1954年に発表され、現在に至るまで生産されてきた名機ストラトキャスター!
その長い歴史において様々な仕様変更を繰り返しながら、
世の中に多種多様のモデルを排出してきたFenderの看板ともいえるモデルです。
一口にストラトキャスターといってもビンテージ・スペックのモデルや、モダンな仕様を持ったモデル等、様々なスタイルがありますが、
今回はフェンダー・カスタム・ショップのタイムマシーン・シリーズ56、60、64、69ストラトキャスターにスポットを当て、
各仕様をクローズアップし、比較していきたいと思います。
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<SPEC>
Body : Select Alder
Neck : Maple 1 Piece , 10/56 Boat Neck
Fingerboard : Maple , 7.25Radius
Frets : 21F , Vintage
Tuners : Vintage
Pickguard : 1-Ply White
PU : 3 Custom 50s Single Coil
Controls : 1 Volume , 2 Tone (Front , Middle)
SW : 3-Way
Bridge : American Vintage Synchronized Tremolo
Neck Finish : Nitrocellulose Lacquer
Body Finish : Nitrocellulose Lacquer
HC : Tweed Hard Case
  アッシュボディに1ピースメイプルネックという仕様'で54年に発表されたストラトキャスターは、56年になるとブロンドカラーを除き、ボディ材はアルダーへと変更されます。

56年の仕様を再現した本機では、非常に薄い塗膜により抜群の鳴りを引き出す事で好評のニトロセルロース・ラッカーフィニッシュ(2カラー・サンバースト)が施された厳選のアルダー2ピース材が採用されています。58年頃には3カラー・サンバーストへとカラー変更が行われるので、この2カラー・サンバーストも50年代中期頃の特徴的なポイントの一つですね。

 

当時の楽器に見られた、ボディバックにある冶具後までも再現している点も見逃せません。
1ピースのメイプルネックにも同様にニトロセルロース・ラッカーにてフィニッシュされております。
 

 

 

この時期のメイプル1ピースネックは、ネックバックのスカンク・ストライプと呼ばれるトラスロッドの埋め木部と、ヘッドに見られるブラウンエッグと呼ばれる埋め木部が特徴です。

指板とネックが一体化した1ピースネックでは、トラスロッドはネック裏より仕込まれ、ウォルナット材で埋木されます。その跡がこのスカンク・ストライプやブラウンエッグと呼ばれる特徴的な外観として残るわけです。

ヘッドストックのブランドロゴ・デカールはスパゲティー・ロゴ、パテントナンバーはなく、Fender の文字の下に小さな文字でWith Synchronized Tremoloと書かれています。

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ピックガードは50年代モデルの特徴的な仕様でもある、1プライホワイト。8本の木ネジによってボディにマウントされております。
 
  メイプル指板ですので、ブラックのポジションマークとなっております。

 

ピックアップにはカスタムショップにてワイヤリングされたブラックボビンの50'sシングルコイル・ピックアップをマウント、アルダーボディの豊かな鳴りとメイプル1ピースネック&指板特有の粒立ちの良いサウンドを出力致します。  

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<SPEC>
Body : Select Alder
Neck : Maple , Early 60s C-Shape
Fingerboard : Rosewood(SLAB) , 7.25Radius
Frets : 21F , VintageTuners : Vintage
Pickguard : 3-Ply Mint Green
PU : 3 Custom 60s Single Coil
Controls : 1 Volume , 2 Tone (Front , Middle)
SW : 3-Way
Bridge : American Vintage Synchronized Tremolo
Neck Finish : Nitrocellulose Lacquer
Body Finish : Nitrocellulose Lacquer
HC : Brown Torex Case
1958年に入ると、それまで2カラー・サンバーストであったボディカラーは中間に赤味の入った3カラーサンバーストへと変更となります。  

 

 

'59年頃、メイプルの1ピースであったネックはメイプルネックプラス、ローズウッド(指板)へと仕様変更します。

59年頃〜62年頃のローズウッド指板はローズウッドとネックの接着面が平らで、通称スラブボードと呼ばれております。
平らな接着面により、ローズウッドの質量が多いのも、この時期の特徴ですね。

