STEINBERGER（スタインバーガー）は、家具デザイナーから楽器デザインへと進んだ創業者ネッド・スタインバーガー氏によって1980年に立ち上げられました。「電気楽器に大きなボディは必要なのか？」「ヘッドは絶対に必要なのか？」という、それまでの楽器作りの常識にとらわれない発想から生まれたコンパクトなヘッドレス・デザインがスタインバーガーの最大の特徴であり、必要なものだけを残してシンプルに削ぎ落としていった姿がこの四角いシルエットなのです。

「ヘッドがないけれどチューニングはどうするの？」専用のダブルボールエンド弦の両側をナットとブリッジ駒に引っ掛け、ブリッジ側のツマミを回してチューニングします。工具も弦を切る手間も必要なく短時間で交換でき、チューニングの際には従来のように弦を巻きつけるのではなく“引っ張る”ことで音程を合わせるので、巻きムラが発生せずチューニングが狂いにくい構造となっています。そして、ヘッドがないので演奏中にメンバーにぶつけたり…なんていう心配もありません！

1980～90年代のスタインバーガーはグラファイトやカーボン等特殊素材を使用していたことも特徴でした。当時の製品はその材質ゆえに小ささの割りに重く、高価ながら、木で作られたギターとは別次元のスーパークリアな音質に今もファンが少なくありません。現在は、専門工場の管理のもと品質基準をクリアした木材でネックとボディが作られています。特殊素材からスタートしつつも、一回りして一般的に使用される木材で作ることで、コストを押さえ、扱いやすさと音楽に馴染みやすい安定感のあるサウンドを実現しています。

ソフトケースに入れたスタインバーガーは、まるでテニスラケットやスケートボードのようにも見えるコンパクトさ。通勤通学バッグと一緒に持ってもかさばらず、一般的なギター＆ベースに比べて軽いので、練習スタジオやライブハウス、さらに旅先にもらくらく連れて行くことが出来ます。また機材があふれているステージ上やスタジオ内でも、コンパクトなスタインバーガーはバツグンの取り回しの良さを発揮します。チューニングツマミもボディのくぼんだ部分にあるので、何かにぶつけて音程が変わってしまう、というような失敗もありません。

小さいながらも弦長はギターで25.5インチ、ベースで34インチのいわゆるレギュラースケール。一般的なギター＆ベースと同じなので、演奏性はもちろん楽器を持ち替える時にも問題ありません。ストラップを付けて立って演奏するときもヘッド（ありませんが）側が落ちることはありませんし、座って演奏するときにもボディの横に開いて使えるレッグレストがついているのでバッチリです。もうひとつ、ボディの下側が平面ですので「立てて置きやすい」という点も、日々の演奏の中でうれしいメリットです。

あらゆる楽曲を演奏できる広い音域の24フレットネックに、3つのピックアップ（ベースは2つ）から生み出される多彩なサウンド。ギターにはダイナミックな表現を可能にするトレモロアームを搭載しています。コントロール類はマスターヴォリューム、マスタートーン、ピックアップセレクター（ベースはフロントヴォリューム、リアヴォリューム、マスタートーン）と定番の仕様になっているので幅広い音楽に対応できます。生音に癖がなく、ピックアップのカラーが素直に出てくる特性をいかして、好みに合わせてピックアップ交換しカスタマイズするのも良いでしょう。

このSTEINBERGER Spirit Collectionは、従来のスタインバーガーの画期的なヘッドレス・スタイルに則り、さらにはコストパフォーマンスをも実現させたモデル。価格が高くないので、もしかすると見せびらかすには向いていないかもしれませんが（笑）、リーズナブルに購入できていつも一緒にいられる楽器として世界中の楽器ファンに向け生産されています。手元に残ったお金でエフェクターを買うもよし、ライブを見に行くもよし、存分に音楽を楽しんでください。

コミックの有名なキャラクターを思い浮かべると、それぞれ特徴的なシルエットを持っていることに気づきませんか？しかも、大抵誰もがわかるようなキャラになればなるほど単純でシンプルなデザインになっていく。スタインバーガーを持ってステージに立ったその瞬間、遠くの客席からでも分かるこのシンプルなシルエットはあなたの個性の一部になります。誕生から約40年を経て今なお新鮮で、唯一無二のシルエットと鮮烈な存在感を放つヘッドレス・デザイン。STEINBERGER（スタインバーガー）はいつだって新しいのです。