Leqtique/CLHDは当ブランドのクリーンコンディショナー、プリアンプ、ローゲインオーバードライブといった、ローゲイン領域の決定版としてベストセラーの一つでした。特にこのエフェクターはギターの原音に向き合うことを最優先においているため、回路の構成は引き算を強く意識したものとなっており、High Definition(高原音再生能力)とそれをコントロールするユニークなコントロールを実現すべく、あらゆる回路的なテクニックが駆使されています。
Leqtique/CLHDに採用していた香港会社のHiFiコンデンサーであるObbligato Ultra Premiumは非常に大きなサイズと真鍮製のハウジングが極めて特徴的で、サウンドにもオイルコンデンサーらしい流麗なスピード感とトーンを付与しており、CLHDの構成に絶対的に不可欠な物でしたが、近年廃盤となっており今回EVR化をするにあたり3つの重要な課題がありましたが、そのアップデートがまず一つ目でした。
コンデンサーの世界は非常に奥が深く、その中でも一際個性が際立っていてオーディオマニアより長年にわたって異次元に評価が高いのが、デンマークのDuelund Coherent Audio社のCASTと呼ばれる製品でした。こちらはコンデンサーだけでエフェクター一つより大きなサイズをしており、その単価もLeqtqieu EVR製品で言うと、4台分以上になるような代物でした。当初より自分も大きな憧れを抱いていましたが、数年前にそんなDuelund社がコンパクトなサイズで、現実的な価格を備えたJDM-PPシリーズをリリースさえれていることを知り、こちらを採用することからCLHDのEVR化は進みました。
CAST同様のテクニックで東デンマークでハンドメイドで作られるこちらのコンデンサは、ポリプロピレン素材由来の硬さが一切なく、まるでPIOコンデンサーのような流麗さとスムーズさ、ハイエンドの美しさを備えます。その中で特にハイミッドの響きがソフトなのはDuelund社のマジックというべき特徴で、これはLeqtique(EVR)で偏重されているAB社などのCarbon Composition抵抗の特徴とよく似たものです。
次に二つ目の課題としては、Leqtique - CLHDは心臓部にLT1028という超高速オペアンプを使用しており、その能力を最大限に引き出すために内部で電圧を4倍に昇圧しており実質的に30V以上で駆動しておりましたが、電圧を変換するICとそれにまつわる回路に脆弱性がありました。(https://www.cult-pedals.com/products/clhd-supreme?variant=13654395420707) こちらをクリアすべく、CLHD EVRでは異なる電圧変換のICと刷新された回路を使用しており、あらゆる使用に対する電源の保護を強化し、心配なく通常のエフェクターと同様に使用できるように仕上げました。
そして最後に三つ目として、CLHD(EVR)に備わったDefinitionコントロールは他で類を見ないユニークなコントロールですが、このコントロールを時計回し方向に回すことでTSライクなスムーズなトーンの表情を見せます。その際に、TSのようにローエンドが軽ければ....といった事を思うことが増えてきたため、L' - CLDではLow-Cutコントロールを備えています。この特徴はCLHD EVRにも受け継がれ、Low-Cutを半時計回しいっぱいでは原音そのままのローエンドを再生し、より太いサウンドを。Low-Cutを時計回しに回していくことでGainを上げた際に付随する過度なローエンドを適度にカットしたり、Low Gain ODとして使用した際の歯切れの良さを生み出し、カッティングワークなどでの使用に重宝します。
CLHDシリーズは、ヨーロピアンライクな引き算の設計思想を最大限に具現化したフラグシップモデルの一つですが、今回Duelund社のコンデンサーその他の刷新においてより完全体に仕上がりました。クリーンサウンドにこだわりを持たれる方や、絶妙に歪んでいるか歪んでいないか、といった領域のサウンドを追求したい方のために最高のデバイスです。また裏技として、CLHDシリーズを2台直列に繋ぐ事で、極めてスムースで心地の良いオーバードライブサウンドを生み出すのがヘビーユーザーの方の定番となっております。CLHD EVRをそちらに組み込む場合には是非後段に接続して、Low-Cutによる全体のサウンド調整幅を広げ、より広いローゲイン域のトーンの追求をお楽しみください。
〈SPECS〉
Operation Voltage:9V
Size:129mm×67mm×49mm(※実寸値のため多少の差異がございます)
Control : (Left to Right) Volume , Low-Cut(mini) , Definition , Gain