ラムマシンLinnDrumの生みの親「ロジャー・リン氏」を迎えて開発されたAKAI 『MPC-60 (1987年発売、
当時の定価 \480,000)』 は、MIDIシーケンサーとサンプラーが一体化されたプロフェッショナルマシンと
して、99トラック、記憶容量60,000ノート、12bit、40kHzのサンプリングレートと
当時としては驚きのスペックで発売されました。

このMPC60はかつてのプロの定番 『Linn9000 (当時の定価 \1,500,000!)』 が持っていた
32トラック、7,000ノート(8bit、40kHz)というスペックを遥かに越え、その後AKAI MPCの名を
一躍世界中に広めることとなりました。

▲ MPC60II
して4年後の1991年MPC60のLCDディスプレイの角度調整が
廃止され、金属ケースの代わりにプラスチックケースを採用し
ローコスト化を計った『MPC60-II (当時の定価 \295,000)』
にモデルチェンジしました。

(*外面の変化はありましたが、内部構造はヘッドフォンジャックが追加
された以外はMPC60と同等、ソフトウエアはバージョンアップされ
MIDI出力チャンネルが16から64へ拡張、MIDIサンプルダンプ機能の
追加、パットを使っての16音階演奏の機能が組み込まれていました)
その3年後1994年にMPCの名をHIP-HOP,R&Bクリエイターの
シーンで不動の物とすることになる 『MPC3000 (当時の定価
\275,0000)』
が発売されます。

このMPC3000はステレオサンプリング、16bit、44.1kHzサンプ
リング、32ボイス、SCSIボード搭載という大幅スペックの向上、
そしてサンプリング時の独特の太く、粗いともいえる音の質感
がHIP-HOP,R&Bクリエイターに絶大な支持を受け、多くのアー
ティストが使用し、その結果多くの歴史的名盤が生まれました。

生産終了後も人気は衰えず、復活を望む声に応え、1999年に
ブラックの筐体に音符模様を配したリミテットモデルが再発(当
時の定価 \398,000)。このモデルは、AKAIがUSのR&Bプロデ
ューサー、BABY FACE特別モデルとして製作したものが好評
となり再発時に使用されたとのこと。

▲ MPC3000

の後、MPC3000の基本コンセプトを受け継ぎ、低価格、コンパクトをテーマに開発された
『MPC2000(定価\148,000)』 が1997年に発売。

マルチエフェクターやパラアウト、フラッシュROMがオプションになってはいるが、基本機能では
MPC3000と比較しても劣ってはおらず、画面表示もMPC3000より、よりグラフィカルな
波形表示が可能となっています。

有名な話ですが、MPC2000より今まで左側にあったパッドが右側に変更されました。
これは左利きのロジャー・リン氏が開発から外れている為なのだそうです。
   
▼ MPC2000XL
この時期からMPCの使い方にも変化が出てきました。

KEIZO machine ! とジューシーによる「HIFANA」のパ
フォーマンスにより、今でこそメジャーな使用方法でも
ある『ライブでリアルタイムにMPCを演奏するという手
法』
は、今までのMPCの歴史を経てこのMPC2000の
出現によって一気にメジャーになりました。

そして当時記録媒体の標準でもあった"フロッピーディ
スク"に加え、MOディスクと共に主流だった"ZIPメディ
ア"を搭載することも可能とし、ディスプレイ部には
MPC3000で採用した、視認性の良いディスプレイを
受け継ぎ進化させた 『MPC2000XL』 も発売されます。
   
それと同じくしてMPC3000で成し得なかった大容量内蔵メモリー
を含む「完全プロスペック仕様」を前面に強く打ち出した、 フラッ
グシップモデルとなるモンスターマシン 『MPC4000』 が発売され
ます。

最大メモリー搭載時512Mというスペックは、MPC3000を使う上で
一番の改良要望点としてユーザーに求められていた部分であり、
このMPC4000はまさにプロユーザーの要望を満たした「最高グレ
ードのMPC」として現在も多くのHIP-HOP,R&Bクリエイターの手放
すことの出来ない必須アイテムとなっています。
▼ MPC4000


▲ MPC1000
その後MPC2000シリーズが完了するとコストパフォ
ーマンス性を重視し、10万円を切るという驚きの低
価格で発売された『MPC1000』 が発売。

このMPC1000は低価格帯でありながらUSBポート
等を搭載し、過去最小の大きさでのリリースに成
功。時代の流れからかユーザーにはこのUSB機能
が大変好評となっています。

また、メモリーの容量も今までの最大32MBから最
大128MBまであがり、即戦力なサウンドライブラリ
ーもプリセットも導入される等、今まで以上に楽器
色が濃くなり、初心者の人でも安心して製作が行
える環境が整いました。
   
その後、MPCユーザーの多彩な要望にお応えし、ユーザ
ービリティと表現力を極限にまで向上させ、コンティニュア
ス・サンプル・トラック機能、チョップ・ショップ、スライス・サ
ンプル/パッチド・フレーズ機能など、時代のニーズに応
えた機能を満載しました。

更に外部音源との組み合わせに威力を発揮するインプット
・スルー機能など旧来のスタンダード・マシンの枠を遥か
に超えた機能を搭載し更なる進化を遂げた新型MPC、『M
PC2500』
が発売されました。

▲ MPC2500
 
AKAI MPCシリーズは常にユーザーの要望・シーンの移り変わりに合わせて進化しながらも、「16個の
大型パットと解かりやすいパターンシーケンサー」というコンセプトは硬く受け継いできました。
このMPC2500の魅力は今までのMPCシリーズと比べて利便性、操作性などが
格段に進化した機種となります。

今までのMPCシリーズではBPMのマッチング機能やシーケンサーに打ち込んだ音を聞きながらの
サンプリング等は出来なかったのですが、簡単にBPMを合わせる事や、シーケンサーに打ち込ん
だ音を聞きながらのサンプリングが出来るなど、製作の過程によるストレスを
極限まで抑えた物となりました。


かし!

今回そのコンセプトをAKAIが自ら打ち破る事となる 『MPC500』 が昨年2006年に発売!
MPCのコンセプトである、16個のPADを使って演奏するという概念を打ち壊した12個のPAD。

▲ MPC500
液晶画面は2行のみの表示とかなり簡易的な
作りとなっています。

ですが、MPC500とPCをUSBポートで繋いでい
ただき、PCの中で波形編集ソフトAudacity(オ
ーダシティ)等を用いて作りこんだ音をMPCに
返すという手法により、MPC1000やMPC2500
に匹敵します。

また、このMPC500ですが、なんといっても大き
さがB5サイズの(266mm×175mm,厚さ44mm)
重さはなんと約1.4kg!
バックに収まるコンパクトサイズとなっています。
今後もMPCシリーズの動向から目が離せないですね。
こういった長い歴史を誇るMPCは今でも第一線でユーザーの方に愛用されています。

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