■英国PMC社インタビュー in パワーレック


Andy Duffield氏と。

脚色の無いサウンド。
確かな解像度と音情報。

モニタースピーカーに求められる基本性能を具体的な“音”で聴かせるハイエンド・ブランド、英国PMC社。
モニタースピーカー王国、英国において、現在、最も信頼されているブランドのひとつです。

そんなPMCプロフェッショナル・モニタースピーカー・シリーズの日本唯一の展示店であるパワーレックに、PMC社セールスマネージャー、Andy Duffield / アンディ・ダッフィールドさんがご来店!じっくりお話を伺いました!



PMC社のファーストモデルであり、
フラッグシップモデルである『BB5』。
PMCの創設ストーリーをお聞かせ下さい。
創始者のPeter Thomas / ピーター・トーマスは、大のオーディオファンでした。そしてBBCで働くようになり、スタジオに出入りしているうちに、重大な事実に気付きました。そこには満足の行く性能のスピーカーが無いと。そこで、パートナーのAdrian Loader / エイドリアン・ローダーと共に、ピーターは理想のスピーカー製作をはじめました。様々な試作を重ね、遂に彼らの満足のいくスピーカーが完成しました。そして、その初号機が、いきなりBBCへの納品が決まり、PMC =「Professional Monitor Company」のビジネスがスタートしたのです。その記念すべきモデルが『BB5』です。1990年のことでした。『BB5』は、現在でもPMCのフラッグシップ・モデルとしてラインナップされています。
その後、PMCスピーカーは、英国「Metropolis Mastering Studio」やドイツのクラシックの名門「Grammophon」、そしてSteve WinwoodやBrian May (Queen)、Stievie Wonderといった著名なアーティストに選ばれ、数多くの名盤制作に使用されて来ました。
その後、Hi-Fiオーディオ製品を市場に投入、世界中のコンシューマー・オーディオの顧客からも高い評価を得るようになりました。
現在、PMCの中では、Hi-Fiオーディオ製品群が大きな割合を占めていますが、それでもなお、PMC社のベーシックはプロマーケットにあり、そこで培われた技術やノウハウが我が社の強みとなっています。
そして、創始者であるピーター・トーマスは、現在もなお、陣頭指揮を取り、製品開発を続けています。
PMC社の各製品に採用されている基幹技術、「ATL」についてご紹介下さい。
「ATL(Advanced Transmission Line)」のベーシックは、古くからある「トランスミッション・ライン」理論なのですが、ピーターは、より良いサウンドのモニタースピーカーを作る為に、この「トランスミッション・ライン」が有効であると判断し、多くの「トランスミッション・ライン」を取り入れた試作機の製作を重ねました。その結果、ピーターとエイドリアンは「トランスミッション・ラインに」独自の改良を加え、“より進化したトランスミッション・ライン”=「ATL」を完成させたのです。
例えば、「トランスミッションライン」では、エンクロージャーの内部に長いトンネルを作り、吸音処理するのですが、以前はこの吸音処理にウール(羊毛)を使用していました。「ATL」では、この素材に着目し、特別な吸音材を使用しています。
「ATL」では、その吸音処理の施されたトンネルにより、ドライバーから内部に発生する低域成分をコントロールし、不要な成分を吸収した後、ベントからピュアな低域を放出し、第2のBASSドライバーの様に機能します。
「ATL」の採用により、PMCスピーカーでは、アタックが早く、歪みの無い豊かな低域を得る事に成功しました。
更に、正確な中域の再生も獲得しました。
そして、「ATL」の採用により、PMCスピーカーは、“ボリュームを絞ってもバランスの崩れない”音響特性を実現しました。
この「ATL」は、PMCの基幹技術となっており、全てのPMC製品に搭載されています。
→更なるATL情報はコチラ!
ベーシックモデルの『TB2S AII』、『DB1S-AII』のカタログスペックには、エンクロージャーに“HDF”を採用しているとありますが、一般的な“MDF”と異なる素材なのですか?
“HDF”は、“MDF”と同様の集積木材ですが、“HDF(High Density Fiberboard)”は、“MDF(Medium Density Fiberboard)”よりも高密度な素材となり、より高い剛性を持ちます。
PMCでは、他の製品にも“HDF”を採用しています。

