アバンギャルドなアーティキュレーションに特化したストリングス音源
『THRENODY: AVANT-GARDE STRINGS』は、60人構成の大規模なストリングス・セクションによるSONICCOUTURE社にとって初のストリングス音源です。すでに市場に出回っている多くのストリングス・ライブラリとは異なるものを目指して開発され、20世紀末のオーケストラ音楽やSF映画のサウンドトラックで聴かれるような、弦楽器の前衛的なアーティキュレーションに焦点を当てました。スタンダードなアーティキュレーションもいくつか用意されていますが、このライブラリは弓の木の部分で弦を叩くコル・レーニョによるクラッタリング、クラスター、クラウド、グリッサンドなど26種類のアーティキュレーションをオーケストラの全音域にわたってサンプリング。ホールに30本以上のマイクを設置しレコーディングが行われ、最終的に3つのステレオ・ステム（メインツリー、スポットマイク、アンビエンスマイク）にミックスされています。
収録アーティキュレーションを最大限に活用するため、最大4つのアーティキュレーションをリアルタイムにクロスフェードできるXYパッドを搭載。サステインからトレモロへなめらかな変化するようなアーティキュレーション間のフェードや、マウス操作によって行ったXYパッド上の操作を記録しオートメーション化することもできる他、XYパッド上の操作を一部パラメータのモジュレーションソースとして反映させることも可能です。また、入力ノートを中心に、最大12 voicesの無調レイヤーを作成しSFやホラーの演出で耳にするクラスターを生み出すcluster ツール（クラスターのクラスターを作ることができます）、ピッチベンドが無限に続くグリッサンドを生み出すPITCH BEND GLISSANDO、演奏されたノートのピッチをわずかに変化させるPITCH INSTABILITYなど、過激なエフェクトを作るための冒険的なスクリプティングツールも追加されています。
その他、Generative Tool パネルにはスタンダードなランダム・アルペジエイター「JAMMER」、8音ポリフォニーに対応するシーケンス・ジェネレータ「WEAVER」、短いフレーズを録音し演奏しながらリトリガーすることで新たなメロディのアイデアやシーケンスを生み出す「PHRASER」が搭載されており、幅広い演奏表現が可能です。Effects パネルには内容を任意に選択できる三段のエフェクト、EQ、サチュレータ、コンボリューション・リバーブが並び、柔軟な音作りにも対応。これらの機能やXYパッド等の設定を含むSnapShot プリセットが55種類用意されており、すぐにその実力を体感することができます。