band HANADA / 2017年12月15日(金)@秋葉原CLUB GOODMAN
※こちらの記事は2018年1月11日掲載のコンテンツを再編集の上公開しております。

2017年12月15日(金)、THE ROOSTERS(ザ・ルースターズ)の中心メンバーである花田裕之と井上富雄を擁する「band HANADA」によるワンマンライブ「Live ROADSIDE」が秋葉原CLUB GOODMANにて開催された。
band HANADA are
花田裕之・・・THE ROOSTERS / ROCK’N ROLL GYPSIES
井上富雄・・・THE ROOSTERS / 布袋寅泰 / Blue Tonic / etc
大西ツル・・・Tsuru and The SisterRay / etc
椎野恭一・・・Magnolia / UA / AJICO / etc
秋葉原CLUB GOODMANでのワンマンライブは、2015年8月9日以来2年4ヶ月ぶり。2017年4月1日に発売された、現体制では初のスタジオ録音録音盤「ROADSIDE」を引っさげてのステージは、約2時間ほぼノンストップという濃密なものになった。今回は全メンバーの使用機材とともに当日のライブレポートをお届けする。


【花田裕之(Vocal / Guitar)】
SEが響くといつも通りにメンバーたちが登場。特にMCもないまま、花田裕之は1990年代前半に衝動的に購入したという愛用のGibson ’62 ES-335を手にし、枯れた声でラフに歌いはじめる。まさに「いつも通り」のステージングながら要所でギターソロを響かせ、それに呼応するように会場の熱は静かに高まっていく。ちなみに前回のワンマンライブでは山口冨士夫がかつて使用していたというGibson Firebirdでのステージだったが、今回は年月が経つにつれて枯れたサウンドがより増したGibson ES-335の1本のみ。年月を経て、よりブルージーに、よりロックンロールに成長していく音色にオーディエンスも聴き惚れていた。
足元には、クリーン・ブースターの定番モデルであるMXR M133 Micro Amp、そして通称「ロング・テイル」と呼ばれる初期型のKLON CENTAURという組み合わせ。現在では廃番となっているFender The Twin(通称Red Knob Twin ※会場機材)の真空管によるサウンドとGibson ES-335との組み合わせも相まって、より柔らかく温かみを感じるサウンドが前に出ている印象だ。シンプルなセッティングながら、比較的ローゲインで音のまとまりのある温かみあるKLON CENTAURと、枯れたサウンドのGibson ES-335の良さを最大限に引き出していた。


KLON CENTAUR
peterson STROBO STOMP 2
Free The Tone PT-3D DC POWER SUPPLY




【井上富雄(Bass)】
THE ROOSTERS時代から花田の盟友である井上富雄の機材周りは、漢のシンプル・セッティング。なんとエフェクター無し(ヘッドクリップ・チューナー使用の為、完全にアンプ直)という潔さで、Provision GuitarのJBタイプ(本人オリジナルと思われる)によるグルーヴィンなサウンドを出力。歌に寄り添うフレーズでありつつ、しっかりと背中を押す低音の響きはこの新しいJBタイプベースになったことでより増したようだ。



※エフェクター無し

【大西ツル(Guitar)】
ヴィンテージのFender Telecaster(シリアルNo.34923)をメインとした大西ツルのセッティングは、比較的多めにセッティングされた空間系エフェクターの乗りが抜群だ。こちらもいい具合に枯れたサウンドで、花田のGibson ES-335のブルージーなサウンドとのマッチングが絶妙。バッキングとソロともに存在感のある音色を発揮していた。余談だがリハーサル中に、初見では扱いが難しいと言われるGroove Tubes Soul O-75の真空管アンプ・サウンドをさらりと絶妙なポイントへセッティングしていた姿にスタッフ陣は驚いていた。



BOSS RE-20 Space Echo
Demeter TRM-1 Tremulator
Electro-Harmonix Small Stone 【Phase Shifter】
BOSS CE-3 【Chorus】
Fulltone FULL-DRIVE 2
Fulltone Ultimate Octave
Dunlop (Jim Dunlop) Crybaby IK95 “IKEBE 40th Anniversary”



【椎野恭一(Drums)】
椎野恭一のセッティングは、エンドースでもあるGRETSCH USA-Custom Series Vintage Kitの3点セットに、Slingerlandスネア、AGEAN Special Jazzシリーズ・シンバルという組み合わせ。上品で深みのあるサウンドが特徴のドラムセットはジャズに最適なサイズで、それらに合わせるようにセッティングされたAGEAN Special Jazzシリーズがより深みと彩りを加えていた。

LERNI HICKORY STANDARD SERIES H-140SW







合間に「ありがとう」と挟む程度でMCがほぼ無く進んだワンマンライブは、前回に比べてよりブルージーに進化したバンドサウンド。今回はそれぞれの機材を紐解くことでサウンドの秘密が分かるという驚くセッティングだったように思う。セットリストは、Neil YoungやChuck Berryのカバーなどを織り交ぜつつ、新譜「ROADSIDE」の楽曲は全て披露という贅沢なもの。サウンドに関しては、セッティングの違いはあるが前回に比べてラウドな要素は少なくなった分、それぞれの存在感が際立っており、1つ1つの音をより楽しめる濃密な約2時間だった。次回はどのくらい深みを増したサウンドと歌声を聴かせてくれるのか、またサウンドの秘密を機材から紐解くのも合わせて今から次が非常に楽しみになるワンマンライブだった。




<SET LIST>
- 見はなされた夜
- Don’t Cry No Tears
- ひとつ
- TALKIN’ ‘BOUT YOU
- ガラガラ ゴロゴロ
- 遠くまで
- 二人なら
- rumblin lovers
- 路地裏のブルース
- あの頃さ
- Cinnamon Girl
- 渡るしか
- SADNESS CITY
- Free
- お天道さま
EN01. 根無し草
EN02. rollin on

ROADSIDE / band HANADA
- 遠くまで
- ガラガラ ゴロゴロ
- あの頃さ
- 渡るしか
- 二人なら
- お天道さま
- 根無し草
All songs written by Hiroyuki Hanada
2017年4月1日発売
HANAYA RECORDS BH93205513 17・04
©2017 HIROYUKI HANADA, MANUFACTURED AND DISTRIBUTED BY HANAYA RECORDS, JAPAN. STEREO