工事現場かスズメバチのような警戒色が目を引く、アウトボードブランドLooptrotter。マイクプリやコンプ等をリリースしていますが、どの製品にも共通するのが、アナログの歪みを真摯にキャラクターとして扱っている事です。繊細で丁寧な、そして時には過激なカラーボックスとして、非常に高い評価を得ています。私の好きなエンジニアの1人、Sylvia Massy氏もLooptrotter製品の愛好家として知られています。

以前から、Brainworxとプラグインの開発中である旨はアナウンスされていたので、本製品の情報を見たときは「ついにリリースされたか!」と大変興奮しました。

というわけで、本日はPlugin Alliance Looptrotter SA2RATE 2のご紹介です。

Looptrotterの製品の中でもベストセラーとなっている、同名のサチュレーターをプラグイン化したもの。
実機は、10万円台前半というアウトボードの中では手の届きやすい価格も魅力的。

DRIVEを上げていくと、綺麗に整数倍音が伸びていきます。オケの中での立ち位置がグッと前に出てくる印象ですね。
腰高では無いのですが、音が明るくなっていきます。
そして、歪みによるピーク取りがやはり優秀。聴感上の音量は上がっているのに、ピークレベルはそのまま…というリミッター的な用法もお手の物。

ユニークなのが、低域の歪みを回避するLO Safe機能。本来ベースやキックに歪みをかける時、低域の倍音が膨らむと、かえって濁ってぼやけたサウンドになってしまいます。LO Safeをオンにするとそれを回避できるんですね。分かりやすい!
2枚目と3枚目の画像はスイープ信号を流して、各帯域での倍音を計測したもの。比較すると3枚目の方が低域の倍音が抑制されているのが分かります。

また、指定した周波数を中心にディップのEQがかかるようなのですが、周波数特性が他のパラメーターの数値によって複雑に変わるので、ここは割とフィーリングでいきましょう! 特にMIXノブは単純なdry/wetではないようで、何故か75%付近でフラットな特性に近くなります。実際使うと効果は抜群で、かなり強めにDRIVEさせても嫌な歪み方をせず、音像が太くなっていきます。

ともあれ、非常に優秀なサチュレーターです!
これは実機も欲しくなるなあ……

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