■ギターと弦の相性
~Fender Jazzmaster~
Jazzmasterのトレモロアームユニットテールピースとロングスケールが2つ組み合わさった構造上で、致し方が無くテールピース側で1、2弦が切れてしまうって言うお話しです。
画像:右が使用前、左が使用直後(アーニーボールスリンキー:011-048の1弦)
Jazzmasterは、テールピースからブリッジへの弦の角度がゆるく、ほぼ直線的にペグが弦を引っ張ります。ボールエンドにほぼダイレクトに負荷がかかる。これが原因です。
と言っても起きる確率は凄い低いのですが、画像の様にボールエンドの巻き付けが製造ロッドによってほどけてしまう事が報告されており、これは現行品ではほぼ起きず、概ねヴィンテージで起きる為、昔から「ジャズマスあるある」として世界の共通の話題になっています。
これを始めから完全に防ぐには、ボールエンドの巻き付け部分をハンダ付けするのがいにしえの対象方法になります。または、ネックの角度を若干付けてブリッジが上がる様にし、ここにテンションがかかる様にするのも効果ありだそうです。
そんな訳で、フェンダーさんも知ってか知らずか、販売しているギターモデルに対してちゃんと問題にならない様な仕様で自社から弦をリリースしている訳なんです。
それがSuper Bulletsシリーズ。ブレットエンドと言う仕様にしており、ほどけない仕様になっています。
ストラトなんかのシンクロナイズドユニットの弦の固定部分によりフィットする事で、アームアップダウン時のチューニングが狂う確率を落とす事と、ユニットへの弦振動を増やす事でギターの鳴りを向上させるだけじゃなく、こっそりと特定モデルの構造上の相性問題解消を行っていたなんて、実に憎たらしい(愛を持って)。
アーニーボールではRPSシリーズがこのユニットや同問題への対応モデルになってます。ボールエンド部にブラス・ワイアーをタイトに巻きつけたツイスト・ロック構造って言うやつですね。
現在、この2社以外では(恐らく、多分)無かったと思います。(あったらすいません)
ヴィンテージJazzmasterだけでなく、「なんかこのギターだけ、よくボールエンドが抜け落ちる感じですぐ弦切れちゃうな~」って言う方はSuper BulletsかRPSをお試しください。
ご参考まで。