「DS-001」は、『DB1S-A II』、『TB2S-A II』の他、
『IB1S-AII』にも搭載されている。

『DB1S-A II』の背面に装備された
パワーアンプ「DS-001」。
その『TB2S AII』、『DB1S-AII』では、以前のモデルより、パワーアンプが更新されています。当パワーレックでは、以前のモデルも展示販売していたのですが、現行モデルの方が以前のモデルよりも、特に中域の成分に関して豊かになっていると感じます。
パワーアンプに関しては、前モデル『TB2S-A』、『DB1S-A』では日本のフライングモール社製のパワーアンプを採用しており、高い評価を得ておりましたが、そのアンプは、先方の事情により、生産の中止を余儀なくされてしまいました。そこで、自社で『DS-001』というパワーアンプを開発し、『TB2S-AII』、『DB1S-AII』に搭載しています。
アンプの変更に伴い、ネットワークも見直し、更新しました。
結果として、仕様の変更のみならず、音質の向上にも成功しました。
上位モデルのアクティブモニター『AML2』のパワーアンプはいかがでしょう?
『AML2』には、専用のカナダBRYSTON社製パワーアンプを搭載しています。ネットワークもBRYSTON社によるものです。
アクティブ・ニアフィールドモニター『AML2』。
"The AML2s are incredibly useful small speakers with great depth, clarity and volume."
- T Bone Burnett

『AML2』を初めて聴いた時、その圧倒的な再現性の高さ、表現力に感動しました。
多くのプロフェッショナルからも高い評価を頂いています(笑)先の『TB2S AII』、『DB1S-AII』は、元々存在する『TB2』、『DB1』というパッシブ・モデルをベースに、“パワーアンプを載せた”モデルですが、それとは異なり、『AML2』は、設計の段階から、完全に「アクティブモニター( パワードモニター)」として開発、製造されています。
その為、『AML2』は、トータル・バランスに非常に優れています。

PMC社スピーカーのドライバーユニットは自社製なのですか?

『AML2』に採用されている、
“PMC社専用”のソフトドーム・ツィーター。

同じく、特徴的な“専用”フラット・ウーハー。
PMCでは、SEAS社やDYNAUDIO社等々、様々なドライバーユニット供給ブランドに“PMC専用の”ドライバーユニットを製作してもらっています。
PMCでは「このドライバーユニットがあるから、それに則したスピーカーを作る」という“ドライバーユニット先行型”のスピーカーの作り方はしていません。
創業者ピーター・トーマスをはじめとするプロダクト・デザイナーがイメージしたスピーカーを作り上げる為に、様々なパーツを探し、場合によっては新たにパーツを作り、組み上げて行くのです。
ドライバーユニットに関しても、「PMCが欲するドライバーユニット」を 高品位なスピーカー作りをしている信頼のおけるメーカーに製作してもらうのです。
そして、このドライバーユニットは市場では手に入りません。
完全に“PMC専用”なのです。

ドライバーユニットに、
検品の証「checked」の印。
スピーカーの組み上げは英国で行っているのですね?
そうです。非常に時間が掛かりますが、全ての工程を手作業で進めています。
PMCの工場には、ピーター・トーマスがプロトで作った製品の「お手本」があります。その「お手本」に則して、まず、パーツの選別からスタートします。
つまり、「お手本」の数値に適合した値のパーツを選ぶのです。
これは、パーツを組み上げた部材にもいえます。パーツ、そして組み上げた部材が「お手本」の値に則しているか、チェックする為の専任スタッフもいます。
そうした様々なチェック項目を設けることで、全製品を完璧な状態で出荷できるのです。
そして、申し訳ないのですが、そういう理由でどうしてもコストがかかってしまいます(笑)

先にもご紹介頂きましたが、ユーザーリストには、BBCや多くのマスタリングスタジオ、そしてColdplayやMarillion、Francis Rossi(Status Quo)といった多くの大物アーティストが載っています。
他にもPrinceや Elton John、 Kraftwerk、Mick Hucknall (Simply Red) といった多くのアーティストのプライベートスタジオで、『TB2S AII』、その上位モデルの『AML2』や『IB1S』、そしてもちろん、BBCスピーカーである『BB5-A』といった様々なモデルが使用されています。
また、例えばAmy WinehouseやAdeleのヒット作品群は、先述の「Metropolis Mastering Studio」で、『BB5-A』を使用してマスタリングされています。
そして、「タイタニック」をはじめとする、多くのヒット映画の製作にもPMCスピーカーが使用されています。
もちろん、ここ、日本でも多くのプロフェッショナル・スタジオ、アーティスト達にご愛用頂いています。

