得しているテクニックを組み合わせる事で表現することが可能であることを、桜井氏はレクチャーしました。

その結果、自然なニュアンスで、冒頭のアドリブソロができるようになりました。

桜井氏と記念撮影。プライベートレッスンでは、この他にリズムパートが入った後のアプローチについても桜井氏からレクチャーを受けました。

Since I’ve been loving youの特徴である、美しく、そして哀しげな世界観を表現するためには、チョーキング、ビブラートを駆使して、情感たっぷりに弾くことの大切さを伝えました。

そのポイントを充分に押さえた上で、バンドセッション!

桜井氏から教わった内容をかみ締め、情感たっぷりにギターソロを弾く姿に、場内から拍手が沸きあがりました。

「あなた、弾けるじゃないですか!」と桜井氏も絶賛しました。

“深く追求することで楽器が弾ける喜びがさらに増す”

第一部、第二部ともに、濃厚で有意義な時間となりました。楽曲をコピーする際には、スコアをなぞっていく作業だけではなく、“なぜ、この音なのか?”、“どのポイントでサウンドが変化しているのか”、“なぜこの機材の組み合わせが必要だったのか?”など、探求心をもって、より深いところを注目していくことによって、楽器を弾いている喜びをさらに味わえるものだということを感じ取れる大研究会でした。
最後にご参加いただいたお客さまと集合写真を撮りました。

“Tokai LS-JIMMY 桜井氏試奏”

大研究会終了後、ロックハウスにて販売中のTOKAI LS-JIMMYの試奏をしていただきました。こちらのギターは桜井氏の手によりピックアップ、ポールピースの高さが調整を行っております。

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