Taylor V-Class
Taylor V-Classブレーシングを考える

今年のNAMMショウで話題となったV-Classブレーシングが遂に入荷してきました!NAMMのTaylorブースで大きく取り上げられ、アコースティックギター関連では今年一番ホットなニュースと言っても過言では無い、注目度の高い話題のシステムです。では何故、このV-Classブレーシングがこれほど話題になっているのか?それは、一世紀以上続くアコースティックギターの基本構造がガラリと変わる可能性を秘めているからなのです。

アコースティックギターでXブレーシングと言えば、多少なりとも楽器のスペックに興味の有る方なら知っているアコースティックギターの構造の一つで、長きに亘ってボディトップのブレーシング構造の基本となってきました。各社、各機種で多少の差異はあるかもしれませんが、世に存在するアコースティックギターの殆どはトップのブレーシングパターンにXブレーシングを用いております。

それほど普遍的なXブレーシングをガラリと変えて、Taylorは新しいブレーシングパターンを開発し、今後数年かけて、この新しいV-Classブレーシングに切り替えていくと発表したのです。ある一部の機種だけならまだしも、いまやトップブランドのTaylorがこのような発表をしたところが凄く、例えるならば、車業界のトップブランドが「今後はガソリンエンジンを造らず、全て電気自動車にします!」と宣言するようなほどのインパクトが有り、業界では騒然となっているのです。

V-Classブレーシングとは?

では、このV-Classブレーシングとはどのようなものなのでしょうか?それを知るカギは、開発者であるTaylorの若きマスタービルダー、アンディ・パワーズ氏が握っております。

ここ数年、アンディ・パワーズ氏はTaylorの800シリーズを皮切りに既存のラインナップを大幅に刷新し、全てにおいて評価は高かったのですが、ブレーシングパターンの開発を行ったと言う事は、より理想的なサウンドの高みを求めて、アコースティックギターの核心に迫る改革に着手したのだと思います。

今までも、800シリーズや600シリーズなどの話題となったリニューアルの時、何度かアンディ氏に直接お話しを伺ったのですが、毎回決まって話に出てきていた基本となるポイントは、トップの動きを効率よく動かすという事でしたので、弦振動をロスなくトップに伝えリアルなサウンドとして発音する、アンディ・パワーズ氏のそのような考えを突き詰めていくと、トップのブレーシングパターンの刷新は一つの終着点だったのかもしれません。

そして出来上がったのが、より豊かな響きと伸びやかなサスティーンを求めて開発されたV-Classブレーシングなのです。メインの構造体がボディエンドからサウンドホールに向けてV字型になったスタイルが特徴的で、一見してXブレーシングとの違いが判る、新しいブレーシングパターンとなっております。

V-Classブレーシングのサウンドは?

では、実際のV-Classブレーシングのサウンドとはどのようなものなのか?早速入荷した実機を弾いてみると、その凄さが実感できると思います。

クリアーで明瞭なトーン、そして各音の粒立ちの良さ、そしてこれは開発段階の副産物だったようですが、ピッチの安定度も向上しており、元々バランスの良い綺麗な響きを持つTaylorのギターですので、明らかな正常進化とも言える出来栄えとなっております。今回、V-Classブレーシングを採用した3機種のうち914ceとK24ceの2機種は、既存のモデルのブレーシングをV-Classブレーシングにリニューアルしておりますので、サウンドの違いを実感し易いと思います。

ここでV-Classブレーシングのサウンドを評価する時、一つ気になる点は、何をもって良い音とするかです。

カントリーブルースを弾くには、古いギブソンでラダーブレーシングのスモールギターがよいよね!とか、ブルーグラスにはマーチンのドレッドノートたよね!などのトラディショナルな志向で挑むと、トラディショナルなモデルが良いと思う方もいらっしゃるかもしれません。

このようなトラディショナルなサウンドやモダンなトーンなどの音色の違いは、演奏者の志向によって好みが分かれてしまうかもしれません。ただ、この新しいV-Classブレーシングの利点である音量やサスティーン、ピッチ感の向上などを並べてみると、音色の変化ではなく、音質の向上を突き詰めた設計なので、この音色が好みかどうかよりも、今までのTaylorの音がどれだけ良くなったかがポイントだと思います。

その様に考えると、既存モデルからほぼV-Classブレーシングへの変更のみでリニューアルする辺りに「今までの音を更にグレードアップする!」というような、Taylorの自信が感じられます。

V-Classブレーシングの構造は?

また、ブレーシング構造の重要な役割であるトップの強度の確保についても考えてみました。

トップを強くする為、ガッチリ補強すると鳴らないギターとなりますし、柔軟性を持たせ過ぎると鳴りは良いのですが、すぐにトップが膨らんでしまうような華奢なギターとなってしまいます。従来のXブレーシングでは、その強度と鳴りのバランスを見極めるのが設計時のポイントになっております。

そこでV-Classブレーシングについて考えてみますと、私見ではありますが、強度的な問題を上手く対処できる構造になっているのではないかと思われます。

一般的にアコースティックギターのトップで、ブリッジ後ろからボディエンドまでの広い面積の部分が変形し易いのですが、V-Classブレーシングではメインとなる力木が2本V字で入っております。このV字の力木が弦の張力を抑える役割と、弦振動を伝える役割をそれぞれ担っていると思われ、強度と鳴りのバランスは取り易いのではないかと思います。

その様にV-Classブレーシングの構造を考えていくと、一見してシンプルなパターンのV-Classブレーシングですので、設計によってはサウンドメイクの自由度が高いのかと思われます。

現在、数機種だけでも音質の向上は実感できますが、他の音色のギターでもその効果は期待でき、今後Taylorの他の機種に採用され、様々な音色のギターでどのような響きを聞かせてくれるのか楽しみです。

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福成 修治
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福成 修治
Shuji Fukunari

世界最大の楽器ショー"NAMM show 2017"のTaylor Guitarsメインステージにおいて日本人3人目となるパフォーマンスを実現したソロギターリスト。

力強くパーカッシブな特殊奏法、また繊細な超絶技巧から壮大でドラマチックな旋律を奏でる。

現在、1stアルバム「Behind The Sleep」が発売中。

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