■FRIEDMAN
SIR-COMPRE
カテゴリこそコンプレッサーとなってますが、その実は「上質なコンプが掛かるオーバードライブペダル」が正解な気がします。
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(※以下、半分はホントで、半分は史実がうろ覚えなのでデフォルメしてますお付き合いください)
その昔、Tech21から「CompTortion」と言うコンプが掛けられるディイストーションが出ていました。
様々なスタイルのメタルが生まれては淘汰された時代、何とかペダルの力添えで上手い事弾けないものかと考え出されたかはわかりませんが、ブリッジミュートでズグズグ刻む用にコンプ掛けてそれにディストーション踏んでがセットの場合、かの「CompTortion」はまさに時代の落とし子と言っても過言ではないでしょう。
ほどなくし、デイヴ・ムステイン氏あたりが「ちゃんと弾こう、特にピックあてる側の手」と唱え、楽して弾けない時代に入った頃から「CompTortion」は影を落として行きました。
「〇〇と〇〇が一緒になったら便利でしょ」と言う、この現代でも悩ましい問題「こう言うのがあるといいなは、、、無い」に対しての勉強代。
時代を駆け抜けたアイディアペダルの1つ、「CompTortion」のご紹介でした。
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完全に前置きを間違った所で本線に戻ります。
「SIR-COMPRE」はシンプルなコンプペダルではありません。ましてやちょっと上でお話しした、雑に「〇〇と〇〇が一緒になった」様なピント感の悪いものでもありません。
上質なコンプ感が得られるチュープアンプのドライブ感をシミュレーション出来る、かなり通好みの上級者向けな1台と解釈致します。
(この場合の上級者とは、「〇〇は〇〇ではないといけない」と言った「私がルールブック」な方ではなく、「ほうほう、そう言う事ね、オッケーオッケー」ってすぐ飲み込んでパッと引き出しを開けられる方とします。)
ゲイン0でローゲインドライブのセッティングになります。クリーンからは始められません。この時点ですでに四角い方は理解が届かないかもしれませんね。12時辺りではしっかりとドライブが掛かり、タイトを左よりにセットすると低音が出つつもやや潰れたフェンダーっぽいバリっとしたドライブトーンが得られます。タイトを右側へ上げて行くとローが無くなり、ブリティッシュ系の様なレスポンスが早く、ジリジリっとしたシャープな音色へ変化します。
ゲインをフルアップでは、ラットの様なニュアンスも感じられるディストーションに近いドライブトーンまで持ち上がります。
まったく持って、この時点でコンプレッサーの説明をしている気がしていません(笑)
しかし、コンプを上げて行くと、当たり前ですが粒が揃いだし均整の感じが弾いていて心地良くなって行きます。
歪んでいる前提であれば、非常にいいコンプと言えます。
このペダルが作られたベースになったのがラインホルトが産み落とした「Bogner harlow」です。このペダルに驚き感銘を受けたデイヴは、すぐに自分なりのアンサーを生み出しました。それがこのSIR-COMPREと言うわけです。
ちょっと頭のキレたもの同士が見る音の世界線でのQ&A。世に問う様に投げかけたクエスチョン(harlow)、返すアンサー(SIR-COMPRE)の2モデル。
この2台は中々理解が届き難いのでスタッフ側の技量も問われるので僕らも厄介です(笑)
奇才と鬼才が競う様に世に出した「わからないだろ?これ。」系ペダル。
お時間あればチャレンジしにいらしてくださいね。