はじめに

去年も野中貿易様主催で参加いたしましたトルコはイスタンブールへ、シンバルの買い付けツアー。

今年も2015年10/4~10/10の6日間、ドラステリボレ秋葉原コージー村上、同じく渋谷スタッフ栫井(カコイ)の2人で行って参りました。
 

Isutanbul Agop

Isutanbul Agop社へ出発!

イスタンブール空港に到着!

まずは1日目、イスタンブール空港へ朝5時過ぎに到着。

ホテルへチェックイン後、荷物を置いて早速本ツアー最初の訪問、Isutanbul Agop社へ出発!

いよいよ1社目、潜入です!

代表であり、ブランド創立者アゴップ氏のご子息に当たるアーマン氏(弟)、サルキス氏(兄)にお出迎え頂きました。

ファクトリー内にはオフィスフロアまで行くまでのいたる場所に、工場創設当時に使っていた機材や、貴重なシンバルが展示されています、、、

村上、栫井は共に今回が初トルコ入国でしたので、地域の話など談笑の後、ディストリビューターのブラクさんに案内されファクトリー内でのシンバル製造の現場を視察しました。
(Agop社はほとんどの作業が撮影NGでしたため、文章で徹底リポートいたします!)

オフィス入り口

シンディー・ブラックマン!

オフィスに向かうまでに壁には
Agop社のシンバルが飾られています。

昔工場で使われていた貴重な製造機材が飾られたエントランス。

Istanbul Agopファクトリー内レポート

まずは、水の入った容器にアツアツに熱したB20合金を入れて、ブランクと呼ばれる塊を作る作業場へ案内されました。
溶けた合金が水の入った黒い釜に注ぎこまれる時に急激な温度差により真っ赤な金属片が周りに飛び散る、とても危険で迫力ある作業です。
ブランクの精製に関して、配合している合金に一部過去に作ったシンバルをリサイクルしたものを20%ほど含んでいます。
(15年ほど前は50%を占めていたそうです)

1日で200個程度ブランクを作りますが、これらの作業工程は毎日ではなく週に2.3回程度で行われます。
ここで出来上がったブランクは、まだ私たちの見るピカピカのシンバルのような見た目ではなく、表面が炭化しているため真っ黒い金属の塊の状態です。

ローリング作業の様子。まだ真っ赤に熱を持ったブランクを慎重に扱います。

この位置からでも相当熱い!

その後オーブン(800度)で熱して伸ばしたランクを、ローリングマシンに通しさらに均等に伸ばします。

シリーズによりますが1つのブランクにこのローリングを最低12回はやるそうで、適切な厚みになった所でベルをプレスする工程へ移動します。
プレス機に伸ばした赤い熱の持ったブランクを置き、中心にベルの金型をあてがい協力な力で金型をブランクへ押し込みます。

こちらを使った形成工程、
撮影出来ませんでしたが迫力ありました。

ベル形成に使う型がたくさん!

金型の種類は豊富で、様々な形のベル形成を瞬時に行えます。

そして、この段階ではまだブランク内部に炭素が多く含まれているため、ガラスのように脆く簡単に割れます。
ここに秘密の工程を行い、強くしなやかなブランクへと変わります。
秘密の工程、気になりますね!

また、この工程まででのブランクはグニっと柔軟さがありますが、ベル金型形成後20秒ほどで温度が冷め、硬質な触感に変わりました。

ハンマリング作業場。
ハンマーで叩く心地良い音が響いています。

ハンマリング前のシンバル。

次は、ベルまで出来たブランクを円型にかたどってから、ハンマリングのみでサウンドの形を作っていく作業です。

この作業がシリーズ別のサウンドの原型を創り上げる重要な作業で、ハンマーは職人それぞれ専用のものを複数持ち、そこに力の強弱を掛け合わせ多くのハンマリングを実現しています。

均等に5000~6000回ほど打ち込むこの作業を栫井、村上共に体験させて頂きましたが、当たり前ですが非常に難しいです。(笑) まず最初にハンマーが予想以上に重たく、軟弱な栫井には何回か振り下ろすだけで噴き出す汗、溜まる乳酸、声にならない筋肉の悲鳴、、、
ハンマリングの様子は下記動画で確認できますのでご覧ください。

そのあまりの難易度に、
開始5秒で笑顔が消えます。

コージー村上、アーマンさんの手ほどきを受けつつハンマリング体験!

