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BUGARI工場見学 |
| 市街地の外に出るとすぐ、のどかな景色が広がります。 |
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アコーディオン博物館を後にした私達は、石畳&急勾配の狭い路地を車ですり抜け、カステルフィダルド郊外に向かいます。 | |
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10分ほど走ると、次の目的地に到着しました。特に、特にクラシック方面で有名な1900年創業の高級アコーディオンブランド、「BUGARI
ARMAND(ブガリ)」の本社&工場です。 |
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| 建物の2階から見た工場の全景。工場は時折聞こえる工作機械の作動音以外は思った以上に静かで、ほのかな金属とオイルと木の臭いが印象的です。 |
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とりあえず記念撮影して、建物の中に通されます。 |  |
 
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黙々と作業を続ける職人さん達。20名程の作業員の方が在籍しているとの事です。
いよいよ、社長のロベルト・オッタヴィアネリ(Roberto
Ottavianelli)さんの案内の下、工場フロアに下りていきます。 |
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こちらは製造途中のボディ。表面に黒いセルロイドが張られては居ますが、その中は完全に木製です。 BUGARIは、世界中のディーラーや顧客からオーダーを受けており、その国や顧客の要望に合せて1台1台手作りで製造しています。本体にはこの様に管理番号(シリアルNo.)が製造時より割り当てられており、「何時、誰のために、どういった仕様で造られたか」が出荷後もコンピューターで追跡できる様になっています。 |
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最初に案内されたのは、工場向かって左手側にある部品のストック場所。 こちらはリードを組み付ける木製のフレーム。BUGARIは2つの工場を持っており、こうした木製パーツはもう一つの工場で製造されています。 外から見ると「セルロイド」
のイメージが強いアコーディオンですが、内部の大半は木と金属で出来ています。 |  |
| 通常は、左の様にリードは一つ一つ独立しています。空気が流れることによって、きちんと規定のピッチで発音するためには、絶妙なクリアランスが要求されます。このため、組み込み前に入念な品質のチェックが必要です。 |
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| こちらは高音を担当するピッコロリード。このリードは非常にデリケートなため、指で触れるのはご法度です。そんなリードの良し悪しをチェックする一番簡単な方法は・・・ |
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一方、ボディに張られたセルロイドは、入念に研磨されます。BUGARIの艶かしい黒く艶のあるボディは、こうして何度もバフ掛けされて生まれます。
「Everything
must be shine!(全ては輝いているべき)」社長の言葉が印象に残りました。 |
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ふと工作機械の横に目をやると・・・(やむをえずボカシ入れました)。他にも、工場の至るところ(社長室にも!)にセクシーなお姉さんの写真が(笑)
また、この頃12時のチャイムが鳴りました。するとものの数分で工場の中は誰も居なくなり、2時間の昼休みに入りました・・・。
・・・
イタリア万歳! |
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こちらは下請け工場より納品された状態のリードセット。 それぞれの鍵盤を押すと対応した空気の通り道の蓋が開き、蛇腹から送り出された空気がリードを震わせて音が出ます。それぞれのノートに対して、「押し」「引き」どちらの空気の流れによっても同じ音を発音する様、同じ大きさのリードが2枚づつ装着されています。 |
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まずは光にかざしてリードとハウジングの隙間が適切であるかを確認します。そして、実際にリードを金属の塊の上で弾いて、良く「鳴る」リードを選別します。良いリードは長い時間振動が持続します。 |
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何と、鼻の穴に当てて、息を吸って吐いて鳴らしてみるのです!鼻息に合せて「ピーッ!」と鳴る様はちょっと面白かったです(笑) |
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こちらがその研磨機。左側の固めのバフで傷を取り、右側のやわらかいバフで磨きこみます。 |  |
鍵盤は、こうした形で部品工場より納品されます。金属製のフレームに鍵盤基部は木製、鍵盤表面はパール柄のセルロイドです。こちらもシリアルNo.で一つ一つ管理されています。
アコーディオンの鍵盤を含む機構は、電子楽器の様なスイッチではなく、完全な「メカ」。鍵盤を弾くと、鍵盤から伸びたリンケージがリードに繋がる気道を開き、そこを通る空気がリードを振動させるのです。 |
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気を取り直して、工場見学の続きです。 いよいよトレブル側の鍵盤/ベースボタン部の組み立てです。
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鍵盤から伸びたリンケージは、職人さんの手作業によって一本一本ペンチで曲げられていきます。滑らかな動き、弁の確実な密着のためには、非常に高度な技術が要求される部分です。その無駄の無い機能美に、思わずウットリしてしまいますね!
