世界が驚愕する音世界~STAXイヤースピーカー  / STAX社訪問レポート2016

2016年現在、欧米の名門メーカーが、ブランド内のトップ銘柄としてとしてリリースし始めている“静電型”ヘッドホン/イヤホン。 そして、その“静電型”(= コンデンサー型)ヘッドホンを「イヤースピーカー」という名称で、1960年台より現在に至るまで、ここ日本で製造を続けてきた世界的トップ・ブランドがあります。

●その名はSTAX(スタックス)。

昭和の天才、故・林 尚武 氏により創出された、STAX「イヤースピーカー」。
熱心なオーディオファンの他、ある限定された層にしか馴染みが無かった、そのブランド。

SR-1■STAX最初期モデル『SR-1』。
これが、世界初の“Electrostatic Ear Speaker”。
SR■90年代に登場したモンスター機、『SR-Ω(オメガ)』。
後の『SR-007』、現在のフラッグシップ機『SR-009』に繋がる当時の最高峰モデル。

NHKをはじめとする、内外の放送局への納入実績。
様々な音響機器ブランドの測定検査セクションへの採用。
そして、数多のシニア・エンジニア達の“個人機材”として導入されてきた事実。

その実力。

立ち上がる音の速さ。
透明な音場に現れる立体的な音像。
それは、文字通りの“正確な”音の再現。
つまりは、“音楽”の再現。

その名のままに、まるで“スピーカーを聴いているかの様な”音場が眼前に広がります。

■STAX最高峰モデル『SR-009』。限られた職人による精緻を極めた“技”から産み出される最高精度の音。

そして、一般的なダイナミック型方式のヘッドホンの高級化が進行する中、あまたと一線を画する静電型の「イヤースピーカー」を提案し続けてきたSTAXの製品群が、以前にも増して脚光を浴びて来ました。

プッシュ・プル方式の静電型=コンデンサー型構造を持つSTAXのイヤースピーカー。

極めて薄い振動膜を精密にエッチング加工された固定電極が挟み込んでいます。

固定電極から振動膜、そして固定電極までのギャップ、各々僅か0.5mm。
そして、振動膜の厚み。
1.xμ(ミクロン)。
製品により値は異なるものの、STAX現行機種全ての振動膜が、1コンマ数ミクロンの厚みをマークしているとのこと! ※1μ/ミクロン(マイクロメートル) = 0.001mm/ミリメートル
その事実を知った業務用マイクロフォンも手がける某大手メーカーの担当者は、その技術力の高さに驚嘆の声を挙げていました。なぜなら、一般的な業務用コンデンサーマイクのダイアフラム厚で、3~6ミクロン。しかも、イヤースピーカーの場合、マイクとは比較にならない、何倍もの大きさの振動膜を成型しているのです!


その“世界が驚愕する技術”が結集するSTAXの製造拠点。

埼玉県富士見市。
2015年に移設された(有)STAX 本社/本社工場。

その中で取り組まれている、「最良」へのつぶさな仕事。

社屋の1階。
出荷を待つ製品達、検品中の完成途上の品、組み立て用パーツ群が整然と並びます。

この風景。

直ぐに梱包できそうなイヤースピーカー本体の組立完了品を、最終段で「エイジング」。
何と、組立完了した各機への通電を行っているのです!
その通電時間は、実に7~10日間!
ここで、最終的な出荷可否を結論します。

静電式機構は、その精密な構造すぎるゆえ、この最終段階、通電後にNGが発見される事もあるとのこと。 ゆえに、どうしても欠かせない工程なのだとか。 そして、隣のスペースでは、アンプのエイジングも同様に行われています。

そう、STAX製品は、全てに手間隙かかっているのです!

その奥。
カラダのチリ、ホコリを除去するエアークリーン装置の部屋に15秒。
そこを抜けて、通された部屋。

この風景!

来ましたよ!
STAXイヤースピーカーの心臓部、「振動膜」の製作ルーム!
5名様で成る、精鋭チームの机が並びます。
今回は、クリーニングの様子を見学させて頂きました!

