RC505

ギタリストやべーシスト、ヒューマンビートボクサーからボーカリストまで、ジャンルを越えて様々なミュージシャンから支持を集めるBOSSのループステーション『RCシリーズ』。この度、新たにシリーズ初となるデスクトップ型ループステーション『RC-505』が加わり、さらに幅広いパフォーマンスに対応出来るラインナップとなりました。そこで今回BOSSの開発担当者の皆さんに、RCシリーズの歴史からRC-505の特徴や開発秘話まで、たっぷりと

お話を伺いしました。


- - それでは、宜しくお願いします。 まずは初代『RC-20』が2001年に発売されたわけですが、当時からリアルタイムでフレーズをループさせて曲を組み立てて行く演奏スタイルはあったのですか?

RC-20RC-20

はい、当時から一部のギタリストの間でフレーズをループさせながらパフォーマンスを行うというスタイルはありました。ですが、当時はいわゆる『ルーパー』ではなく『ディレイ』を応用してこのパフォーマンスを行っていたんです。フィードバックを長めに設定してフレーズをディレイ再生させた上に別の演奏を乗っけていく…というようなスタイルだったと記憶しております。
使用している機材がディレイなので、もちろんオーバーダビングは出来なかったですね。

- - なるほど。そこにオーバーダビング出来る『RC-20』が登場してきたわけですね。
しかもトラックの概念もありフレーズを11パターン保存出来る。これはミュージシャンの方々に大変喜ばれたことと思います。これを期に、ギタリストの方たちだけでなく様々なスタイルのパフォーマンスが生まれることになりますね。

ええ、そうですね。
しかし、実は私達もこのような商品が果たして本当に売れるのかどうか、半信半疑な状態でした。
当時から同じ形でギタリスト用のツインフットペダル型エフェクターを作っていましたので、同じ形でこんなものもあれば面白いのではないかと。

- - それは面白いお話ですね。
この当時からギタリストの方たちばかりでなく、ターンテーブリストもこのRC-20を使用してターンテーブル1台とDJミキサーでビートを構築していくスタイルも出てきたと記憶しています。2004年には後継機の『RC-20XL』が登場しますが、RC-20との主な違いは何でしょうか?

RC-20XLRC-20XL

RC-20のフレーズ録音時間が最長5分30秒だったのに対し、RC-20XLでは最長16分まで保存が可能になっています。さらに、直前にオーバーダビングしたフレーズを取り消すUNDO(アンドゥ)、逆にオーバーダビングしたフレーズを呼び出すREDO(リドゥ)を装備するなど、より快適にフレーズ作成が出来るような改善を行いました。

- - 2006年にはこれまでとは違うスタイルの『RC-50』『RC-2』が発売されました。
これを期にルーパーを使用したパフォーマンスの広まり方が一気に加速した印象があるのですが、この2つのコンセプトはどういうものだったのでしょうか?


RC-2
RC-2

RC-50については、リズムが入り、トラック数も3トラック、さらに入出力がステレオになっています。
RC-20/RC-20XLの頃に、複数代使用してパフォーマンスしていた方も多かったので、トラック数を増やしました。
RC-2はモノラルなのですが、ペダル1つで録音のスタート、ストップ、オーバーダビングまで出来るようにしたものです。

- - このころから、徐々にPCソフト『Ableton Live』を使用したパフォーマンスが登場してきたように思います。
このような風潮に対して何か意識はされていましたか?


RC-50RC-50

いえ、特別な意識は無かったですね。
やはり意識していたのはあくまで「ギタリストのためのルーパー」でした。
ただ、RC-50に関してはトラック数の他、入力端子の数も増えましたので、今までよりさらに幅広いユーザー様に使用していただけるようになっていきました。

【【RC-50 with DubFX】
フットペダルタイプのルーパー『RC-50』を手で操る
ヒューマンビートボクサー。エフェクトは搭載されていないため、
左側にはBOSSのエフェクター『GT-10B』も見える。

- - やはり、PCがあってソフトがあってオーディオインターフェースがあって…ですと、ライブ時のセッティングに時間がかかります。その点このRCシリーズは電源を入れるだけ。 しかもフリーズの心配もないですね。

そうですね。
ライブパフォーマンス時のフリーズは最も避けたいことの一つです。
また、ライブ時にPCを使用していますと、お客さんから見た際にプレーヤーが何をやっているかが分かり辛い。PCの中で行っていることは視覚的にお客さんに伝わることがありませんからね。こういった理由からハードウェアを選ばれるケースも少なくないようです。
やはり、視覚的要素もライブを盛り上げる重要なポイントですので。

- - 2011年には新たに『RC-3』『RC-30』『RC-300』が発売されます。
これは、これまでの機種のモデルチェンジを行ったということでしょうか?

