バンドレン樹脂リードのサックス用が遂に出ました。一番手はやっぱりアルト用ですね。
黄色い文字のVK1はトラディショナル(青箱)イメージ、緑の文字のVK7はJazz用ということでJAVAのキャラクターをイメージすると、分かりやすいかなと思います。
硬さは、ケーンのモデル番手ひとつを3分割し、人気の高い範囲をラインナップ化。より細かくフォーカスした硬さが選択できるように設定されています。
例えば、JAVA(ケーン)では2-1/2として括られていた硬さは、VK7では10、15、20の三つに細分化され、それぞれ、柔らかめ、中間、硬め、という具合です。馴染みの薄い番号の設定になるので、慣れるまでは対応表を活用しましょう⭐︎
で、実際吹いたらどうなの?ということで、Jazz向けモデルVK7の20番を試してみました。
※筆者は普段レジェール各種の2.25〜2.75あたりを体調や環境により変えて使用しています。
サクッと無心で吹いた第一印象は、"整っている"。
整った音色。JAVAのようなザラ味は少なく樹脂らしいクリアさですが、ツルッと無機質で味気のない平面的なクリアさではなく、妙な固さもなく、耳が快適な音質。
整った鳴り。フラジオ音域含め上から下まで均一に、ダイナミクスもppからfまでムラのない鳴り。
音量感については、広がりのあるレジェールより締まって落ち着いた音質のせいかやや狭めの幅感でしたが、細やかな反応が助けとなり気になりません。
ffなどでの息圧への耐性は、レジェールは受け流して逃して整える(音が割れにくい)、VK7はリミッターをかけて吸収して整える、といった具合のアプローチの違いのようなものがありました。
整った反応。タンギングや息量の変化にはラグなく俊敏に反応するため、ストレスがありません。
息を入れている間はツボを迷う感覚がないので、デコボコした操作のしにくさはなく、音の向きがブレない安心感があります。これは、初めて樹脂リードを導入する方にもお勧めできる◎ポイント。
バンドレンが樹脂リードを手がけるにあたり、樹脂リード界のトップメーカーであるレジェールは強く意識しているだろうと思います。
基本的な吹奏感や操作感においては両者劣るところのない高水準を持ち、"ストレスなく普通に使える"という、道具にとって一番の重要要素を押さえる。その先の段階で、レジェールは表現の柔軟性、VKは反応の良さが際立ち、それぞれのプライドや個性を感じます。
正直なところ樹脂系では久々に感じた違和感のなさに心が動き、そこそこの長文になりました…。
少々お値段は張りますが、いわゆる"捨てリード"にはならないハイクオリティ!ぜひ味わってみてください!