■Mercury MAGNETICS
Copper-Tone HD
「頃合い良い」と言う表現力
Fender社から近年販売されていたカスタムショップ製ギターアンプ「The Edge Deluxe」。この12wattモデルに採用されていた電源トランスがここのMercury MAGNETICS社製のトランスでした。
この電源トランスによって、現代に生産された新品のアンプであっても当時のヴィンテージに使用されている電源トランスの様な張り出しの良い明瞭なトーンが得られます。ここはディレイ・マスターのモデルのポイントとして最たるものでしょう。
さて、冒頭から話しが脱線する手法はこのぐらいにして、この赤い電源ケーブル、非常に丁度良い感じです。
機材向けの高級ケーブルをギターアンプに使用した際に、何をもって良しとするのかの落としどころが生じてしまいます。
とにかく「まっ平な音にしてエフェクターが綺麗にかかる」様にするのか、「あえて十分な電気を喰わせて中音は歌を喰わない様にして外音はPAがやり易い様に情報量たっぷりで送ってあげる」様にするのか、「高いケーブルを使っている満足感」なのか否か。
このCopper-Tone HD、それほどにはアンプのレンジ感、EQ感は変わりません。このケーブルの良い所は、予定外に音の面が広くならず、そのまま「身詰まり」が良くなります。
バンドで音が混ざった中で、ぐっと膝に力を入れて頑張ってくれている様なガッツを音に感じる事が出来ます。
電源ケーブルも選び方には十人十色で各々に好みがあり、目的によっても目線が異なります。気にしない方には無縁の世界ですね。
その無縁派の方々にこそこのCopper-Tone HDをお勧めしたいと思っています。
「おぅ、ちゃんとしてんじゃん、電源。」って言われてみたいと思いませんか?