英国BBCスタジオに設置された
『BB5 XBD-A』。
多くのスピーカーメーカーの中からPMCが選ばれる理由は何でしょうか?
こんなお話があります。
ある著名なスタジオで、PMCスピーカーのデモンストレーションを行いました。
そのスタジオでそれまでに使用していた著名なスピーカーから、PMCスピーカーに切替え、試聴を始めたところ、不意に誰かが椅子を立ち上がりました。
ところが、周りを見ても誰も椅子から立ち上がっていない。
実は、先程まで聴こえていなかった、“録音されていた、椅子から立ち上がる音”がPMCのスピーカーから聴こえていたのです(笑)
皆さんがPMCのスピーカーをパワーレック店頭で試聴する際は、“自分でミックスしたトラック”を持って来ない方が良いかもしれません。
制作/ミックス時に聴こえていなかった様々な音が聴こえ始め、自分がイメージしていたミックスと違うトラックに聴こえてしまう可能性がありますからね(笑)

パワーレック6FフロアでPMCスピーカーを御試聴頂けます。

Andy Duffield氏とスタッフ沼田、そしてPMCスピーカー。

■ATL Technologyについて

line length = wavelength of lowest freq/4
トンネルの長さ = 最低周波数の波長の1/4

これが、ATL(Advanced Transmission Line)におけるトランスミッションラインの長さの方程式です。
PMCの特徴であるATLを有するエンクロージャーは、洗練されたキャビネット、専売のドライバーユニット、そして特許取得の吸音材、その吸音技術により、高次元にデザインされています。
PMCの“発明”である、『ATL Technology』は、長いトンネル(ATL)の終端にベースドライバーが設置されています。このトンネルには、ベースドライバーの背面から放射された高低域、高域を吸収する為に、選定された素材が配置され、効果的に音を減衰させます。そして、最低域は、トンネルを抜け、ドライバーの正面の放射と同じ極性にある大きなベント(空気口)から放出されます。そしてそのベントは、第2のベースドライバーの様に機能します。
ATLにより、ベースドライバーへの空気圧の付加が一定に保たれます。これにより、ベースドライバーの広い周波数に渡るコントロールを助け、更に重要なことに、LF歪を排除します。結果、高低域や中域の輪郭がハーモニック・ディストーションによってマスキングされる事が無く、PMC製品の特徴である“トランスペアレントな中域”、“早く、アタックのあるベース”、“極めて清涼なサウンド”が得られます。
更に、同口径ユニットを使用した通常のバスレフ型、あるいは密閉型のスピーカーよりも、低域はより伸びやかに、より大きくなります。そして、ベースドライバーの負荷が一定であることから、、大音量を必要としない精細なモニタリングや、深夜における作業にも最適な、音量に左右されない周波数特性を実現しました。

DB1のカットモデル。
内部ライン(ATL)の様子、吸音材の様子が判る。
ラインの終端にベント(空気口)が設けられている。 『AML2』の前面に設けられたベント部。

■プライベートスタジオに導入する、PMCモニター

ニアフィールドに、デスクトップに、PMCモニターを導入する。即ち、正確な情報を手に入れる。

AML2

特徴的な165mm(6.5inch)フラットウーハーと34mm(1.3inch)ソフトドームツィーター。
名門、BRYSTON社設計によるパワーアンプ。そしてATLテクノロジー。
全てのパーツと独自の先端技術が極めて高い次元で融合、そして創出される完全なサウンド。
混沌とした音の壁さえも精密に描ききる、最高性能の純アクティブ・ニアフィールドモニター。

生産終了

TB2S-A II

170mm(6.7inch)ウーハーと27mm(1inch)ソフトドームツィーターが産む、余裕のニアフィールドサイズ。
ボーカルの存在感から、プレイヤーの立ち位置まで、情報を余さず伝える信頼のモニタリング・サウンド。

生産終了

DB1S-A II

140mm(5.5inch)ウーハーと27mm(1inch)ソフトドームツィーターから成る、最小PMCパワードモニター。
抜群の定位、奥行きのあるPMCサウンドをデスクトップ上でご利用頂けます。

生産終了


■PMCモニターを表す、9つのキーワード

【ユーザー・リスト】
Brian May (Queen), Stevie Wonder, Elton John, Prince, Coldplay, Marillion, Kraftwerk, Francis Rossi (Status Quo), T Bone Burnett, Mick Hucknall (Simply Red), Steve Winwood, Tony Bennet, John Van Tongeren, Robbie Williams, Tori Amos, Geoff Zanelli, Metropolis Mastering, Close To The Edge Mastering, Saidera Mastering, Sony Mastering, JVC studio Japan, Teldex Studio, Emil Berliner Studio, Dorian Gray Studios, Deutsche Grammophon, DECCA, Dreamworks, BBC, Dolby, DTS...

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池部楽器店 パワーレック

tel.5456-8809

担当:沼田(ヌマタ)
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