皆様、こんにちは。

小松崎"NORI"倫広氏に、毎日お世話になっている新井啓太です。感謝!

いやぁ。最近自宅付近で「職務質問」を受けました・・・。
正直凹んでいます。自宅付近ですよ・・・(-_-;)。
まぁいいや。そんなに怪しくは無いはずだ!

さて・・・街中でも冬のアウターが、ちらほら見受けられるようになりましたね。
寒いのは、天気もワタクシの財布も、スタッフ三浦の行動も一緒ですが・・・。

皆様風邪にはお気をつけてください。
ワタクシは三浦“HimaPara”卓に風邪をうつされました・・・。

今回ご紹介いたしますのは、70年代におけるギブソン社の迷走を絵に描いたようなモデル・・・「Gibson ES-320TD」です!
まさにESシリーズの異端児といったルックスですよね。
 
まずこのモデルの歴史を軽く追ってみましょう!

1971年より生産及び発売が開始される。(発売当初はマホ3Pネックとの噂)ピックアップはソリッドギターのMelodyMalerと同様のシングルコイルが採用されている。1971年同時期のES-335での仕様はマホガニー3Pネック、ヴォリュート付き、MADE IN USAロゴが入っていた時代ですね。発売後メイプルネックへの変更がなされる。1975年に10本のみ出荷された記録が残っているが、特に仕様変更を行わないまま1974年に生産終了された。約3年間のみの悲しき短命モデル。発売当初のカラーは、ナチュラル、チェリー、ウォルナットとなっていた。


Gibson ES-320TD E70's NAT
税込販売価格 \268,000
まず全体を見回して見ましょう。
335と同様のサイズ、フレット数を踏襲しています。しかし全体的に漂う「チープ感」「ビザール感」は一部のマニアな方々には堪らないですね。ワタクシを含めてですが(笑)ローズウッド指板にはドットポジションマーカーが施されています。全体的に簡略化された感じですね。ハコモノには珍しく金属パーツ(プレート)を多用し、生産の合理化も高められています。全体的にキズも少なく良い状態を保っているといえます。まだまだシャイニーな輝きが見て取れますね。ブリッジに装着されているカバーが、なんとも時代を感じさせますね。ミュートすることは全く無視されているのか?なんて思ってしまいます(笑)
まぁブリッジ部分に豪華さを出したかったのでしょう。ボディ外周部分に施されたブラックカラーのライニングの効果で全体が引き締まって見えますね。ピックアップカバーやブリッジカバー類に施されたGibsonの筆記体ロゴにより、高級感も同時に醸し出しています。!
* 左の画像にマウスカーソルを当てますと反対側の画像もご覧いただけます。

まずヘッドに施されたGibsonのロゴをご覧下さい。ナチュラルカラーをバックにブラックロゴが映えていますね。
とても見やすくGibsonのブランドを目立たせるのに一役買っています。
彫り込みのインレイではなく、水貼りのデカールとなっているのは生産性と合理性、互換性、コストダウンなどを考慮した結果でしょう。
 
 
ヘッドの大きさも335などとは異なっています。335よりも横幅も縦も大きく、長くデザインされています。
メイプルの木目を生かし丈夫に、より頑丈にしたかったのでしょう。
ヘッドとネックの付け根には”ヴォリュート”と呼ばれる、木部の補強が施されています。写真の出っ張った部分のことですよ。

例えば「ギターを倒してしまった、運搬時にショックを与えてしまった」場合の破損を防ぐ意味がございます。
強固なメイプルネック材を使用し、ヴォリュートも装備する・・・。
「ギブソン=折れやすい」という図式を打破したかったのでしょう。トラブルを未然に防ぐという努力の結晶ですね。
ペグ(チューナー)は3連式メタルノヴのクルーソンが採用されています。ダブルラインとなっていました。。
*左の画像にマウスカーソルを当てますと反対側の写真もご覧いただけます。
 
 
ネックとボディをジョイントしている部分のアップ写真です。意外にも(失礼!)しっかりと作りこまれています。隙間なども見当たりません。それどころか滑らかな曲線で構成され手を掛けている感じまで受けます。一般的に70年代ギブソンに対する評価は低いですが、このような作品を見ると考えを変えさせられますね。
 
