AKAI MPC LIVE MASTER CLASS 2017 CREATE THE FUTURE ARTIST WORKSHOP 熊井吾郎 開催記念 熊井吾郎SPECIAL INTERVIEW
2017年6月24日(土)、POWER DJ’s渋谷店にて「AKAI MPC LIVE MASTER CLASS 2017 CREATE THE FUTURE」が開催された事を記念して、今回のワークショップの講師を務めていただいた熊井吾郎氏にPOWER DJ’s渋谷スタッフがインタビュー!MPCとの出会いから、MPC LIVEを使用してみての感想、MPCでトラックメイクを始めたい方へのメッセージまでたっぷりと語っていただきました!

■下記の画像はイベント時のものです。イベントの内容についてはこちらをご覧ください>>

■熊井吾郎氏スペシャルインタビュー

「サンプリングって何ですか?MPCの生叩きにはあまり興味がありません」という人たちがMPC LIVEを使って楽曲制作やパフォーマンスをするようになったら面白い。

ー本日はイベント出演ありがとうございました。ワークショップを終えての感想をお願いします。

熊井吾郎氏(以下:熊井 敬称略):MPC LIVEはサンプリングや生叩きといった今までのMPCのイメージを覆す機能を搭載した機種だと思います。「サンプリングって何ですか?MPCの生叩きにはあまり興味がありません」といった人たちがMPC LIVEを使って楽曲制作やパフォーマンスをするようになったらMPCのシーンがもっと盛り上がっていくんではないかと思いました。

-熊井さんご自身はMPCを使い始めたのはいつ頃からですか?

熊井:17歳からですね。(最初の機種は)MPC2000です。

-今まで使われた歴代のMPCはどの機種ですか?

熊井:MPC2000、MPC4000、MPC1000、その後がMPC Renaissance、MPC TOUCH、MPC LIVEですね。MPC3000は持ったことがないです。

-MPC3000などを通っていないのは意外ですね。今はMPC LIVEのみで作業されているのですか?

熊井:MPC4000は未だに使っていますね。レコードの音をサンプリングする時は4000でサンプリングしています。

フットワークが軽くなるというか、電源をつけてサクッと入っていける感じですね。

-すでに現場でもMPC LIVEを使用されているそうですが、実際に現場で使われてみていかがですか?

熊井:MPC LIVEは、パソコンを繋がなくていい、とは言っても現場で電源を繋がないことはないのですが、MPC TOUCHの時は何回か電源が抜けたこともあったので・・・電源が抜けても落ちない安心感っていうのがあるかなと思います。

-現場ではスタンドアローンモードで使われていますか?

熊井:現場で使ったのはまだ2回くらいなのですが、どちらもスタンドアローンで使いましたね。
結構MPC用のスペースが確保できない現場もあるので、パソコンを置かなくて済むのは、以前のMPC1000を持ち込んで使っているときのような感覚に近くて、「あぁ、これこれ!」という感じですね。

-MPC LIVEを使っていて少し物足りない部分などはありますか?

熊井:クリックの音が少し小さいとこですかね。

-MPC LIVEのサウンド面はどう感じましたか?

熊井:サウンドに関しては、新しく中に入っているプリセットの音がいいなと。入っている音のクオリティが上がっている気がします。出音に関しては、今までMPC TOUCHでやっていたのと同じルーティーンをMPC LIVEで最近やったんですけど、音にパンチがあるなと思いました。

-サウンド面でパンチが強くなったということですが、その他MPC TOUCHからMPC LIVEになって変化を感じた部分はどこかありますか?

熊井:MPC Software2.0になって入った機能に関してはMPC TOUCHでもできる*ので、そこは大差ないと思うんですけど、名前の通り、パフォーマンスしたい人向けだなと思いますね。
*MPC TOUCHはMPC Software2.0にも対応。

-タッチパネルはどうですか?

熊井:タッチパネルは前よりスムーズになった気がしますね。特にフィルターをかけるときとか。

-今までMPC TOUCHを使っているときはタッチディスプレイとPC画面どちらで作業されていましたか?

