世界中のレコーディング・スタジオで活躍する、ドイツの老舗、beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)社のマイクロホン。
beyerdynamic社マイクロホンの特徴のひとつ、“高性能なクラシック・サウンド”が評価されている現場とは?
モダン・レコーディングの現場に大きなヒントを与えるエピソードが詰まったスペシャル・インタビューをお楽しみ下さい!
Perfect sound crafted by hand
1924年創業のドイツ音響機器メーカーbeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)社。
beyerdynamic社の創始者Eugen Beyer氏は、1924年のbeyerdynamic社設立後“真のナチュラルサウンド”を求め、レコーディング機器をより完璧な物にすべく、そのアイディアと情熱を注いで来ました。
そして生まれた1939年の歴史的ダイナミック・マイクロホン『M19b』以降、Beyer氏とbeyerdynamic社のエンジニア達は、更にクリアな、更にピュアなサウンドを求め、マイクロホンの革新を続けて来ました。
今日も、その精神はbeyerdynamic社に受け継がれ、beyerdynamic社の主要なマイクロホン達は、現在も、ドイツ本国のbeyerdynamic社内で、職人達の手により、ハンドメイドで生み出されています。

昨今では『T1』をはじめとする、高性能ヘッドホン・ブランドとしてここ日本でも広く知られる同社のもうひとつの柱、マイクロホン製造。
Musikmesse 2013会場でも、多くのbeyerdynamicマイクロホンが展示されていました!

beyerdynamic社初のマイクロホン『M19』は1939年にリリースされます。
そしてその後、beyerdynamic社は、『M160』(1957年)や、『M88』(1962年)といった、名作マイクロホン群を次々に生み出します。
独自の技術、類まれなる高い品質を持つ製品群は、50~60年代から現在に至るまで、脈々と生産され続け、そして現在も尚、プロ現場の第一線で活躍しています。


ナチュラルに際立つボーカル。新世代ステージ用コンデンサーマイク『TG V96c

2000年代を迎えた現在でも、beyerdynamic社は、小型ボディのマルチパターン・ラージダイアフラム・コンデンサーマイク『MC 840』、新たな機構を搭載したハンドヘルド型リボンマイク(!)『TG V90r』や、プレミアム・クラスのハンドヘルド型コンデンサーマイク『TG V96c』に代表される“TGシリーズ”等、意欲的な新製品を次々と生み出しています。

今回Musikmesse 2013会場にて、ヘッドホンの新製品『DT1350/CC』のお話を伺ったbeyerdynamic社プロダクト&マーケティング・マネージャーKlaus Hanselmann氏に、beyerdynamic社マイクロホンのお話も伺いました!


ダイナミックマイクロホン『M88』(1962-)
現行品番は『M88TG

- beyerdynamicのマイクロホンは非常に幅広いラインナップです。その中からレコーディング現場で良く使われている製品をいくつかご紹介頂けますか?

Klaus Hanselmann氏(以下Klaus):『M88』と『M201』(現行品番『M201TG』)、この2つのダイナミック・マイクはどこのスタジオでも常備しているモデルですね。『M88』は、ギターアンプやベースアンプ、ボーカル、打楽器、管楽器等々、様々な用途に対応できるマイクです。もうひとつの『M201』は、例えば著名エンジニアのスティーブ・アルビニが愛用していますね。

- スティーブ・アルビニですか!大好きです(笑)!スティーブ・アルビニは、どの楽器に『M201』を使用しているのですか?

Klaus:スティーブ・アルビニは、スネアドラムに良く『M201』を使用しています。彼は他にも先の『M88』や『M130』、『M160』をはじめとする多くのbeyerdynamicマイクを所有しています。 『M130』や『M160』といったリボンマイクにも多くの愛用者がいますね。

- 私も『M130』と『M160』を所有しています(笑)

Klaus:そうでしたか!『M130』、『M160』は、SAXやフルートによく使用されますね。それらの木管楽器は、コンデンサーマイクで録音すると、シャープになり過ぎる事があるのです。そうした際、これらのリボンマイクを使用することにより、非常にウォームでリッチなサウンドになります。特に『M160』はSAXに非常に良く合いますよ!
この2つのマイクロホン、単一指向の『M160』と双指向の『M130』を両方持っているのであれば、同時に使用してMSステレオ・マイクとして使用すると良いですよ。このMSステレオのサウンドは、本当に素晴らしい!そしてこの『M130』と『M160』、2つのリボンマイクによるMSステレオ・マイキングは、ドラムのオーバーヘッドにも最適ですよ!

- ドラムのオーバーヘッドでリボンマイク、しかもMSですか!