 
ピックアップを取り外してみたところです。ピックアップキャビティはピックアップの形には添っておらず、長方形に彫られています。
タイトにせず、メタルのエスカッションを使用し宙吊りにしています。
この方法の方が、よりふくよかな「ハコモノ」サウンドがクリエイト可能なのです。
60年代中期までのES系とは違い、テノン(ネックのジョイント部分)は短く殆ど見ることが出来ません。
   
   
ご覧になって気づくことがあると思います。そう・・・。そうなのです。シングルコイルなのです!
あら、奥様。ホントですのよ。メロディメイカーと同様の構造を持ったシングルコイルピックアップが搭載されています。
しかも堂々とGibsonのロゴを入れています。こちらもブリッジカバー同様に筆記体ロゴが採用されていますね。
   
   
それではピックアップの裏側をご覧下さい。
見えるはずのピックアップコイルが見当たりませんね。漆黒のプラスティックに覆われた謎のピックアップ・・・。
興味がわいてきましたねぇ。メタルのエスカッションに固定されています。
ピックアップの裏から、か細いワイヤーが2本出ています。
そう。コレがピックアップのリードワイヤーです。 しかもプラスティックの間から顔をのぞかせていますねぇ。

プラスティックの間に指を入れて持ち上げてみると、カバーが外れコイルがやっと顔を見せました。
横に寝かされたマグネットにコイルが巻かれています。所謂バーマグネット仕様ですね。
ポールピースを持たず、各弦の出力バランスが良いのが特徴です。
*左の画像にマウスカーソルを当てますとピックアップの裏側の写真もご覧いただけます。
   
   
コントロールを見てみましょう。SG系に採用されていた、コントロールプレートをそのまま流用しています。これは生産時の合理性を高めるだけではなく、パーツの汎用性も意味します。

ギブソンお得意のトグルスイッチではなく、スライドスイッチによる各ピックアップのオン-オフとなっています。フェンダーのムスタングやジャガーの感覚と似ていますね。

その他のコントロールは一般的な1VOL、1TONEとなっています。残念ながらこの個体ではノブが交換(同型の物)されてしまっています。
   
   
ブリッジセクションを見てみましょう。プラスティックの駒が乗ったシンプルな構造を持つブリッジ&テールピースですね。
一体型と思いきや、プレートの上にブリッジが乗っている2ピース構造となっています。

若干ワイドトラベルブリッジに似た感じですね。弦高調整部分などは、ほぼワイドトラベルブリッジと同じ構造を持っていますね。
横から見ると弦はプレスし、スリットを入れた部分に引っかかっているだけなのです。
簡略化とは素晴らしいですねぇ。弦の張替えも容易に行うことが可能です。

ブリッジを外すと、ベースプレートが顔を覗かせます。
ブリッジスタッド付近に飛び出たプレートが見えるでしょうか?
これはブリッジの駒が動かないように、固定することを目的として設けられたものです。
*左の画像にマウスカーソルを当てますと下から見たブリッジの写真もご覧いただけます。
   
   
ブリッジ単体で見てみましょう。基本的にプレス成型されたパーツをしていますね。
ブリッジ本体も金属の板を曲げて(プレス)成型されています。
その上にプラスティックのブリッジ駒が並べられています。
チューンOマチックに比べオクターヴピッチの調整幅が広いのが特徴的ですね。!
   
   
バインディングのアップ写真です。

しかし・・・。コレは・・・。もしや・・・。まさか・・・。
ペイントなのですね。だから指板にはバインディングが施されていなかったのですね。

通常は彫り込み溝を製作し、セルロイドを埋め込んでバインディングを入れます。かなり手間の掛かる作業となります。その工程を簡略化するため、このような手法が採用されたのでしょう。遠くから見れば全く気づかないレベルに仕上がっています。ナチュラルカラーにブラックは映えますなぁ。非常に色のコントラストが取れていますね。センス良しです!



後書き。


如何でしたか???
今回のES-320TD。素晴らしきアメリカの合理性が垣間見られましたね。
セミアコースティックに分類されていますが、センターブロック部分が非常に少ないため
生鳴りが素晴らしいの一言です!重量も軽めで約2.9kgとシンボディのフルアコ並みです。

あまり市場で見る機会のないレアなモデルだけに、解剖してしまいました・・・。

変なモデルといっては失礼ですが、そんな「変な」モノが大好きなのです!ごめんなさい。
でもそんな方、一杯いるはずですよ。股ぁぁぁぁ!!


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★過去にも、私的おすすめギターと銘打って徹底解剖を行いました。
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