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本機は今なお根強い人気を誇るそのスラブ時期のストラトキャスターを再現したモデルで、厳選されたアルダーボディは3カラー・サンバーストでフィニッシュ。
勿論ネック、ボディ共にニトロセルロース・ラッカーを使用しておりますので、経年変化や弾き込む事での鳴りの向上、と育てていく楽しみもありますね。
 
  そしてこの時期の特徴としてミントグリーンのピックガードが挙げられます。
このミントグリーンのピックガード、当時は白、黒、白の3プライのピックガード材が経年変化により焼け、中間の黒い部分が透けて交じる事によってミントグリーンに見える事からグリーンガード等と呼ばれ、60年代初期の特徴的なポイントとなっております。
ピックガードをマウントする木ネジは11本に変更されます。

Cシェイプにて仕上げられたネックにはローズウッド指板がスラブ貼りにて接着されております。
このスラブ期のネックグリップは比較的スリムなタイプになっており、ポジションマークはクレイドットと呼ばれるものが使用され、CBSにフェンダー社が売却される64年頃までの仕様となっております。

 

トラスロッドは指板側から仕込まれる方式となったため(蓋の役目は指板がはたす)、 メイプル1ピースネックにあったスカンク・ストライプとブラウンエッグはなくなっております。

ヘッドロゴは56年に引き続きスパゲティーロゴとなっております。

 
  ピックアップにはカスタムショップにてワイヤリングされたブラックボビンの60'sシングルコイル・ピックアップをマウント、サウンドは厚みのあるローズウッド指板により、ミッドローのより張り出た暖かみのあるサウンド出力します。
今回ご紹介のモデル中でも一番太めのサウンドキャラクターとなります

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<SPEC>
Body : Select Alder
Neck : Maple , Mid 60s C-Shape
Fingerboard : Rosewood(Round) , 7.25Radius
Frets : 21F , Vintage
Tuners : Vintage
Pickguard : 3-Ply Whiten
PU : 3 Fat 50s Single Coil
Controls : 1 Volume , 2 Tone (Front , Middle)
SW : 5-Way
Bridge : American Vintage Synchronized Tremolo
Neck Finish : Nitrocellulose Lacquer
Body Finish : Nitrocellulose Lacquer
HC : White Torex Case
  カスタムショップのレギュラーラインには存在しない64年仕様のストラトキャスターです。
こちらはチームビルドにて限定生産されたリミテッドモデルとなります。
指板はローズウッドですが、60モデルとは異なりネックとの接着面が平らではなく、アールを持った"ラウンド貼り"といわれる仕様です。当時の変更は、ネックの強度を考慮してのものと言われていますね。
ヘッドデカールはスパゲティーロゴとなっておりますので、65だとトランジション・ロゴとなるので、太めのグリップのスパロゴという点は待っていた方も多いのでは?という仕様ですね。
Fnederロゴの下にはWith Synchronized Tremoloと3つのパテントナンバーが入ったもので62年頃から64年頃までの仕様となります。

※画像にマウスカーソルを置くとローズネックモデルの画像をご覧いただけます。
 
  そして63年〜64年のモデルは太めのネックグリップとなっていますので、握り応えのあるネックとして人気のある年代でもあります。
本機もしっかりとしたネックグリップを体感する事が出来ます。
ポジションマークも引き続きクレイドットを採用しておりますが、12フレットのポジションマークの間隔が狭くなっているのも、63後期〜64年の特徴的な仕様です。
以降はトランジション・ロゴに変更されるので、ブランド・ロゴだけでも、大分雰囲気が変わりますね。

3カラー・サンバーストのアルダーボディはニトロセルロース・ラッカーにて仕上げられている等、スラブ時期から引き続いての仕様となっておりますが、ピックガードはホワイトの3プライを使用しております。
通常3プライのホワイトガードは65年からの仕様と言われていますが、本機は64年という過渡期の仕様という事で、あえてホワイト3プライを使用したマニアックな仕上がりとなっております。
ピックガードのマウントビスは11本ですが、センターピックアップ上部の1本だけ、位置が変更されています。
低音弦側のフロントPUとセンターPUの間のビス位置が変わります。

