ハートマンヴィンテージギターズ 小松崎 のレビュー
【Gibsonシンラインギターのお話】

Gibson(ギブソン)において16-1/4インチ幅/1-3/4インチ厚のホロー構造を持つシンラインギターの歴史は古く1950年代に登場します。特にダブルカッタウェイボディのES-335シリーズは1958年に登場以来、現在でもGibson(ギブソン)ギターの主要ラインナップの一角を張る人気モデルとして多くのギタリストに愛用されています。

バリエーションモデルも豊富で、ステレオ仕様/バリトーンコントロール搭載のES-345、ES-335のマテリアルアップグレード版ともいえるES-355あたりは特に有名で、錚々たるアーティストが使用していることでもおなじみです。


各モデルの仕様を軽く説明しますと、、、

【ES-335TD】
1958年に『ES-335T』という型番で登場。ボディ幅16-1/4インチ、リム幅1-3/4インチ(アーチトップ/バックのため中央付近はそれ以上の厚さ)のメイプルセミホロー構造。マホガニー材(1975年以降はメイプル材も登場)のネックにローズウッド材のフィンガーボードが主なウッドマテリアル。ハムバッキングピックアップを2基搭載。ヘッドトップはギブソンおなじみのクラウンインレイで装飾されています。金属パーツはシルバー(ニッケルメッキ/クロームメッキ)で統一されています。

基本カラーはサンバースト、初期はナチュラルカラーも見かけます。人気のチェリーカラーもすぐに登場し、その他カスタムカラーが稀にみられます。ポジションマークは初期はドット、1962年頃からスモールブロックに仕様変更となります。サウンド面でとても汎用性が高く、様々なミュージックシーンに登場するギターです。


【ES-345TDSV】
ES-335Tと後述のES-355Tが登場する1年後の1959年に、ステレオ/ヴァリトーンコントロール搭載のバリエーションモデル【ES-345TDSV】が登場します。ボディ幅16-1/4インチ、リム幅1-3/4インチ(アーチトップ/バックのため中央付近はそれ以上の厚さ)のメイプルセミホロー構造。マホガニー材のネックにローズウッド材のフィンガーボードが主なウッドマテリアル。ハムバッキングピックアップを2基搭載。ヘッドトップはギブソンおなじみのクラウンインレイで装飾されています。金属パーツはゴールドメッキで統一されています。

6段階のプリセットトーンを選択できるヴァリトーンコントロールスイッチと、専用コードを使用し2つのアンプからそれぞれのピックアップサウンドを出力するステレオ仕様が基本スペック。工房にてモノラル仕様変更を行えば他のギター同様に1つのアンプで音を鳴らすことが可能です。

ストップテールピース/ブランコテールピースが基本仕様となりますが、出荷時にギブソンファクトリーにてビグスビートレモロユニット等が搭載された個体も多くみられます。基本カラーはサンバースト。チェリーカラーもよくみかけます。ポジションマークはダブルパラレログラム。ギター好きの心をくすぐるマニアックな仕様から繰り出されるサウンドや、アメリカの大人気映画の有名な1シーンに登場したことにより、いまでも根強い人気を誇るモデルです。

1979年に生産終了まで、合計10,560本出荷されました。


【ES-355TD】
登場はES-335Tと同じく1958年に上位機種として登場しました。ボディ幅16-1/4インチ、リム幅1-3/4インチ(アーチトップ/バックのため中央付近はそれ以上の厚さ)のメイプルセミホロー構造。マホガニー材のネックにエボニー材のフィンガーボードが主なウッドマテリアル。ハムバッキングピックアップを2基搭載。ヘッドトップはレスポールカスタムでもおなじみのスプリットダイヤモンドインレイとマルチプライバインディングで装飾されています。ボディバインディングはES-335、345がシングルプライに対し、ES-355はレスポールカスタム同様マルチプライバインディングとなります。金属パーツはゴールドメッキで統一されています。

1959年ES-345TDSVの登場以降は、ES-355にもステレオ仕様/バリトーンコントロールが数多く搭載されるようになりますが、ES-335同様にモノラル仕様も存在します。

ビグスビー等のトレモロユニット装備が基本仕様となります。基本カラーはチェリー。1970年代になると他モデル同様ウォルナットカラーが多くみられるようになる他、カスタムカラーも少々みられます。ポジションマークはラージブロック。名だたるブルースギタリストに愛用されたモデルで知られますが、レスポンスに優れたウッドマテリアルゆえにロックシーンにおいてもレジェンドアーティストや国内で影響力のあるギタリスト等が使用するのをみることができます。

1979年に生産終了までわずか合計3,725本のみ出荷された、とてもレアなギターです。


その他それぞれ年代ごとの細かな仕様変更等は、各モデルのページにてぜひ確認してみてください。


※型番のうしろのアルファベットはそれぞれ【T…シンラインボディ】【D…デュアルピックアップ】【S…ステレオ】【V…ヴァリトーンコントロール】を意味します。サンバーストカラー以外の個体には型番の後方にカラーを表すアルファベットが表記されることがあり、代表的な【C…チェリー】のほか、【N…ナチュラル】【W…ウォルナット】【B…エボニーブラック】などがよくみられます。

例:ES-335TDW、ES-335TDN、ES-345TDCSV
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【Gibsonシンラインギターのお話】

