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GrooveTubesの創始者であり、ギター・アンプ界の『チューブGURU』としても知られるアスペン・ピットマン氏が、いかにして高品質レコーディング・ギアの開発、完成に至ったのか、GTマイクロフォンの歴史、そしてその「驚くべき」技術的な優位性を踏まえてたっぷりと語って頂きました。
●『それは、私達が「世界で最初に」紹介した超極薄ダイアフラムだったのです。』
Q : どのような経緯でレコーディング機器(マイクやマイク・プリアンプ)をGT社で製作する事になったのでしょうか?いきさつと歴史を紹介して下さい。
A
:ごく自然な成りゆきだったのです。ご存知のように私達は当初ヴィンテージ・アンプおよびすべてのアンプがステージやスタジオにおいてベストなサウンドを得るために特別にセレクトし、マッチングされた真空管のビジネスでスタートしました。私自身とエンジニア・チームによって開発された独自のシステムを用いて真空管を様々に改良、マッチングさせました。それらの真空管を搭載したアンプでレコーディングし、そのサウンドを改善するという繰り返しに多くの時間を費やしました。
その後、スタジオやツアー・レコーディング使われるアンプにとってのサウンド・システムの問題点を学び、「GT
スピーカー・イミュレーター」を開発しました。これは、どのようなチューブ・アンプでもスピーカー・アウトから直接ダイレクトにレコーディングできるという世界初の素晴らしい方法を実現した商品で、特許を取得しました。Blue
Oyster Cult の"Don't Fear the Reaper"のように当システムにより多くのヒット・ソングがレコーディングされました。また、多くの著名ミュージシャン〜例えばEVH,
Steve Vai, WhiteSnake, Billy Gibbons(ZZ TOP)等は、ライブツアーに於いて、アンプのスピーカー・アウトよりGT
スピーカー・イミュレーター『SE2』を経由し、直接ミキシングコンソールへ送るという方法を取っていました。
次に、私達は「現在手に入るパーツ」(※訳注:手に入れにくいビンテージ・パーツなどではない、ポピュラーなパーツ)でチューブ・マイクを作る事を始めました。完成したModel
One(当時の定価$1,000US)は、80年代後期当時を振り返れば確かに世界初の手頃な価格で購入可能なチュ−ブマイクでした。(当時の著名なチューブ・マイクは、このマイクの実に3〜5倍のプライスで販売されていました。)当機はMix
Magazine誌の技術賞を受賞しました。その後、マイクの製品ラインは3モデル(MD1, MD2, MD3)に進化しました。MD2とMD3は共に3ミクロンのダイアフラム(※1)を持ち、それは0.75及び1.00インチ・サイズのカプセルにおいて私達が「世界で最初に」紹介した(=世界初の)超極薄ダイアフラムだったのです。MD3のカプセルは「代表的なクラシック・レコーディング・マイク」にインスパイアされたものでしたが、オリジナルのものはもちろん12ミクロン・ダイアフラムであり、MD3は3ミクロンであった事に加え、新しいエレクトロニクスが搭載されていたのです。それら3種の初期カリフォルニア産マイクは、後に更なる電気回路の改良を行ない“A”バージョンとしてアップグレードされました。
(※1訳注:ダイアフラムはマイクにおける「音の入り口」にあたり、「音をとらえる為の膜」である。アスペン氏も後述で関連させている様に、それはまさに我々の「耳」における「鼓膜」にあたる。また、ダイアフラムは、薄ければ薄いほど、より「繊細」に、より「原音に忠実」に、音を捉えることが出来るといえる。
そして、ダイアフラムは、その薄い皮膜構造を支える為、「カプセル」内に張力を持たせた状態で収められている。この「カプセル」は、多くの場合、注入式のプラスチック構造を用いるが、現行GTマイク・シリーズは、この「カプセル」に於いても他社とは異なる堅牢なブラス構造デザインを誇る。)
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『私自身の耳は最高のテスト・システムなのです。』
次のステップは「代表的なクラシック・チューブ・マイク」にインスパイアされながらも、新たなカプセル、そして新たなチューブ回路でデザインされた「新しいマイク」を作る事でした。新たなシャーシと更に進化した我々のチューブ回路を伴う3ミクロン・ダイアフラムにより、そのマイクは結果として「オールド・クラシック・マイク」を大きく上回った出来となりました。2〜3回りも薄いダイアフラム、そしてウォームで静かな(ノイズレスな)チューブ回路(ここにはUSA軍事規格真空管、カスタムメイドのニッケルコア・トランス等を採用)により、我々のマイクは「ヨーロッパ製・クラシック・マイク」と比較して、更なる透明感と繊細さを獲得しました。そのマイクは「感度の良い鼓膜」を持つ耳のように機能し、レコーディングにおいて、より細かなディテールの再現を可能としたのです。
