『第一印象から決めてました』 第15回 ザ・ポールを知ろう


こんにちは、小松崎です。

オールドギターに少しでも興味のある方であれば、ザ・ポールというモデル名をいちどは聞いたことがあるでしょう。
しかし、馴染みやすい価格帯や市場での安定した商品数のわりに、資料の少なさから意外と詳細までは知られていない
ギターではないでしょうか。そこで今回はこの隠れた名作、ザ・ポールシリーズをご紹介していきたいと思います。

皆様の楽器選びの参考にしていただければ幸いでございます!
 
ザ・ポールの歴史
レスポールシリーズの廉価版的な位置付けで1979年より発売開始(*1)されたザ・ポールスタンダードは、ウォルナット(*2)ボディにウォルナットネック、エボニー指板という廉価版にしては豪華過ぎるほどのマテリアルを誇っておりました。
ピックアップも発売初期からレギュラーモデルと同様のものが搭載されておりました。ヘッド部には当初、デカールロゴが採用されておりましたが、1981年より焼印押し(ファイアーブランド)のロゴが採用されるようになります(*3)。
ウォルナット材の美しい木目を生かしたナチュラルカラーがレギュラーカラーとなります。このザ・ポールスタンダードは、1982年に生産完了となります。
スタンダードと並行して1980年にはマホガニーボディにマホガニーネック、エボニー指板という仕様のザ・ポールデラックスが発売されました。発売されてから間もなく、リアピックアップは他のバリエーションモデルと同様に、ベルベットブリック(*4)が搭載されることが多くなったようです。スタンダードモデルと同様にナチュラルカラーがレギュラーカラーでしたが、1985年にはエボニーカラーとワインレッドカラーが登場します。こちらは1986年に生産完了となります。
廉価に似合わぬ良質のマテリアルや、ストレートなロック向きの中音域豊かなサウンドキャラクター、使いやすい形ゆえに、カスタマイズ用ベースとして使用されることが多く、現在市場に出てくるとほぼ、各オーナー好みのパーツ交換が施されているようなモデルでございます。
 
それでは、細かく見ていきましょう。
 
ロゴ
スタンダードとデラックスともにデカールロゴが採用されておりましたが、スタンダードモデルは81年5月頃より焼印押し(ファイアーブランド)ロゴが採用されるようになります。
デカールロゴ
焼印押し(ファイアーブランド)ロゴ
デカールロゴ
焼印押し(ファイアーブランド)ロゴ
尚、デラックスでは『FIREBRAND』と表記される
トラスロッドカバーが使用されることが多いのですが
実際にデラックスにおいて焼印押しロゴのものは
生産されていなかったようです。
ロッドカバー
 
ペグ
ペグ
基本的にはグローバーペグが標準装備となります。
チューニングの安定感が魅力ですね。
 
指板
ギブソンではレスポールモデルの上位機種の
レスポールカスタムがエボニー指板を標準採用している
ことで有名ですが、ザ・ポールはスタンダード、デラックス
ともにバインディングなしのエボニー指板が
採用されております。
 
ネック・ボディ
最大の特徴であるネック・ボディ材は、スタンダードがウォルナット、デラックスはマホガニーが採用されております。サラサラした質感のサテンフィニッシュが標準仕様となりますが、他のギブソンバリエーションモデルと同様に、後年には鏡面仕上げのグロスフィニッシュを採用している個体も確認されるようになります。(*5)
▼ スタンダード ▼
▼ デラックス ▼
 
ピックアップ
スタンダード、デラックスともにギブソン製ハムバッキング
ピックアップ(*6)が標準装備されております。

81年頃には、リアピックアップにベルベットブリックが
搭載されているモデルが見られるようになります。
ベルベットブリック
 
コントロール
レスポールモデルと同様に、2ボリューム2トーンという
4つのノブがボディ右側に配置されております。
そしてピックアップセレクタースイッチは
レスポールモデルと異なり、ご覧のとおりテールピース右側、
非常に近い部分に配置されております。
ピッキングポジションからとても手の届きやすい位置
ということになりますね。
キャビティ内にコントロール類がすべて収まる配置
となっております。
 
レアカラー
ナチュラルカラーが基本スペックのザ・ポールシリーズですが、やはり出てきましたレアカラー!今回ご紹介のもの以外にも魅力的なカラーが多数確認されております。
メタリックブルー
メタリックブルー

正式なカラー名は不明ですが、
めったにお目にかかれないスーパーレアカラー!
キャビティ内に『BLUE』の表記がございます。
ペルハムブルーとはまた違った色あいの
メタリックカラーとなっております。
ペルハムブルー

古くから各モデルで採用されているカスタムカラーです。
やはりザ・ポールにもありました!
経年変化で緑色のように変色していくのが特徴です。
ペルハムブルー
カージナルレッド
カージナルレッド

レッド系の人気カスタムカラーです。
パステル調の明るいレッドが魅力ですね。
市場でもあまり見かけないレアなカラーですよ。
それでは、厳選のザ・ポールシリーズをご覧下さい。

The Paul Standard ’79 NAT
The Paul Standard ’79 NAT
税込定価 \SOLD
 


The Paul Standard ’81 NAT
The Paul Standard ’81 NAT
税込定価 \SOLD
 


The Paul Deluxe ’81 CRD
The Paul Deluxe ’81 CRD
税込定価 \SOLD
 


The Paul Deluxe ’81 BLUE
The Paul Deluxe ’81 BLUE
税込定価 \SOLD


The Paul Deluxe ’82 NAT
The Paul Deluxe ’82 NAT
税込定価 \SOLD


いかがでしたでしたか?
実はクオリティの高いギターであることがお分かりいただけたと思います。
実戦向けに使用される頻度が高いのもうなずけますよね。

お好みでカスタマイズを施すのもよし、そのままの仕様でオールド感を楽しむのもよし、
是非とも使っていただきたいギターでございます。

もちろん、当店ではカスタマイズのご相談も承っておりますよ。
お問い合わせはハートマンギターズスタッフまで。
 
(*1)ザ・ポールスタンダードは、実際には1978年から生産されており、78年製のシリアルナンバーの個体も多数存在します。
(*2)日本ではクルミと呼ばれる高級木材。その木目の美しさから、高級家具や装飾品に用いられることが多いのです。ボディ材に使用すると比較的ドライで暖かいサウンドが特徴となっております。
(*3)それによりザ・ポールモデル自体が通称『ザ・ポールファイアーブランド』と呼ばれることもあります。
(*4)ベルベットブリックは主に『The』シリーズ(ザ・SG等)に採用された高出力のピックアップです。
(*5)ザ・ポールシリーズにおいては、80年以降にグロスフィニッシュ仕様が多く確認されるようになります。
(*6)この時期のギブソンハムバッキングピックアップは、ボビン上部にT字のマークが確認できることから、通称「Tトップナンバード」と呼ばれることが多いのです。