近年のエフェクター・シーンにおける最大のトピックと言えば、「ヴィンテージ・ファズ」に他なりません。ここ数年、1960年代に作られた様々なモデルが世界中で発掘され始め、その多くがプレミア価格で取引されるようになりました。そんな中、最も人気を集めているモデルのひとつがFuzz Face。あのジミ・ヘンドリックスが愛したファズであり、未だに色褪せないその人気もあり、ヴィンテージの個体はもの凄いプレミア価格で販売されています。今回の特集はそんな今や普通の人は拝むことすらできなくなってしまったFuzz Face……ではなく、その音色を愛するがゆえに復刻に執念を燃やすビルダーたち、独自の解釈でFuzz Faceを改良・発展させた現代のファズたちがテーマ。言うなれば、1980年代に一旦、完全に忘れ去られてしまったFuzz Faceのその後を紐解いてみようというものです。なぜ1990年代以降にFuzz Faceが再び注目され始めたのか、そこから派生した現代のファズはどんな考え方で作られているのかなどを検証。時代が巡って、今やマニアだけのものではなく、全ギタリスト必携のアイテムとなったFuzz Face系ファズの魅力に切り込んでいきます。