WSRより"もっと"愛をこめて〜第17回
2006年6月20日更新


「フレット考察その2」

みなさんこんにちは。
今年6回目のコラムの更新です!
日々作業の毎日を送っているWSRですが、
特に今年に入ってからはたくさんのお客様にご来店いただき、仕上げる本数よりも楽器をお預かりする本数の方が多い日もあったりしてなかなか大変な毎日を送っています(涙)。よって、お預かりした修理の納期をかなり多くみて頂いてご迷惑をおかけしております(苦笑)。
しかし、そんな中でもコラムは毎月更新いたしますので、ご愛読のほう宜しくお願いします。

さて、今月はフレットの構造についてです。

図を見ていただくと分るとおり、フレットは3つの部位に分かれて構成されています。

と言っても、それぞれの部分が取り外しできるわけではないんですけどね・・・。

まず、一番上の実際に押弦する部分がクラウンといわれています。一般的にフレットの「高さ」とか 「幅」といったものははここの数値を指します。ここの大きさ、形状はプレイヤビリティー、音色に大きく影響するので、皆さんがフレット選びに最も気を使う部分ですね。数値的にいうと、現在発売されているもので最も高さの高いもので1.4mm、低いもので0.58mmです。幅としては広いもので2.92mm、狭いもので1.14mmといったところでしょうか。(いずれも、すり合わせ前のメーカー発表値)

次に木に埋まっている足の部分をタングといいます。ここの幅、長さもメーカーによって大きさがばらばらなのがリペアマン泣かせです(苦笑)。
国産のもの(三晃製作所というのが国産フレットのほぼ独占企業)であれば、長さはともかく幅は例外を除いてはほぼ一緒なのですが、輸入フレットの場合、各メーカーごと、または機種ごとに違うと考えて良いでしょう。プレイヤーの方はあまり考えない事だと思いますが、ここの幅、長さはフレット溝の広さと合わせて、ネックの剛性に関係があります。
つまり、フレット溝の広いものに狭いタングのものを打ち込むと弦を張ったときにネックが順ぞり方向に動きやすくなるのに対して、溝の狭いものに広いタングのものを打ち込むと、弦を張らない状態でも、ネックが逆ぞり方向に動いてしまうということです。逆にいうとロッドの利き幅にも大きな影響を与えると言うことになります。
過去にロッドの入っていないグラファイトネックのベースで強引に広いタングのフレットを打ち込んで剛性を高めているのをリフレットして四苦八苦したのをこれを書いていて思い出しました・・・。あまりに堅くフレットが打ち込まれているので、不審に思ってフレットを抜いてから試しに弦を張ってみると、驚異的にネックが反ったんですよね(苦笑)。
当然、打ち込むのも大変でした・・・。

最後にタングに付いている突起の部分がスタッドです。これは木に食い込んでフレットが浮かないようにするくさびの役割をします。
一般的には鋭角な逆三角形をしているものが多いのですが、ジムダンロップなどはべいごま?みたいな形をしていたり、米粒みたいな形をしていたりします。
また、過去にはスタッドが無い!フレットがあったりもします。

現在のようなTの字形のフレットになるのは1930年代半ばぐらいからで、それ以前は横から見てソーセージのようなクラウンとスタッドの幅が同じサイズのフレットが使われていました。
いったい、どうやって打ち込んだり、リフレットしたりしたんでしょうかね?

では、また来月!


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