村上も小口径、大口径のものとハンマリングを体験。

かつてハンマリングを得意とした職人であったアーマン氏指導の元、栫井の「カメラ撮るんでこっち向いて下さい!」の声も届かぬレベルの集中力で叩き込んでいきます。。。

こちらが、実際に使われている
ハンマリングの台座。

途中、アーマンさん自らが
ハンマーを手に取り実演下さいました。

このシンバルもなかなかの重さ。
位置をずらすのに一苦労です。

続けていくうち段々と慣れてきたのか、
楽しそうです!

ハンマリングの有無以外に、
全体の形がしっかりしました。

作業を見学する中気になったのが、ハンマーで叩く際に聞こえる「カン!カン!」という音。
職人さん達の叩くハンマリングの音は寸分繰りなく均等で鳴っており、こちらもまた難易度の高さも身を持って体感いたしました。
コツとしてはハンマーの振り下ろす位置は基本変えず、シンバル側をずらしていくような感じで叩きこんでいきます。

ハンマリング前、後のシンバルをそれぞれ見てみましょう!
ヴィジュアルだけでもこんなに違いが!
(フィニッシュによってはこのままエッジの加工をして完成のモデルもございます。)

左が加工前、右が加工後のシンバルになります。

その後、レギュラー、ブリリアントフィニッシュを施すシリーズは、表面をダイヤモンドチップの入ったプレートで削る加工(レイジング)作業があります。
深く削りすぎても前工程のハンマリング跡を消しかねないので、こちらも職人の腕前が光る大切な工程です。
(1番レイジング加工を施すシリーズはXiSTだそう)

表、裏部分とレイジングした後は、フィニッシュによって再度より制度の細かいレイジング加工をします。
ちなみにここまでの工程でもシンバルにはまだある程度柔軟性が残っており(少し力を入れれば反り返りが反対になるくらい)、このレイジング加工によって我々の見るしっかりした形に成ります。
加工機材の周りにはエッジを削った際に出る削りカスが山盛り出ていましたが、それらの一部は削り終わったシンバルのボディ部分に拭くように押し付け、やすりに近い使い方をしていました。
ここで作業は一旦落ち着き、これから熱を冷ますのに24時間置くというプロセスがあります。
その後エッジを綺麗にし、刻印入れ作業、インクでのロゴスタンプ作業などを経てシンバル完成です!!

いよいよ選定作業開始!

こうした全ての工程を見学させて頂いた後、いよいよシンバルの選定作業。 Agop社では2日間かけてしっかり選定させて頂きました!!

案内されたのは、膨大な広さを誇る選定ルーム。

このフロアにも、創立者Agopさんの写真や名ドラマーの写真、サインが書かれたシンバルなど壁にさりげなく飾られております(笑)

サイン入りシンバル①

ラックの下にテープでモデル名が書かれている、各モデルを常時数枚在庫していました。

ツアー前に事前に注文したシンバルも、
しっかり出来上がっておりました!大量!

選定スペースとして利用したストックルーム。整理されていてホコリ一つ落ちていません。

サイン入りシンバル③

写真左端が創設者のAgopさん。
(右端はトニー・ウィリアムズさんですね)

エルビン・ジョーンズさんの写真。

サイン入りシンバル②


チョイスしたシンバルをリストにまとめております。書いては消し、消しては書き、、、

コージー村上、全てが素晴らしい個体ばかりなので、選定にしっかり時間かけております!

ドラステ渋谷スタッフ栫井、
スペシャルエディションライド選定中。。。

選定作業は、職人の皆さんも総出でお手伝い頂き同じ個体を何枚も順々に叩いていきます。 2人ともそれぞれ時間の許す限り吟味し、選りすぐりの個体をチョイスしては、リストに書き起こしていきます。
ということでIstanbul Agop選定シンバル、ドラムステーション入荷分はこちらです!!

ドラステファクトリーツアーアーカイブ