ベース部分は更に複雑です。一つのボタンでコードを演奏するために、様々なリンケージが複雑に連動しあって対応する弁を開閉させます。人の手で作り出すことができるメカニズムの究極の姿、かもしれません・・・。 |
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| その裏側はこうなります(こちらは左手ベース側ですが、右手側も同様のメカニズムです)。リード切替スイッチから伸びたリンケージは、それぞれのリードセット(横の列です)の蓋を開閉させ、気道を切り替えまず。 |
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| この穴の上に、先ほどのリードが組み込まれたハーモニカ状のリードセットが密着します。こうして見ると、「1列で1音色」という構造と「○列笛」という表記の意味がよく判りますね。 |
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そして、鍵盤の奥にはリードの切替機構(レジスター)が取り付けられていきます。ずらりと並んだスイッチの裏には金属板が重なっており、押したボタンのによって様々な組み合わせで「カシャッ!」と小気味良い音を立ててスライドします。
そこから伸びたリンケージは、その裏に伸びています。
こちらのモデルは、演奏中で顎でもリードセットを切り替えられる様、鍵盤横にもスイッチとリンケージが伸びています。 |
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細部のアップ。様々なパターンの穴が開いた薄いアルミ製の板が、スイッチの動きに合せてスライド。穴を開いたり閉じたりします。その精度の高さにこれまたウットリ。 |  |
防音処理された部屋の中は、チューニングルーム。基準音を出す音叉、測定用マイク、そしてギタリストの方にもおなじみのPertersonのストロボチューナーが基本装備。
壁には詳細なチューニングデータが記載された表が貼られています。 |
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| チューニング作業に使う工具がこちら。至ってシンプルなハンドツールばかりですね。 |
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シンセサイザーのデチューンや12弦ギターのサウンドと同様に、アコーディオンの豊かな音色は同じピッチで鳴る複数のリードの微妙なピッチのずれによる「トレモロ」に拠るもの。全ての鍵盤において同レベルのビブラートが発生する様に、0コンマ数セント単位のチューニングが必要で、最後はやはり職人の「耳」が頼りです。
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ベース/トレブルそれぞれのメカニズムが完成したら、蛇腹で合体!・・・する前に、まずはこの3つ並んだ隔離部屋に連れて行かれます。 |
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調整されるアコーディオンは、こうしたスウェード製のスタンドに乗せられます。台の下には蛇腹が備え付けられており、台座ごと動かすことでリードに空気を送り込んで鳴らすことができます。 |
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チューニングは、細いニードルやヤスリでリードの表面を削ることで行います。やり直しの効かない、非常に繊細な作業を1台につき200枚を超すリード一つ一つに対して行います。
しかも、このチューニング作業は、ただ正確なピッチに合せれば良い、というものではありません。 |  |
しかも、そのチューニングは出荷される国によって異なります。そしてトレモロの強さもその国やミュージシャンのリクエストに合わせて、絶妙な調整を行う必要があります。例えばスコットランドやスウェーデン向けの場合は、他の国よりも若干トレモロを強めに調整するそうです。
こうしたチューニングに要する時間は、熟練の職人の早業をもってしても1台につき4〜5時間、特殊な特注ものならば6〜7時間掛かります。 | |
もちろん、これだけ複雑な機構を備えた楽器ですから、出荷までには更に入念な検査が要求されます。
こうして、1台につき気の遠くなる様な手間を掛けて、年間約1,000台のアコーディオンがこの工場から出荷されます。
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チューニングを終えたら、本体を一旦分解し、再チェックしながらもう一度組み立てます。
その後、いよいよトレブル側とベース側が蛇腹を挟んでドッキングし、ひとまず完成となります。 |  |
通常、アコーディオンという楽器の価格は本場ヨーロッパ製のモデルならば最低でも30万円クラス、通常は60万円前後。高級モデルならば200万円を超すモデルも珍しくありません。 私達電子楽器に慣れ親しんだ人間の感覚では、あまりに高額な楽器です。しかし、これだけの部品点数と複雑なメカニズム、そしてそれらを緻密に組み上げて調整する職人技を目の当たりにすると、むしろこれは割安なのでは?とも思えてしまう程の素晴らしい「工芸品」であり「楽器」でした。 とにかく、エレクトロニクスを一切使わない、精密メカの極致ともいえるアコーディオンという楽器と、それを生み出すイタリアの職人技に脱帽!です。 | |
オマケ。工場の壁にあったシュールな光景の前で。「アガペー&エロス」とでも名づけてみましょうか(笑)。
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工場見学の後は、オッタヴィアネリ社長とちょっと遅めの昼食へ。 社長オススメのレストランにて、新鮮な魚介類の素材の味を活かした絶品料理と口当たりの良いワインをご馳走になってしまいました。
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今回工場を訪れた『BUGARI』アコーディオンも、パワーレック鍵盤堂からご注文頂けます! | |
実は、イタリア滞在は何とこの日1日のタイトなスケジュールなのです(泣)。 (できることなら1週間くらい滞在したい・・・)
これから、いよいよ今回の主目的となるローランド・Vアコーディオンの工場へと向かいます! |