『Victory Bass（ヴィクトリーベース）』のカタログ登場は1981年。カラマズー工場で設計され、新しいナッシュビル工場にて生産されました。1ピックアップ／パッシヴ仕様の「Standard（スタンダード）」、2ピックアップ／アクティヴ仕様の「Artist（アーティスト）」の2ラインナップに、後に2ピックアップ／パッシヴ仕様の「Custom（カスタム）」が追加されます。サンダーバードスタイルのヘッドストックを持ちつつもそれ以前のギブソンベースとは異なり、非対称のボディにメイプルネックのデタッチャブル構造といった、F社のPスタイルに対抗するような仕様を持ちますが、残念ながら1985年には生産完了と、短命に終わりました。

今回入荷は1982年生産のパッシヴ仕様『Victory Bass Standard』、キャンディアップルレッドカラーが美しい1本です。

【ボディ】
全体重量は約5.0kg。ボディ材はメイプル。少しシャープに感じられる非対称ボディシェイプに特徴的なピックガードが、メタリックレッドと相まってとてもかっこいいです。ウェザーチェック、打痕等キズ、金属パーツのくすみはみられますが、比較的きれいなコンディションといえるでしょう。

【ネック】
ネック材は3ピースメイプル、34インチスケールが採用されています。サンダーバードスタイルのヘッドストックがギブソンを感じさせてくれます。チューナーの巻きはスムースでしっかり機能してくれます。フレット／ナットは若干の減りはみられるもののプレイアビリティは良好です。ナットはブラス製、幅は43.5mm。比較的すっきりとしたネックシェイプが特徴です。

【電装系】
ヴィクトリーベース用にTim Shaw（ティム・ショウ）によって開発された専用ピックアップは、シングルコイルのようなトーンを持ちつつハムバッキング機能を備えたモデル。ミニスイッチはハムバッキングピックアップのシリーズ／パラレル切り替えとなります。ミニスイッチは新しいものに交換済みです。きれいな輪郭とトーンのバランス感に優れたサウンドが魅力です。

ハードケース付属