RC-3
RC-3
RC-30RC-30
RC-300RC-300

はい。それぞれのモデルをブラッシュアップしました。
レコーディング時間も大幅に長くなりましたし、『RC-30』と『RC-300』に関しては新たにエフェクトも搭載されました。 ありがたいことですが、RCシリーズは年々人気が上がってきている商品なんですよ。
ルーパーやそれらを使用したパフォーマンスが徐々に認知されてきており、今では本当に様々なスタイルのミュージシャンの方達に使用していただけるようになりました。特にRC-3に関してはギタリストの方達に人気があります。

【【RC-300 with Rico Loop】
様々な楽器とRC-300を駆使したパフォーマンス。
新搭載のスライド式ボリュームフェーダーやALL START/STOP(同時に全てのトラックの再生/停止を行う機能)を効果的に使用している。

- - そしていよいよ『RC-505』の登場です。
これまでのRCシリーズは全てフットペダルタイプだったのですが、今回はデスクトップタイプの仕様になっています。
まずは、このスタイルになった理由を教えてください。

RC-505RC-505

RC-20発売当初から、ヒューマンビートボクサーやボーカリストの方がデスクトップに設置してパフォーマンスを行うスタイルがありました。ですが、この商品はあくまでフットペダルなので、設計上ペダルを押さえるには少々力が必要でして…プレーヤーの方たちが、拳でべダルを強く叩きながらパフォーマンスをされているのをよく拝見しておりました。とは言え、ペダルをゆっくり押し込むとループのタイミングがずれてしまう…。
それならデスクトップで使いやすいルーパーを作ろうよと。

- - 重さもこれまでになく軽いですね。

そうですね。今までは足で操作する設計でしたのである程度の堅牢さや自重がないと、割れてしまったり、動いたりしてしまいます。ですが、RC-505はそもそも手で操作するものなので、その辺りから開放されたといいますか。むしろライブパフォーマンスを行うに当たり、持ち運びがしやすい方がいいのではという考えからこの重さになりました。

- - これまでのRCシリーズには無い、特にこだわって設計した部分はどこですか?

様々ありますが、今までのシリーズと最も違う部分はトラック数でしょうか。
ご覧になって分かる通りRC-505は5トラック構成で、同時再生可能トラック数は5トラックなのですが、その5トラックを1プログラムとして99プログラムまで保存が可能です。なおかつ演奏中にプログラムの保存も行え、これらプログラムを変更していくことで演奏を止めることなくパフォーマンスが行えます。

- - なるほど。つまり5トラック×99プログラムの演奏も可能ということですね。

内部メモリの制限内であれば可能です。
これまでのルーパーの設計では、その仕様の関係上このトラック数を実現できませんでした。ですので、RC-505では内部の設計も1から行いました。これにより、他にも多くのメリットが生まれています。
例えばRC-300にも搭載しているUNDOという機能に関しては、設計上の問題でRC-300の頃はUNDOしてから、実際にその音が消えるまでに時間がかかっていました。ですが、これだとリアルタイムにパフォーマンスをやる際に使いにくい。
RC-505ではこの問題も解消していますので、より快適にパフォーマンスを行えるようになっています。
また、MIDI IN/OUTも搭載していますので、RC-505をマスターにして外部音源を同期演奏させることも出来ますし、その逆も可能です。