熊井:基本的に打ち込みはパッドで、ハイハットのベロシティなどを細かくいじるときはパネルで書いたりしていました。パソコンはあまり見てなかったですね。

-そうなると元からスタンドアローンに近い感覚で使われていたということだと思うのですが、パソコンが無くてすむのはメリットが大きそうですね。

熊井:フットワークが軽くなるというか、電源をつけてサクッと入っていける感じですね。(PCベースだと)PCの調子に左右されちゃって、PCが固まると終わりなので・・・。
ただ、スタンドアローンだけだと音素材の管理が大変だと思うんですよ。iTunesに入っている曲をシャッフルで聞いてそのままMPCに入れて作ったりとか、ネット上のサンプルを売っているサイトでサンプルを買ってそのままMPCに入れて作ったりもするので、コントローラーとスタンドアローンのどっちもいけるというのがいいのかなと思っています。

-では作った曲のデータ保存はPCにされているのですか?

熊井:外付けのハードディスクに保存しています。ちなみにコントローラーモードで作ったプロジェクトをスタンドアローンモードで読み込むとプラグイン音源などが立ち上がらなくなってしまうので、そういう音はオーディオファイルに書き出しています。

-音ネタの管理はどのようにされているのですか?

熊井:音ネタは全部小さくて持ち運べる外付けハードディスクに保存していますね。MPC LIVE本体のメモリの中にはなるべく保存しないようにしています。MPC LIVEはUSBメモリもSDカードも入るので・・・SDカードだと中まで入るから一番スマートかなと思いますね。

-作る方に向けて音の素材の管理のコツがあれば教えて下さい。

熊井:素材はまずジャンルで分けています。仕事によって要望が違うので、例えばこういうジャンルの曲を作って下さいと言われたらすぐ作れるように、ジャンルを分けるフォルダはいっぱい作っておいて、あとはサンプルとMIDIファイルのフォルダも作っていますね。
あと、例えばリミックスしたい曲のキーがわかっていたら、「F#m」とか入れて検索すると、そのキーの音がランダムでいっぱい出てくるので、それらをとにかく無理やり組み合わせることで予想もしなかった(いい意味で)変なのができたりします。

-キーがプリセットの名前に入っているということですよね?

熊井:そうです、「ピアノループ、BPM100、F#m」とかだいたい書いてますよね。

MPC LIVEは1台持っていけば準備しなくてもいろんな音がすぐ出せる。

-音の素材の管理の仕方は人によってだいぶ違いますよね。

熊井:そうですね。(音が)増えてくると欲しい音を探すのに時間がかかるし、セッションなどでこういう音が欲しいというときにすぐ出せないと採用されないこともあります。
でも、MPC LIVEに関しては、1台持っていけばそんなに準備しなくてもいろんな音がすぐ出せると思いますね。しかもAKAIのプリセットは昔から音質がすごくいいから、だいたいどのオケに入れてもすぐ音が抜けてくるんですよ。

-ではその本題のMPC LIVEの話に戻って、新機能のオーディオトラックとクリップローンチは、使ってみていかがですか?

熊井:クリップローンチはテンポが違った音素材たちをタイムストレッチであわせられるので、いいと思った音素材をとりあえずいっぱい入れてみて、並べてみて、抜き差しでパフォーマンスすることが可能ですね。
オーディオトラックでアカペラがずっと鳴っていて、それに対してクリップローンチで抜き差しして展開をリアルタイムで作っていくのも面白いと思います。

-今日のパフォーマンスでも組み合わせて使われていて、生叩きからのクリップローンチへの移り変わりがとてもスムーズでしたね。

熊井:新機能は2つとも使ってできたので良かったです。今まではドラムも上モノも全部生叩きするスタイルが普通だったんですが、クリップローンチ機能がついたことによってパフォーマンスの幅は大きく広がると思います。
あと、言いたかったのが、MPC TOUCHだと出来なかったのですが、MPC LIVEになってパラアウトが復活したのでパラ出しして個別にエフェクトとかかけられたら面白そうだなと。

-今回MPC LIVEになって入出力がだいぶ増えましたよね。

熊井:そうですね、MIDIで外部機器とかも鳴らせれば面白いかなと思っていますね。ここから直で信号出せばいいだけだから楽ですよね。
*MPC TOUCHではOUTPUTが MASTER OUTのみだったが、MPC LIVEではMASTER OUTの他に4OUT搭載されている。