Klaus:ドラムのオーバーヘッドでは、コンデンサーマイクで収録する際、先の木管楽器と同じ様な問題、“シャープになりすぎ、擦音が目立ち過ぎてしまう”事があるのですね。リボンマイクではそうした問題が起こりません。
更に、『M160』には3~4kHz付近に軽いピークがあり、これが、ドラムのオーバーヘッドで埋もれがちになるスネアドラムに良いプレゼンスを与えるのです。
そしてMSステレオ・セッティングはドラムのオーバーヘッドに非常に有効ですよ。セットの広がりをコントロール出来ますし。
1点、リボンマイクを使用する際は、質の良いマイクプリアンプをご利用下さい。パッシブ回路のリボンマイクは出力が小さく、音量を上げると必然的にノイズも大きくなりますので、セルフノイズの少ない、ゲインが大きくかせげる高品質なマイクプリアンプをご利用下さい。


ダイナミックマイクロホン『M99

- アドバイスありがとうございます!他にオススメのマイクはございますか?

Klaus:この『M99』は、オススメですよ!『M99』は、バスドラムや声の収録に使用するマイクなのですが、ベースアンプのキャビネットにも最高に合いますよ!この『M99』は、ニュートラルな高域と、ナチュラルな近接効果を持っており、ベースアンプからの情報を全て捕らえます。したがって、後からのEQ補正も非常に行い易いのです。(※Klausさんは、何本ものベースを所有するベーシストでもあるのです!)
実際に、ドイツ国内のいくつかのレコーディングスタジオやベースプレイヤーは『M99』をベース・キャビネットに立てていますよ!『M99』は、あまり知られていないマイクですが、これは是非、試して頂きたいマイクです!


コンデンサーマイクロホン『MC840

- 有益な情報をありがとうございます!beyerdynamic社のコンデンサーマイクはいかがですか?

Klaus:beyerdynamicの代表的なコンデンサーマイク、『MC840』はとても良いマイクです。『MC840』は、5つの指向性、3つのローカットを装備したラージダイアフラム・カプセルのコンデンサーマイクロホンです。『MC840』は、ボーカルはもちろん、ストリングスの収録によく使用されていますよ。

- この『MC840』は、その大き過ぎないサイズも手伝い、様々に応用が出来そうな非常に扱い易いサウンドを持っていますよね。

Klaus:そうです。そして『MC840』は、Mede in Germanyです。カプセルはもちろん、全てのパーツをbeyerdynamic自社内で製造しています。『MC840』の優れたサウンドを聴いて頂ければ、そのクラフトマン・シップを十分に感じて頂けるかと思います!


ハンドクラフトで製造される『MC840』の高精度カプセル。

クラウスさん、ありがとうございました!

M160 ダブルリボン・マイクロホン
1957年の初出当時から変わらぬスタイルでその道を歩み続ける名作リボンマイクロホン。
通常のリボンマイクでは構造上双指向となる指向性を、フロントからのみとする独自構造、リボンマイクの特徴でもある鋭角的な指向性、そしてダブルリボン構造が、より幅広いシーンでリボンマイク特有のナチュラルサウンドを利用可能にしている。

TG V90r
ハンドヘルド・リボンマイクロホン

beyerdynamic社の得意とする、フロントアドレス・タイプのステージ用ボーカル・リボン・マイクロホン。ボーカル・パフォーマンスに最適化された、ダイナミック型やコンデンサー型とは異なるリボン・マイクならではのナチュラルな表現力が、ボーカリストのパフォーマンスをピュアに表現します。

スティーブ・アルビニ(Steve Albini)
Nirvana、Pixies、The Wedding Presentsといったバンド達の“はりつめた時代の空気感”をパッケージングしたアルバム制作から、The Stooges、Robert Plant等の大物達の作品作りにまで関わる名エンジニア/プロデューサーとして、そしてBig Black、Schellacといったユニットでの “ヒリヒリとする鋭角的なサウンド”が特徴となる自身の音楽活動で知られる米国出身の音楽家。
自身の所有するレコーディング・スタジオ「Electrical Audio」は、アナログ機器をメインに据えたスタイルで、その特徴的な機器のランナップでも知られる。日本からもBoris、Zeni Geva、Art-School等、多くのバンドがその“アルビニ印のサウンド”を求め、渡米している。

M201TG ダイナミック・マイクロホン
この形、ペンシル型マイクロホンとしては、コンデンサータイプが想起されるが、こちらはれっきとした「ダイナミック型」マイクロホン。その高い耐音圧、低いノイズレベルが活かされ、本文中のS.アルビニの様にスネアドラムやオーバートップ等によく使用される。A.ギターの“耳に痛い”サウンドを回避する為に使用されることも。
指向性:ハイパーカーディオイド

beyerdynamic M/S Stereo set Limited Edition 2007
2007年にその誕生50周年(!)を記念して作られた、特別なアニバーサリー・モデル。
1957年発売当初のシルバー・ボディに身を包み、「1957-2007」の刻印が施された、限定仕様の『M130』と『M160』のセット。世界限定50セットのみ販売されたプレミアム・モデル。

数々の名作が物語る長い歴史。
受け継がれてきた歴史を超えて、
現代にラインナップされる新たなる『TG』
 = Tour Gearシリーズ。

まだまだ奥深い世界が待っているbeyerdynamic社マイクロホンは、
パワーレック店頭に大量展示中です!
気になったモデルは是非、お試し下さい!

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池部楽器店 パワーレック

tel.03-5456-8809

担当:沼田(ヌマタ)
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