私は、まずミュージシャンであり、そして、私自身の耳は最高のテスト・システムなのです。そして、音に対する追求である点で、チューブ・マイク製作の過程は、より良いチューブ・アンプをデザイン・開発する行程と非常に似通っており、私にとって非常に興味深いことでした。
「偉大なギター」と「偉大なサウンドのチューブ・アンプ」の組み合わせは「最高のギター・トーン」を産み出します。同様に、「偉大なクラシック・マイクカプセル・デザイン」と「最新設計のローノイズかつワイドレンジなチューブ回路」の組み合わせが「ボーカル・レコーディングにおける最高のサウンド・トーン」を産み出すのです。
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『より良いアッセンブリーに於いて、最終的な進化が見出されるのです。』
また、多くの場合、より良質な真空管を使用する事、不断の努力でより薄いダイアフラムを使ったカプセルを作る事などと同様に、より良い部品の構成、組み込み(アッセンブリー)に於いて、最終的な進化が見出されるのです。
GTマイクは現在でも世界的に見ても非常に希有な「3ミクロン・ダイアフラムを持つリーズナブルな価格」のスタジオ用マイクであるといえます。他の多くのマイクロフォン・メーカーでは未だに6ミクロンを採用しています。なぜなら、我々が世界に先駆けて作製した3ミクロン・ダイアフラムは、非常に難易度が高く、よりシビアで徹底されたスキルが必要となるからです。もちろん、ダイアフラムに於いては、6ミクロンよりも、3ミクロンの方が遥かに優れた仕様と言えます。
また、我々の全てのマイクは厳しく管理された製作過程を経て精密に作られます。その結果、私達はステレオ・マッチングさせたペア・マイクを余計な労力無しに提供する事ができます。
(※訳注:実際、GTから出荷される各マイクの個体差は驚異的に極少で、その許容誤差は僅かに+/-1dbを誇る。故にペアリングが組み易く、希望に応じて販売されているGTのマッチド・ペア・マイクは、他社製マッチド・ペア・マイクのような追加料金は不要なのです。)
また、私には、世界最高峰のカプセルを作り上げた「天才的なカプセル&インダストリアル・エンジニア」であり、そして「最も信頼できるブレイン」でもある長年のパートナーがいます。彼は、25年以上に渡って、素晴らしく高品質なカプセル製作に関わっているのです。
私は以前、(すべてのマイクの心臓部である)カプセルのパーツをいくつかのアメリカや中国のハイ・レベルなカプセル・ビルダーに送りました。そして送られて来た彼の完成品カプセルは、その他のビルダーのものを大きく上回る圧倒的な出来だったのです。
彼は独自の精密で正確なカプセル製作工程を持ち、24Kゴールド蒸着させた超極薄ダイアフラムを彼の完璧なテンション・システムにより「チューニング」し、一貫した製品としています。
私達は12年前に彼をパートナーとして選び、以降、互いの利点を活かしながら、ベストセラー・チューブマイクの歴史を作る事ができたのです。
●『良いカプセルができれば、その後の「補正」は必要無いのです。』
我々が作り上げた、最も重要であり、革新的なパーツのひとつに、リゾネーターディスク(共鳴板)があります。これにより我々のラージ・カプセルはそれまで以上の更なる高周波数を獲得したのです。これは、今現在でもGT唯一の技術であり、他社のマイクには無いものです。彼等は時折、我々のディスク・デザインをコピーしようと試みますが、それは先述の私のパートナーの卓越したアッセンブリー・テクニック無しには成し得ない事であり、いずれも失敗しています。またあるメーカーでは、より高周波数を得るために回路を改良する事を考えましたが、これもまた、失敗しています。また、他のメーカーでは、安価なプラスチックで型取りしたカプセル・バックプレートを使用し、そこから生じる問題点を解消する目的でEQやノイズを低減させる為の回路設計を施していますが、それが原因で、還ってひどいフェイズが発生したり、時にサウンドそのものを脚色してしまうのです。良いカプセルができれば、その後の電気回路での「補正」は必要無いのです。私達のカプセルは、詳細は秘密ですが、それ自体、伝統的かつ明瞭な音質を持っています。
Q:現在のマイク・シリーズを開発するにあたり、参考にした、あるいはモデルとなったマイクがあれば御紹介下さい。
A : 実際に私のマイク・コレクションは100を超え、そのほとんどはヴィンテージ物です。それらを我々独自のマイクを開発する上で比較・参考に使用しました。
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