MPC LIVEは制作にもパフォーマンスにもどっちもいけるから、これから始めたい人には一番いいんじゃないですかね。

-―今後は外部機器との連携もできそうですね。これから購入を考えている方にアドバイスをお願いします。

熊井:まず、MPC=HIPHOP、サンプリング、生叩きの3つを連想すると思うんですけど、MPC LIVEに関してはむしろその3つを全部置き去りにしていくというか、ジャンルレスというか。楽器ができないけど楽曲制作をしてみたくて、作った曲をライブとまではいかなくてもYoutubeとかinstagramとか動画にしてアップしたいとかそういうニーズも今あると思うんです。そういうパフォーマンス的なことが簡単にできてしまうという一言に尽きます。今までのMPCであればちゃんと素材を準備してやらないといけなかったことがこれ1台でできちゃいます。Ableton Liveと似たような機能も入っていますけど、Ableton LiveだとPCとコントローラーがないと出来なかったことが、(MPC LIVEだと)ハード1台でできるのが強いと思います。これで制作したい人も、作っているうちにもしかしたらパフォーマンスしたいってなる可能性もあるし、そうなったときにそっちにすぐシフトできるので、結構おいしいかなとは思いますね。MPCも種類によって特徴があるのですが、MPC LIVEは制作にもパフォーマンスにもどっちもいけるから、これから始めたい人には一番いいんじゃないですかね。

-最後に、MPCで曲作りに挑戦したい方にメッセージをお願いします。

熊井:MPCは買っても使い方がわからなくて挫折してしまう人もいますし、俺もいまだに使い方わからないこともあるんですけど、わからないときはすぐAKAIのサポートに電話して聞くか、Youtubeを見るか、それは当然やらないといけなくて。曲づくりのセンスとは別のところで、その機材を活かすために使い方を覚えるっていうのは大事なことなので、それがネックでMPC全然さわってないとか買ってはみたけどなんかちょっとなぁという人はAKAIのサポートに聞くか、もしくは吾郎塾に来て下さい!!笑
そしたら曲を作る事に集中できると思うので。逆に「こういう使い方あるんだ、じゃあこういうサウンド出せるんだ」と使い方を覚えることで出せる音の幅が広がっていくので、ちょっとくらいわからなくても諦めないで下さい。教えてくれる人はいっぱいいます。

-もちろん、POWER DJ’sもサポートしていきますので、わからないときはご相談下さい!それでは、熊井さん、本日はありがとうございました!

熊井:ありがとうございました!

AKAI - MPC LIVE

コンピューターを接続することなく、スタンドアロンで駆動する、新世代のMPC。

充電式のリチウムイオン電池を内蔵しているので、屋内はもちろん、外に持ち出しても、場所を選ばずどこでもビートメイクを楽しめます。また、PCを接続すればMPCソフトウェア2.0のコントローラーとしても使用できるので、現在PCでの作曲をしている方にも導入しやすくなっています。

パート分けしたフレーズをワンタッチで切り替えられる新機能のクリップラウンチや、要望の多かったオーディオトラックもついに搭載され、パフォーマンスの可能性が大幅に広がりました。

操作の中心となるタッチディスプレイの感度も抜群で、スムーズにイメージを描くことができるようになっています。

歴代のMPCの伝統を受け継ぎながらも最新のテクノロジーを搭載し、あなたのライフスタイルに寄り添うMPC LIVEは、ジャンルや経験を問わず音楽を愛する人におすすめのトラックメイクツールです。

●熊井吾郎氏プロフィール

1983 年生まれ青森県出身。
MPC プレイヤー、トラックメイカー、DJ。
国民的ラッパー、KREVAのバックDJ、MPC、マニュピレーターを担当。

2011年に行われたMPC パフォーマンスコンテスト『2011 GOLDFINGER'S KITCHEN』BEATCROSS 部門にて日本一に輝く。
トラックメイカーとしてもKREVA,SONOMI,サイプレス上野,LEAD,香取慎吾 山下智久主演 TBS系ドラマ「MONSTERS」サウンドトラック、竹野内豊 チェ・ジウ主演 TBS系ドラマ「輪舞曲ーロンドー」サウンドトラック、など様々なアーティストに多数楽曲を提供している。

MPC、スクラッチ、トークボックス、生楽器によるバンド「MEATERS」の一員でもあり、ビートボクサーのISSEIとのユニット、2012DMC世界チャンピオンのDJ IZOHとのユニットを結成し、精力的に活動を続けている。

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