2015年12月23日、PowerDJ's渋谷にて開催されたビートメイキングセミナーを終えたDJ BAKU氏に楽曲制作を始めたきっかけから、現在の制作スタイルに至るまで、お話を伺いました。 当日のフリービートメイキングの様子を収めたムービーも公開中です!

DJ BAKUインタビュー

楽曲製作を始めたきっかけを教えてください。

DJ BAKU:DJをはじめたころから、最終的には曲が作れないといけないよな、という気持ちがありましたね。
MSCにトラックを提供したのが最初の仕事でした。10年くらい前かな。
ちょうど彼らのアルバムが出るタイミングで、自分もまだまだ駆け出しだったから、自分の曲も交ぜてよとアプローチしたのがきっかけです。

そのときの機材は何を使われていましたか?

DJ BAKU:AKAI MPC2000XL(※1)でした。

それがトラックメイクを始めるのに最初に買った機材ですか?

DJ BAKU:そうそう。
ずっとそれでしたよ。6~7年ずっと。
そこから少しずつシンセも集めていきました。Roland JUNO-106(※2)とか。これは結構好きで初期のアルバムには多用していましたね。あとこれもRolandでSH-101(※3)も好きでした。他にもNord Lead(※4)やminimoog(※5)など、ホントいろいろ買いましたよ。もちろんRoland TR-808(※6)やE-MU SP1200(※7)も。レコーダーにはRoland VS-1680(※8)を使っていました。MixCDなどもこれで録ってましたね。

いつ頃から製作環境をPCベースへ移行したのですか?

DJ BAKU:ずっとハードウェアで製作をやっていたので、PCを使い始めたのはわりと最近ですね。 でも今の機材は当時とは真逆。メインはNative Instruments MSCHINE STUDIOで、他にもNative Instruments製品を使うことが多いですね。あ、ハードで言うとRoland TB-3とかも使っていますけど。でもこれもUSB経由でPCに録るから、ハードウェアだけどプラグイン感覚ですね。

移行はどのように進めましたか?

DJ BAKU:もちろん一気にではなくて、少しずつです。取っ掛かりはMASCHINEで、こいつの仕組みを少しずつ覚えながら進めていきました。でもMPCを使っていたから理解しやすかったですね。あ~、MPCのこの機能はMASCHINEだとコレか、みたいに。それに、ちょうどその時やりたかった音の関係で、ソフトシンセのMassiveが気になっていて。MASCHINEとMassiveが同じメーカーだと知って、おっ!と思いましたね。Native Instrumentsイイ感じじゃん、と。ソフトサンプラーのBatteryもよく使いますし、Reaktorとかも好きです。もちろん、Native Instruments製品だけじゃなくRob Papenとかも好きですよ。他社のシンセもいろいろと交ぜていくほうが個性も出て面白いですからね。

ハードウェア中心の製作スタイルから一転、デジタル環境へ移行されたわけですが、音質に関してはどう思いますか?

DJ BAKU:もちろん違いはあります。昔はなんでもMPCに取り込んでいたから、必ずMPCの色が付いていて、それはそれで好きでしたね。ハードウェアはいろいろと個性がはっきりしていて面白いですよ。 ただ、今は少し嗜好が変わってきたというか。クリアかつ気持ちのいい質感を追求することに興味があって。そういう意味でも今のデジタル環境は自分には合っていると思いますね。

楽曲製作に際して大事にしていることは何ですか?

DJ BAKU:自分っぽさ、かな。
もちろんなんでも器用に作れるのはいいことだし、逆に羨ましいですよ。若いEDMアーティスト達の音づくりも面白いと思う。だけど自分の場合、やっていくと結局自分ぽくなっちゃうんです。でもそれで良いのかなと。まねばかりでは気分も乗らないですし。サンプリングしたりBattery使ったり、自分の好きな製作スタイルをベースに置きつつ、ソフトシンセなど流行りの音を加えていくのが面白いですね。ただ、僕はあまりたくさんの製品を使うことはせずに、出来るだけひとつのモノを突き詰めて使いこなすほうが好きですね。

ミキシングなどはどのように行っていますか?

DJ BAKU:MASCHINEで曲の構成を組み、ある程度バランスを整えた後は、外部のエンジニアさんにミキシングとマスタリングはお願いしています。そうそう、自分に合うエンジニアさんを探すのはとても大事ですね。 僕は、”その道”の人に任せることも大事だと思っていて。エンジニアさん達は本当にすごいと思いますよ。自分だったら、あんな1日中作業出来ないですもん。3時間くらい作業したら、一旦作業はやめて人と会ったりしています。この人クールだな~とか思っている人と会って話をしたり。そのほうが自分には合っているし、それが次の製作に繋がったりしますしね。 だから、実は自分が製作で行っている作業自体はすごくシンプルです。これから曲作りをやろうとしている人達にもすぐ出来るくらいね。基本的なことしかやっていません。 あとは、意外とプリセット音も結構好きですね。プリセットを嫌がる風潮もあるけど、あの音は全部プロのエンジニアが作っているわけですし、クオリティが高い。すでに用意されていて自分がいいと思うものは素直に使ったほうがいいんです。プリセット音を使いこなす、というのもなかなか面白いのかもと思いますよ。

これから製作を始める、もしくは始めたばかりの人達に一言お願いします。

DJ BAKU:自分ひとりで考え込まないこと。PCさえあれば自分ひとりでも音楽製作が出来る時代なので、どうしても家に篭ってしまいがちですけど、人に聞いたら一瞬で解決することってたくさんあるんですよ。だから、今回のような場にぜひ見に来て欲しい。解決すれば次のステップに進めますからね。 気づくか気づかないか、ってすごく重要で。それに気づいただけで違う世界に行けるんだけど、自分だけで解決しようとして止まってしまう。それではもったいないなと思いますよ。技は実際に見たり聞いたりしてどんどん盗んでいったらいいんです。そこから自分流に昇華する。そのほうが楽しいですしね。

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