Gibson(ギブソン)において16-1/4インチ幅/1-3/4インチ厚のホロー構造を持つシンラインギターの歴史は古く1950年代に登場します。特にダブルカッタウェイボディのES-335シリーズは1958年に登場以来、現在でもGibson(ギブソン)ギターの主要ラインナップの一角を張る人気モデルとして多くのギタリストに愛用されています。

バリエーションモデルも豊富で、ステレオ仕様/バリトーンコントロール搭載のES-345、ES-335のマテリアルアップグレード版ともいえるES-355あたりは特に有名で、錚々たるアーティストが使用していることでもおなじみです。


各モデルの仕様を軽く説明しますと、、、

【ES-335TD】
1958年に『ES-335T』という型番で登場。ボディ幅16-1/4インチ、リム幅1-3/4インチ(アーチトップ/バックのため中央付近はそれ以上の厚さ)のメイプルセミホロー構造。マホガニー材(1975年以降はメイプル材も登場)のネックにローズウッド材のフィンガーボードが主なウッドマテリアル。ハムバッキングピックアップを2基搭載。ヘッドトップはギブソンおなじみのクラウンインレイで装飾されています。金属パーツはシルバー(ニッケルメッキ/クロームメッキ)で統一されています。

基本カラーはサンバースト、初期はナチュラルカラーも見かけます。人気のチェリーカラーもすぐに登場し、その他カスタムカラーが稀にみられます。ポジションマークは初期はドット、1962年頃からスモールブロックに仕様変更となります。サウンド面でとても汎用性が高く、様々なミュージックシーンに登場するギターです。


【ES-345TDSV】
ES-335Tと後述のES-355Tが登場する1年後の1959年に、ステレオ/ヴァリトーンコントロール搭載のバリエーションモデル【ES-345TDSV】が登場します。ボディ幅16-1/4インチ、リム幅1-3/4インチ(アーチトップ/バックのため中央付近はそれ以上の厚さ)のメイプルセミホロー構造。マホガニー材のネックにローズウッド材のフィンガーボードが主なウッドマテリアル。ハムバッキングピックアップを2基搭載。ヘッドトップはギブソンおなじみのクラウンインレイで装飾されています。金属パーツはゴールドメッキで統一されています。

6段階のプリセットトーンを選択できるヴァリトーンコントロールスイッチと、専用コードを使用し2つのアンプからそれぞれのピックアップサウンドを出力するステレオ仕様が基本スペック。工房にてモノラル仕様変更を行えば他のギター同様に1つのアンプで音を鳴らすことが可能です。

ストップテールピース/ブランコテールピースが基本仕様となりますが、出荷時にギブソンファクトリーにてビグスビートレモロユニット等が搭載された個体も多くみられます。基本カラーはサンバースト。チェリーカラーもよくみかけます。ポジションマークはダブルパラレログラム。ギター好きの心をくすぐるマニアックな仕様から繰り出されるサウンドや、アメリカの大人気映画の有名な1シーンに登場したことにより、いまでも根強い人気を誇るモデルです。

1979年に生産終了まで、合計10,560本出荷されました。


【ES-355TD】
登場はES-335Tと同じく1958年に上位機種として登場しました。ボディ幅16-1/4インチ、リム幅1-3/4インチ(アーチトップ/バックのため中央付近はそれ以上の厚さ)のメイプルセミホロー構造。マホガニー材のネックにエボニー材のフィンガーボードが主なウッドマテリアル。ハムバッキングピックアップを2基搭載。ヘッドトップはレスポールカスタムでもおなじみのスプリットダイヤモンドインレイとマルチプライバインディングで装飾されています。ボディバインディングはES-335、345がシングルプライに対し、ES-355はレスポールカスタム同様マルチプライバインディングとなります。金属パーツはゴールドメッキで統一されています。

1959年ES-345TDSVの登場以降は、ES-355にもステレオ仕様/バリトーンコントロールが数多く搭載されるようになりますが、ES-335同様にモノラル仕様も存在します。

ビグスビー等のトレモロユニット装備が基本仕様となります。基本カラーはチェリー。1970年代になると他モデル同様ウォルナットカラーが多くみられるようになる他、カスタムカラーも少々みられます。ポジションマークはラージブロック。名だたるブルースギタリストに愛用されたモデルで知られますが、レスポンスに優れたウッドマテリアルゆえにロックシーンにおいてもレジェンドアーティストや国内で影響力のあるギタリスト等が使用するのをみることができます。

1979年に生産終了までわずか合計3,725本のみ出荷された、とてもレアなギターです。


その他それぞれ年代ごとの細かな仕様変更等は、各モデルのページにてぜひ確認してみてください。


※型番のうしろのアルファベットはそれぞれ【T…シンラインボディ】【D…デュアルピックアップ】【S…ステレオ】【V…ヴァリトーンコントロール】を意味します。サンバーストカラー以外の個体には型番の後方にカラーを表すアルファベットが表記されることがあり、代表的な【C…チェリー】のほか、【N…ナチュラル】【W…ウォルナット】【B…エボニーブラック】などがよくみられます。

例:ES-335TDW、ES-335TDN、ES-345TDCSV

ハートマンヴィンテージギターズ 小松崎 のレビュー 2025/07/13

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