WSRより"もっと"愛をこめて〜第10回


「ナットの材質その1」

 みなさんこんにちは。今回は本編に戻ってまたまたナットの話の続きです。
前回まではナットの理屈の話で退屈してしまったかもしれませんが、今回からは皆さんに役立つ?お話かもしれません。よく、ナットを交換する時に「どの材質はどんな特徴があるか」を聞かれるんですよ。もちろんその都度説明をするのですが、プレイヤーの方でもあらかじめ予備知識を持っていた方が良いのではないかということで、今回から数回に渡って「ナットの材質」の話をしていきたいと思います。
ちょっと辞書みたいな書き方をしますが、その方が分かりやすいと思うのでお許し下さい。

(1)牛骨ナット

 牛の骨を油抜きして漂白し、乾燥した物を削り出して出来ている。現在国産のギターでは最もポピュラーな材。もちろん人工のものではないので個体差があり、物によっては洲(骨の中にある空洞)が多く入り、使い物にならないものもある。音色感は明るく、得られる「カキーン」というアタック感や倍音の出かたは他のナットでは得られないものがある。加工はしやすいが弾性があまり無い素材なので、弦が反発して鳴きやすい素材でもある。よって、細いゲージを張る場合や1〜2弦のナット部でのテンションのかかりが弱い場合は溝の角度の削り方に細心の注意が必要である。仕上げると、磁器のように真っ白くぴかぴかになる。


(2)牛骨オイルナット

 上記のナットをオイルやグリスに漬け込んだ物。各メーカー(工房)によって漬けるオイルは違うようだ。WSRでは過去に洲を埋める目的で「シーラー&フィニッシュ」というオイルに漬けていたが、現在は弦のすべりを良くすると言う意味でグリスに漬けこんでいる。オイルに漬けるというのは弦のすべりを良くするというのが目的だが、乾燥が防げるので割れにくくなる。また、若干柔らかくなるので、耐久性は牛骨のままの方が良い。音色感は牛骨と変わらないと思う。仕上げると、透き通ったあめ色になり、非常に美しい。

 
(3)ナットソースナット!?

 第3回のコラムで取り上げた「ナットソース」をナットに染み込ますことができれば、凄いナットが出きると思うのですが、なにせ「ナットソース」は粘度が高いので、思うようにはいかないんですね。現在、いろいろと試しているところなのでここで取り上げるのはどうかと思うのですが、近い将来、ご紹介できる日がくるのかもしれません・・・。
 
 次回も材質の話が続きます・・・。
 

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