 
  そして心臓部となるピックアップには60'sのシングルコイルではなく、あえてFat 50'sを搭載する事で、よりビンテージライクなサウンドを意識しております。
アルダー&ローズの組み合わせながら、ラウンド貼りのローズウッド指板により、暖かみのある中にもジャリっとメリハリの効いたサウンドが心地良いですね。
ビンテージでも、太めのグリップとメリハリの効いたサウンドで人気の年代でもあります。

<SPEC>
Body : Select Alder
Neck : Maple , U-Shape
Fingerboard : Rosewood(Round) or Maple(Round) , 7.25Radius
Frets : 21F , Vintage
Tuners : Vintage
Pickguard : 3-Ply White
PU : 3 Custom 69 Single Coil
Controls : 1 Volume , 2 Tone (Front , Middle)
SW : 3-Way
Bridge : American Vintage Synchronized Tremolo
Neck Finish : Polyurethane
Body Finish : Nitrocellulose Lacquer
HC : Black Torex Case
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69年仕様のストラトキャスターです。
こちらはCBSにフェンダー社が売却された後のモデルで、ルックスや仕様等が大きく変化しております。
まず目を惹くのが大きくなったヘッドストック!ラージヘッドは66年頃からの仕様で、今なおラージヘッドのストラトキャスターが好きという方も多い、人気のある仕様です。
68年頃からペグにはFenderのFの刻印が入った、通称Fキーと呼ばれるペグが採用され、ラージヘッドとあいまって堂々とした印象のルックスとなっております。
ヘッドデカールは黒文字に金縁のモダンロゴでモデル名の文字も大きくなり、スパゲティーロゴ期とは異なる雰囲気を醸し出します。パテントナンバーは2つですね。

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  そして59年頃のローズウッド指板への仕様変更後、しばらく生産中止となっていたメイプル指板が67年頃から復活し始めます。
しかし1ピースメイプルネックというわけではなく、ローズウッドの様にラミネートされており、貼りメイプルと呼ばれますね。
ラミネート方法はローズ指板と同じくラウンド貼りでした。

※画像にマウスカーソルを置くとローズネックモデルの画像をご覧いただけます。

 

ドットポジションもプリCBS期のものと異なり、ローズ指板にはクレイドットからパーロイドを使用したポジションマークへと65年頃から変更され、12Fのマーク間隔は狭くなっております。
メイプル指板はお馴染みのブラックのポジションマークです。

※画像にマウスカーソルを置くとローズネックモデルの画像をご覧いただけます。
 

 

  フィニッシュにも変化が訪れます。一貫して採用されていたニトロセルロース・ラッカーからポリウレタン塗装が68年頃から登場し始めます。
ネックとボディーの下地にポリウレタン塗装を使用し、ラッカー期の頃よりも艶やかな印象となります。
ポリウレタン塗装と言うと、ラッカーより塗膜が厚く、鳴りが落ちるという意見もしばしば耳にしますが、確かにラッカーに比べれば厚く、硬い塗装ではありますが、しっかりとした塗膜を施す事ににより、傷等に強いのはもちろんですが、様々な環境でのプレイにおいて安定した楽器コンディションを保つ事が出来る点のメリットがあり、フェンダーのミュージシャンモデル(クラプトンモデルやジェフ・ベックモデル等)にも多く採用されているフィニッシュですね。
ピックガードは3プライのホワイトで、マウントビスは11本。

※画像にマウスカーソルを置くとローズネックモデルの画像をご覧いただけます。

 

65年頃からボビン底面のファイバー紙が黒からグレーに変わった事でそう呼ばれる、"グレイボビン"ピックアップがマウントされます。

本機にはカスタムショップでワインドされたCustom 69 Single Coilをマウント。勿論グレーボビンにて再現されております。

※画像にマウスカーソルを置くとローズネックモデルの画像をご覧いただけます。

 

 

ポリウレタン塗装のしっかりとした塗膜によりタイトに締まり、グレイボビン期の若干硬質なサウンドが特徴的なモデルです。
ドライブ時にもメリハリの効いたサウンドを出力し、ラージヘッド期のストラトキャスターを好んで使用するアーティストも多いため、影響を受けた方も少なくないはずです。
ローズウッド指板とメイプル指板を選べる点も非常に魅力的なポイントですね。