WSRより"もっと"愛をこめて〜第2回



「接点改善剤の時代」

 さて、今回は接点改善剤のお話です。過去のコラムで「SETTEN No.1」という商品を取り上げたことがあると思うのですが、進化はさらに進み違った材質で作られたものが出てきたので、その特徴と効果をよりくわしく説明したいと思います。

 普段、私達がギターに使っているSWやジャック、コネクター類の接点は一見何の問題がない様に見えてもミクロの世界(1/1,000mm)やさらにナノの世界(1/1,000ミクロン=1/1,000,000mm)ではその数パーセントが接触しているにすぎず、さらに酸化や磨耗によって多くの電気エネルギーはロスされています。楽器における接点の場合では、音が出ていればそうはロスしていないだろうと考えてしまいがちですが、電化製品の場合はそれがわかりやすい形で表れてきます。たとえば、携帯電話を充電すると本体が熱を持ちますよね?あれって本来ならば熱を持たないはずなのですが、接点の接触抵抗が上がって電気エネルギーが熱エネルギーに変わってしまった証拠なんですよね。

 そこで、酸化を防いで数パーセントしかなかった導通面積を拡大しようという商品が開発されたわけです。

 スクワランオイルに超微粒伝導粒子を分散させた物がその商品に使われている原料です。スクワランオイルは深海ザメの肝油から精製されたかなり高価なもので、よく化粧品なんかに使われていますよね。他のオイルと比べると粘度が低く、金属や塗装、プラスチックに害がなく、経年変化による劣化もほとんどありません。従来の接点復活剤だと、それに使われているオイルがラッカーやドータイトを溶かしてしまうんですよね。それにオイルって長い間には金属を腐食させるということで、最近はGOTOHのペグでも「SUPER OIL LESS」っていうオイルを使わないものが出ているんですよね。

 超微粒伝導粒子には現在楽器店で買えるのもには3種類あって、まずはカーボン。そして、銀、銅が使われています。カーボンのものは「SETTEN No.1」と同様に15ナノ(15/1,000,000mm)の人工ダイヤの粒子が、現在発売されている物は過去の「SETTEN No.1」の8倍ほど含まれているそうです。銀と銅のものは8ナノ(8/1,000,000mm)の純銀、純銅の粒子が含まれており、粒子が非常に細かいので、何とフエルトに染み込ませてマジックのように使うことが出来るようになっています。(カーボンだと粒子が詰まって使えないらしい。)これらの伝導粒子が接点部の凹凸を埋め、導通面積を拡大してくれるわけです。従来の接点復活剤にはこの「伝導粒子」の存在がないので、ガリを消すことが出来ても音質は向上しないわけです。

 さて、これらの商品を実際に楽器に使ってみるとどうなるか?確かに導電粒子の材質によって音色が違うような気がする。近年ではWEやベルデンの配線材が市場に出回り、そのサウンドの違いがいろいろといわれていますが、こういった物にも目を向けてみるのも良いかもしれないですね。もうガリとはおさらばできるし、音質も向上できるわけですからね。ちなみに私の携帯電話の充電にコレを使ってみると、なるほど熱を持たなくなりました。バッテリーライフも長くなったような気がします。今では家中のコンセントにコレを使って電気代の節約に役立てています。(笑)


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