RC-505MIDI RC-505MIDI

- - ここまで来ると、ハードウェア版のAbleton Liveですね。

実は2年ほど前、当初はNative InstrumentsのKONTROL F1のハードウェア版ようなものも企画としてありました。
Abletonのセッションビューをハードウェア化したようなものですね。
ただこうなると、操作面で少々複雑になってきます。多くのアーティストの方達にもお話を伺った結果、その場で自分が鳴らしたい音をシンプルに鳴らすことが出来るという部分を最も重要なポイントとして捉えた現在のデザインに辿り着きました。
それに、はじめはもう少し小さくしようと考えていたんですよ。ただ、海外のアーティストからすると小さ過ぎたようでして…そもそも現場でプレイするには、ある程度大きさがあるほうが演奏し易いですしね。多くのフィードバックを頂き、この大きさに落ち着きました。
Abletonに関して言いますと例えば、ループ制作~作り込みはAbletonで行い、ライブ時はそのデータをRC-505に移し替えて演奏する、なんていう使い方も可能です。

- - トラックの再生に合わせて、Playボタンの周りを囲うようにLEDが光るのもいいですね。
今トラックのどの部分を再生しているかが一目で分かります。

RC-505 RC-505

そうですね。この辺りも、これまでのルーパーには無かった機能です。それに各トラックにボリュームフェーダーを搭載しました。ループパフォーマンスをやる方は、各トラックをフェーダーを使用してボリュームバランスを取るというよりは、各トラックの再生とミュートを行うことが多いので、あえて可動範囲は短く設計しております。

- - RC-505はフットペダルも使用可能ですが、これはどのようなことが出来るのでしょうか?

各トラックの録音スタート・ストップやエフェクトのオン・オフです。
RC-505はテーブルトップ型のルーパーではありますが、フットペダルを使用する事によりRC-300の様に使っていただくことも可能です。ただし、トラックセレクトを行う際はRC-505側での操作が必要です。

- - なるほど!確かに両手が塞がっている時は足で操作出来ると便利ですね。
そもそも手で操作する為にデザインされたルーパーですし、トラックセレクトは足でやる必要は無いのかなと感じます。手でやってしまったほうが早いですしね。 USB端子も搭載していますが、これはどのように使うのでしょうか?

RC-505、実はオーディオインターフェースにもなるんです。なので、例えば別途インターフェイスを用意しなくても、RC-505とPCを直接繋いでパフォーマンスをDAWに録音することが出来ます。また逆にPCからの音をUSB経由で入力(USBインプット)し、それをループパフォーマンスで使用することも出来ます。本体背面のスイッチを切り替えることでPCからの音をスルーさせることも出来るので、RC-505経由でオケを流しておいて、その上でパフォーマンスを行うことも可能です。

- - それはスゴい!思いついたメロディーをすぐ録れるというのはミュージシャンにはとてもありがたい事だと思います。しかも、PCからの音をUSBケーブルで録音出来れば、パフォーマンスの幅も広がりそうですね! エフェクトも豊富に搭載されていますが、特に特徴的なエフェクトはありますか?

はい。まずは録音前と後にかけられるよう、エフェクターを2系統搭載しています。
前がけ用のエフェクトと後がけ用のエフェクトが両方付いている商品は今までありませんでした。
また、トラックFXと呼ばれる『Beat Repeat』『Beat Shift』『 Beat Scatter』『Vinyl Flick』 に関しては、録音した音に対して後がけながら、エフェクトをかけながらオーバーダビングすることによりエフェクトを使ってアレンジした音を録音することが出来ます。

RC-505にはLINE INとOUT両方を搭載しているので、例えばDJミキサーのセンドリターンに接続することも可能です。
さらにPhonesからだけクリック音を出力する設定にしておけば、そこからDJミキサーのLINE INに接続しDJミキサー側でモニタリングする、なんていう使い方も可能です。

【【RC-505 with Tioneb】
RC-505はトラック数やエフェクト数が豊富なため、
コレ一台でより幅広いパフォーマンスが可能となっているのが分かる。

- - どうやらRC-505は、かなりのポテンシャルを持ったマシンのようですね。それでは最後にユーザーの方へのメッセージをお願い致します!

これまで、ギタリストのイメージが強かったルーパーですが、この『RC-505』はより幅広いプレイスタイルにフィットすることが出来る商品だと考えております。先述しましたように、豊富なトラック数やエフェクト、USBやMIDIを搭載した外部機器との連動性の高さなど、これまでにないほど自由度は上がっています。これから多くの方にこのRC-505を使用していただき、たくさんのプレイスタイルを生み出していただけると、大変嬉しく思います。

- - 何だか、我々もワクワクしてきました!どうもありがとうございました。

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