この段階では、既に固定用枠に接着されている、1コンマ数ミクロンの振動膜達。

ルーペを装着の上、進行されるそのあまりに細かな作業!
カッターナイフ、希釈されたベンジン、低粘着テープといった作業の為のツール群を用い、
固定枠周辺の余分な接着剤の除去、
この工程に至るまでに付着した、振動膜上のホコリ、汚れの除去、
といった作業が続けられます。

とりわけ、抜きん出て薄い厚みの『SR-009』の振動膜は、そのあまりのデリケートさ故、実際に事に当たれる方は、チーム中、僅かに2名様のみ!

そして、極度に集中を要する作業ゆえ、必ず、1時間強毎に休憩を挟まれているとの事です。

この振動膜の製作作業は、まっさらなフィルムのシートから固定枠への接着作業に始まり、クリーニングを経た後に、エイジングが掛けられます。
振動板パーツとして電極との組み込み可能な状態に至るまで、平均して実に7日程度の日数を要するとの事!
手間隙かかっています、STAX!

その“現代最高峰”の振動膜をドライブする固定電極にも、薄さ、軽さ、剛性が求められます。

組み合わされる素材。
成型技術。
そこここにSTAXの技術の集積が。

他社が追随できない程のはるか高みに居る、STAX社イヤースピーカー。
しかしながら、担当者より、
「まだ、できることがある。」
との言。

まだ、この先がある!?
そこに待つであろう、凄まじいまでの光景に、胸、ふくらませ、期待させて頂きます!


STAXのイヤースピーカーは、ヘッドホンにあたるイヤースピーカー本体と、それをドライブさせるアンプ(ドライバーユニット)から成るシステムです。

※STAXイヤースピーカーの駆動には、STAX専用ドライバーユニットが必要となります。

STAXのイヤースピーカーは、現在は「開放型」のみをラインナップ。
ゆえに、録音ブース内での録音時のご利用は困難ですが、収録用、ミックス用、そして最終確認用ヘッドフォンとして、多くのプロフェッショナルからの絶大な信頼を得ています。

▼単体販売モデル▼

イヤースピーカー SR-009

極限まで薄い振動膜、極めて軽量かつ俊敏な固定電極を有するSTAX最高峰イヤースピーカー。眼前に繰り広げられる“音の映像”は、聴くもの全てを次なるステップへ導く。
(推薦ドライバーユニット:「SRM-007tA」,「SRM-727A」)

イヤースピーカー SR-L700

STAXイヤースピーカー史における代表的銘柄『Λ(ラムダ)シリーズ』の最新、最高峰モデル。人間工学に則ったその形状、SR-009からの先端テクノロジーの採用により、ラムダ史上、“最も自然な音場”を構築。
(推薦ドライバーユニット:「SRM-727A」)

イヤースピーカー用ドライバーユニット SRM-007tA

STAXラインナップ中、最も深い音場を湛える、真空管駆動の最上級イヤースピーカー駆動アンプ。同時に2台のイヤースピーカーを接続可能。
(イヤースピーカー「SR-009」のドライブに最適。)

イヤースピーカー用ドライバーユニット SRM-727A

ソリッドステイト回路採用の最上級イヤースピーカー駆動アンプ。真空管駆動アンプに比して、ソリッドで速いレスポンスを身上とする。STAXイヤースピーカーを“音を見る”仕事用ツールとして駆動する際の、最良の選択肢となる。
(イヤースピーカー「SR-009」,「SR-L700」等の“モニタリング用途”でのご利用に最適。)

▼セット販売モデル▼

イヤースピーカー・システム SRS-5100

イヤースピーカー『SR-L500』と専用ドライバー『SRM-353X』から成る、これまでに多くの放送局に採用されて来たラムダ・シリーズ主要モデルの正統後継機種セット。音の情報を得る、という働きにおいて、このモデルにこそ、STAXの真の実力が宿る。

イヤースピーカー・システム SRS-3100

イヤースピーカー『SR-L300』 専用ドライバー『SRM-252S』。エントリーと呼ぶにはあまりにも高い完成度を誇る、最新・最小イヤースピーカー・システム。このシリーズ最小規模のシステムでさえも、数多のハイエンド・ヘッドフォンをはるかに凌駕する音世界を持つ。

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